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秋に菊に似た花を咲かせることからその名前がついたシュウメイギクは、夏から秋にかけて花を咲かせます。名前に「キク」とついていますが、菊とは全く異なる植物です。園芸種としてさまざまな種類があり、育てやすいため、ガーデニングでも人気があります。
そんなシュウメイギクの育て方について見ていきます。
シュウメイギクの育て方は、日当たりに注意することがポイントです。
耐寒性と耐暑性があり、さまざまな環境に順応できるシュウメイギクですが、本来は半日陰かつ湿った土を好み、夏が冷涼な地域での育成のほうが成長が活発で、株も増えやすいという特徴があります。
日差しの強すぎる場所では草丈があまり伸びず、逆に日当たりの悪い場所で育てると花つきが少なくなってしまうことがあります。
特に、根っこの部分は高温と乾燥に弱いため、管理するときは地温の上昇を防ぎ、株元が直射日光に当たらないように心がける必要があります。
できるだけ強い直射日光が長時間当たるような場所を避け、乾燥するときは腐葉土やマルチングを根元にかぶせてあげるなどしましょう。
シュウメイギクは、「葉っぱには日光が当たり、株元は日陰になるような場所」や「半日陰」となる場所で育てましょう。
夏の直射日光の厳しい時期には、半日陰の場所に移すか、木漏れ日の当たる木の下などで育ててあげると良いです。そこまで神経質になる必要はありませんが、できるだけ強い直射日光を避けられる場所を選んでください。
それ以外の季節は、花つきをよくするために屋外でよく日の当たる、風通しの良い場所で育ててあげます。
地植えにする場合は落葉樹の足元などに植えてあげることで、夏と冬の日差しをコントロールすることができるのでおすすめです。
シュウメイギクは湿潤な土を好むため、水はけがよく肥沃で保水性に優れた土を用います。配合例としては、「赤玉土を4、鹿沼土を3、腐葉土を3」の割合で混ぜ合わせた土などが理想的です。
地植えの場合は、保水力を高めるために腐葉土を混ぜ合わせて30cmの深さまでよく耕すのがポイントです。落葉樹が周りにあると、落ち葉が冬場にマルチングの役割を果たして、湿り気のある土になります。
また、シュウメイギクは弱酸性の土壌が生育に適しています。ただし、日本の庭土はどちらかといえば酸性よりなところが多いので、あまり気にしなくても大丈夫でしょう。
シュウメイギクへ追肥する時期は、春と秋です。真夏などの高温期に肥料を与えすぎてしまうと、根っこを痛める原因となるため、注意してください。
シュウメイギクの成長期にあたる春(3〜5月)の間には、地植えなら月に1回程度の置き肥、鉢植えなら月2〜3回ほど液体肥料を施します。
秋の花が咲いたあとには、来年もきちんと花をつけるようお礼肥を与えます。与えなくても枯れるというわけではありませんが、なるべく与えてあげてください。
なお、肥料分を吸収するのは根の先端部分です。そのため、株元に肥料を置いてもあまり効果が期待できません。肥料を与えるときは、株から少し離れた場所に置いてあげるのが重要です。
シュウメイギクの種は、冬の間に採ることができます。地上部が枯れてきたときがタイミングです。
種まきするときは土を被せず、かつ風で種が飛ばされないよう注意しながら育てます。また、乾燥しないよう適度に水やりも必要です。弱々しい苗を間引きながら、翌年の春頃まで育てたのち、ほかの場所へ移植しましょう。
シュウメイギクの種は、覆土すると発芽率が下がります。そのため、通常の種まきのように、土の中に埋める方法は向きません。
シュウメイギクの植え付け時期は、3月〜4月頃が適期です。
シュウメイギクを鉢植えにする場合は、株がすぐに増えてしまうので、ひとまわり大きめの鉢に植え付けましょう。
シュウメイギクはやや湿り気のあるような土壌を好みます。
鉢植えの場合には、土の表面が乾いてきたと感じたら、たっぷりと水を与えてあげます。
地植えの場合、半日向で湿り気のある土壌で植えていれば、極端に乾燥しない限りはとくに水を与える必要はありません。ただし、植え付け直後から苗が土に根付くまでの間は、雨の様子をみながら必要に応じて水を与えてあげたほうがよいです。
また、シュウメイギクは夏の暑さと水切れの状態には非常に弱いです。朝と夕方にしっかりと水を与えてください。
シュウメイギクを地植えで育てている場合には、極端な乾燥をしない限りは雨水だけでも育ちます。
鉢植えの場合には、冬は休眠状態に入りますが、シュウメイギクは宿根草であるため、冬場でも土が乾燥することのないように、適宜水を与える必要があります。
シュウメイギクを鉢植えしている場合は、1〜2年に1度程度の頻度で植え替えが必要となります。植え替えの時期は花が終わった後の3〜4月が適しています。
シュウメイギクの花が終わったら、花を切り戻します。
冬場になると地上部分は枯れてしまいますが、春になると新しく芽吹きます。
また、花が咲いたあとの綿毛から種を採種できる種類もあるので、種を収穫する場合には袋をかぶせて風で飛ばないようにします。
シュウメイギクの増やし方には、「挿し木」・「葉挿し」・「株分け」・「根伏せ」といったさまざまな方法があります。ここではおすすめの2つの方法を説明します。
鉢植えで育てている場合は、葉っぱが伸びてくる前に株分けをしてあげるのがよいでしょう。春先には、地下の茎からランナーと呼ばれる茎が伸びて、その先に子株がでてきます。子株を掘り上げて、別の場所や鉢植えで簡単に増やすことができます。
根伏せで増やす場合には、根っこを5cmほどの長さに切り取ったあと、きれいな用土に寝かせて土を被せます。種からも増やすことができますが、品種によっては種を実らせないものもあるので、事前に確認が必要です。
シュウメイギクを育てるときには、新芽やつぼみの部分にアブラムシやシンクイムシが付着しやすいです。日の当たりやすい場所で育てていると、夏場にハダニが発生することもあります。
また、花茎の地表に近い部分では、メイガの幼虫が入り込むことがあります。食い荒らされてしまうとその後の生育に影響が出ますので、できるだけ早めに殺虫剤を散布して駆除、防除します。
白絹病が発生しやすいのは、水はけが悪かったり、梅雨や長雨で用土が湿った状態が続いた環境です。風通しがよく、排水性のよい環境を作ってあげましょう。
うどんこ病は、空気が乾燥し始める秋の開花する時期に発生しやすくなる病気です。株分けなどをして、できるだけ風通しの良い状態をつくりあげましょう。
シュウメイギクの主な用途は花の鑑賞です。切り花としてお花屋さんでも扱いがありますし・華道の世界でも季節を演出する花材として重宝されます。中国では根の部分を解毒や解熱に使うこともあるようですが、シュウメイギクには毒性があるため、個人の判断での使用はおすすめできません。
秋に咲き誇るシュウメイギクについて紹介しました。
暑さや直射日光に弱いため、その分手間がかかりますが、秋の訪れとともに、庭に四季を感じさせる情緒があります。
この記事を参考に、ぜひシュウメイギクを育ててみてください。
松原真理子
GreenSnap編集部