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青紫色で彩りのよいムスカリは、控えめな存在感ながらも丈夫で、ガーデンカバーとして花壇に彩りを添えます。また、育てやすいことから初めて球根栽培にチャレンジする人にもおすすめの植物です。
今回はそんなムスカリの育て方を見ていきます。
ムスカリは比較的、太陽を好む植物です。そのため、できるだけ直射日光の当たる場所で管理してあげましょう。
午前中の数時間だけでも日光が当たれば成長していくので、多少の半日向で育てても大丈夫です。ただし、あまりにも日陰すぎる場所で育てると、茎が間延びして弱々しく成長したり、花つきが悪くなったりします。
ムスカリは温暖で、夏に乾燥する地中海沿岸、西南アジアが原産地です。そのため、日当たりがよい、かつ風通しの良い場所へ置くのが良いでしょう。
夏の暑さと冬の寒さのどちらにも強いため、冬越し、夏越しの対策をしなくても、植えっぱなしできちんと成長します。
ムスカリへの水やりの方法は、地植えと鉢植えで変わってきます。
ムスカリを地植えで育てている場合は、基本的に水やりをする必要がありません。降雨だけでもすくすくと育っていきます。
ただし、気をつけなければいけないのは、梅雨の時期など降雨が続いた時期です。ムスカリは乾燥に強いですが、水はけが悪くなり、潤ったままの状態が続くのは好ましい状態ではありません。
水はけが悪くなったら、花壇の土を入れ替えるなど、水が貯まらないように手入れをしてあげます。
一方、ムスカリを鉢で育てる場合は、土が乾いてきたと感じたら、たっぷりと水をあげるぐらいで大丈夫です。蕾が出てから開花の時期に差し掛かる3月から5月にかけてだけ、水切れした状態がないように注意しましょう。
夏はムスカリが休眠状態に差し掛かるため、この時期になると葉っぱがだんだんと枯れていきます。このときは、基本的に水やりをする必要はありません。冬は、土が乾燥したと感じたときに与える程度で大丈夫です。
ムスカリは水耕栽培でも育てることができるほど、球根に栄養を貯えているの植物です。そのため、肥料を与えなくても花を咲かせることはできます。とはいえ、ムスカリの生育を促進するために、肥料を施しても問題ありません。
ムスカリを地植えで育てる場合は、球根を植え付けたあとで、土の上から化成肥料をぱらぱらと撒きます。花の開花後にも、緩行性のある肥料を与えることで、球根が太くなり、翌年の実を結ぶ花の数が増えます。
ムスカリを鉢植えで育てる場合は、置き肥として化成肥料を与えてあげます。追肥をする場合、花後から葉っぱが緑色をしている間に、液体肥料を水やりの代わりに、月に2回程度与えます。
ただし、ムスカリの夏の休眠時期に肥料を与えてしまうと、球根が傷んでしまうので避けましょう。
ムスカリは水はけのよい土を好みます。市販で売られている培養土を用いても大丈夫ですが、酸性の土を苦手として好みません。
特に、ムスカリを地植えをする場合には、日本の土は酸性雨が降る影響もあって、どちらかといえば酸性気味になっていますので注意が必要です。
酸性を緩和するためには、苦土石灰と呼ばれる石灰とマグネシウムの混合物を土に入れて、混ぜ込みます。土1Kgあたりにつき1.5g程度の散布量で大丈夫です。
ただし、苦土石灰を撒いてから馴染むまでには時間がかかるため、植えるのは撒いてから1週間程度経ってからになります。
鉢植えで育てる場合、自分で配合する場合には小粒の赤玉土を7、腐葉土を3の割合で混ぜ合わせたものをを使う方法もあります。
ムスカリの植え替え、植え付け時期は、9月から11月頃の間頃です。
ムスカリを植えっぱなしにしておくと、土の中でどんどんと球根が増えていきますので、次第に窮屈になってしまい、花つきがどんどん悪くなります。そのため、2年に1度を目安として、植え替えてあげましょう。
ムスカリの植え付けをする際、あまり早くに植えてしまうと、だらしなく伸びた葉っぱになってしまいます。できるだけ遅く植えてあげることがポイントです。とはいえ、あまりにも遅すぎると、ムスカリの球根の成長があまりよくないので、注意が必要です。
ムスカリを鉢植えにする場合は、5合鉢ぐらいの大きさで7球ほど植え付けます。冬の霜に当たってしまうと枯れてしまうので、冬場は比較的暖かい戸外か、もしくは室内で管理します。
ムスカリの地植えの場合には、5〜15cmぐらいの間隔をあけて球根を植え付けます。土は5cmほど、覆いかぶさる程度かけてあげます。植えっぱなしにすると自然に球根が増えるため、やや広めに間隔を取って植え付けましょう。
種まきをする場合には、採種した後で撒くことになるので、時期としては11月が目安です。種を植えてから花が咲くまでには、3年ほどかかります。
ムスカリは自然分球する品種です。親球根の周りに小さな球根ができ、そこからどんどん増えていきます。
6月から7月の時期に、球根を掘り上げて回収し、秋まで風通しの良い涼しい場所で保管します。
球根を植え付ける時期になったら、小さな球根を引き剥がして、別々に植えてあげることで増やしてあげることができます。
ムスカリを地植えで植えっぱなしにする場合は、どんどんと増えてきます。
もし害虫がつくとすれば、アザミウマ、エカキムシ、アブラムシ、ハダニ、ネキリムシ、ナメクジ、ヤトウムシ、コナジラミ、カタツムリといった種類が挙げられます。しかし、3月から4月の、まだ比較的寒い時期に花を咲かせるムスカリには、害虫はほとんど見られません。
ムスカリがかかりやすい病気ですが、水はけの悪い状態で育てると、白絹病と呼ばれる白い糸状のカビが発生します。一度感染してしまうと、治療できず元には戻せないです。罹患したら株を抜き取ってしまい、焼却処分します。
また、白絹病にかかった土から、他の植物へと感染してしまうので、日光で消毒する必要があります。高温で、なおかつ湿度の高い6月から8月にかけて発生しやすくなりますので、この時期は水やりを控えて乾燥気味に管理したり、風通しの良い場所に移す必要があります。
また、石灰分を与えておくことで予防の効果が期待できます。
頑丈で増えやすいことから、ムスカリはグランドガードとして花壇の余ったスペースや、開花時期の異なる植物と混植として利用できます。花が控えめながら綺麗であることから、寄せ植えの際にはチューリップなどの主役を引き立たせます。
原産地が西南アジア・地中海沿岸であるムスカリは、夏の暑さに強いのはもちろんですが、耐寒性に強く、寒冷なヨーロッパ地方でも咲き誇ります。
植えっぱなしでもすくすくと育つため、手間がかからず注視する必要がないのが特徴ともいえます。
低温の状態だとあまり葉っぱが伸びないという性質があるため、この性質を活かして植える時期を遅らせ、葉っぱがあまり伸びない状態にする方法もあります。
一般的にムスカリと呼ばれている、「ムスカリ・アルメニアカム」の花の形態について紹介します。
ムスカリは丸い釣り鐘型の小さな花が、まるでブドウの房のように群がって咲きます。色は青紫色で、開花時期は3月〜4月の間です。
ムスカリの花言葉には、「明るい未来」・「寛大な心」・「通じ合う心」という希望を抱かせるものがある一方で、「失意」・「絶望」といった暗いイメージのものもあります。
これは、ヨーロッパでは青色が象徴するのは気分が沈むことと、ブルーブラッドと呼ばれる貴族の血統だという2種類の意味を持つためとされています。
手間があまりかからず、植えっぱなしで生育されることもあるムスカリは、丈夫なことからグランドカバーとして、また控えめで美しい花を身につけることから寄せ植えとして、幅広い用途で活躍します。ただし、球根の増えすぎには注意してくださいね。
あまり世話いらずで育てやすいため、この記事を参考にして是非育ててみてください。
GreenSnap編集部