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アオキは成長しても2メートル程度にしかならない低木で、日陰であってもよく育つ半陰樹です。葉の真ん中に黄色い班がはいる園芸品種や、東北や日本海側の1部地域の豪雪地帯に適応した、アオキよりも1周り小さいヒメアオキなどがあります。
そんなアオキの育て方を説明します。
アオキはヤツデやアセビなどと同じく、やや半日陰を好む半陰樹です。日差しが照りつけるような環境は避けて下さい。
日差しの強い環境だと、とくに園芸品種の黄色い班入りのものなどは、葉焼けを起こしやすいです。葉焼けを起こすと葉が黒くなってしまいます、理想的な環境は、背の高い落葉樹の近くに植えることです。
夏の間は強い直射日光をガードしてくれますし、日光量の減少する冬は葉っぱが落ちて、アオキが日差しを得ることができます。
アオキは高い木が林立する森の中で、低木として生活してきました。そのため乾燥よりは、やや湿った環境を好みます。
アオキを鉢植えで育てる場合は、生育期の春から秋の間は、鉢の土の表面が乾いた頃に水を与えます。
地植え・庭植えの場合は、植え付けてから2周間ほどは乾燥を避ける程度の水やりは行ってください。根付いたあとであれば、雨が極度に降らず、空気が乾燥しきっていたりしないかぎり、雨の水でも十分すくすく育ちます。
冬の場合も、夏と同様に土の表面が乾かない程度に水やりします。ただし、冬は水が乾きにくいので夏よりも頻度を減らして下さい。
地植え・庭植えの場合も、夏の場合と同じように水を与える必要はあまりありません。
アオキはたくさんの肥料は必要としません。2月〜3月または9月〜10月の年2回ほど、窒素分の多い有機肥料を土に混ぜて下さい。鳥糞が望ましいですが、アンモニア臭などの問題もあるため、株元に化成肥料を追肥するのもおすすめです。
追肥の時期は3月頃が望ましいです。肥料が多すぎると、枝の葉が茂りすぎて、樹形がアンバランスになってしまいます。有機肥料や化成肥料に頼らず、ワラなどを株元に施すほうが効果的ということもあります。
アオキを鉢植えしている場合は、固形の油かすなどを与えて下さい。
アオキを育てるときは、有機質に富んだ用土が好ましいですが、さほど拘らなくても問題ありません。
市販の草花用培養土で育てるか、赤玉土を7、腐葉土を3の割合で混ぜた土を使うと育ちが往々にして良いです。水はけのよい土が適しています。
アオキの種まき時期は3月から4月が適しています。苗の植え付けも同様で、3月から4月が最も適しています。ただし、アオキは1年中植え付け可能なため、秋の9月から10月に植え付けることも可能であったりします(降雪地帯では、秋の植え付けは適していません)。
根のはりがあまりよくないものは、寝付きをよくするために、葉や、枝をある程度落としてから植え付けて下さい。
アオキを鉢植えで育てている場合は、鉢の底から根が伸びているのが見えたら、1周り大きな鉢に移し替えて下さい。
アオキは木が若いうちは、剪定する必要はありません。
ただし木が成長し始めると、枝葉が茂って風通しが悪化します。病気や虫を防ぐためにも風通しを良くすることは大切なので、剪定する必要があるります。
いらない幹や、古くなりすぎてコルク質になった幹を株元から切り落とすと、全体のバランスとしてシュッとし、風通しも改善されます。また、全体を飛び抜けて伸びすぎた枝は、バランスを考えて切ってもいいです。間引きする際は、根元から切り落として下さい。
全体のバランスを整えるために剪定する場合は、ほかの枝のながさと合わせて切り詰めましょう。
アオキの増やし方は「挿し木」が1番簡単な方法ですが、「取り木」や「種まき」といった方法もあります。
挿し木の適期は、6月から7月です。真冬から芽出しの時期いがいだといつでも可能です。
枝の先端を20センチから10センチの間で切り落として、赤玉土やなどの清潔な土で育てて下さい。水はけがよく、やわらかい土が理想です。挿し木をしたあとは、土が乾かない程度に水をやって、発根を促進させます。
取り木は、茎の途中から根を出させて、株を増やすという方法です。
6月から7月ころに、枝の樹皮を木質部まではぎとって、水苔で湿らせたビニールで覆って下さい。それを紐などで固定します。水ゴケの水切れには注意して下さい。2ヶ月ほど立って、発根がかくにんできたら、もとの株と切り離します。
果実から種を得ることも可能です。ただしアオキは雌雄異株で、花は咲かせることはできても、つがいとして機能しないと果実をならせることができません。
種は通常市販されていないので、種から育てるには、自生しているアオキの果実を持ち帰るか、自分でアオキの雌雄を揃えなければなりません。アオキの雌雄を隣に置かなくとも、ミツバチなどがポリネーターとなって、受粉の決起をつくってくれます。
園芸品種の斑入り品種は、雌木でもあまり実付きはよくないです。葉を鑑賞するものと割り切って下さい。
アオキにはカイガラムシがつきやすいです。そして、カイガラムシの排泄物・分泌物などが菌床にして、すす病菌が増殖しすす病を発症します。
すすびょうは葉などに黒い斑点ができる病気です。発生すると、罹患した植物の葉や茎、枝などが黒色で覆われます。見た目の美しさを損なうだけでなく、光合成や葉の表面からの水分の蒸散がうまく機能しなくなり、生長が立ち行かず、最悪のケースだと枯れてしまうこともあります。
対策としては、黒ずんでいる葉っぱを見かけたら、その葉を取り除くことです。その上で、殺菌剤を散布します。まずカイガラムシの幼虫を見かけたら、歯ブラシなどで駆除してください。
アオキは日本のいたるところで自生している植物であり、管理温度に関して神経質になる必要はありません。唯一低木で、背の高い落葉樹を日よけにして生きてきた植物ですので、強い直射日光は避けて下さい。
また、アオキは東北でも生えています。-12℃から-18℃程度でしたら問題なく耐えられます。
アオキの花言葉は「若く美しく」、「初志貫徹」、「変わらぬ愛」、「永遠の愛」です。
7世紀から18世紀にかけて、未知数の新たな有用な植物を追い求めた人達がヨーロッパにいました。
プラントハンターと彼らは呼ばれていて、彼らは、園芸用のみならず、食用や薬用、香辛料としての植物を追い求め、世界中の植物を探し求めます。植物によっては、プラントハンターに莫大な財産を与え、未開の地を練り歩くことが、単なる冒険心ではなく、一攫千金の旅であった時代がありました。
アオキは、ヨーロッパには1783年には渡っています。プラントハンターが、その常緑樹としての性質、冬に赤い実をならせることに感動したためでした。
しかし、そのプラントハンターはアオキが雌雄異株であることを知らず、ヨーロッパでは長らく雌木のみがあり、果実を実らせないという状態です。そして、1860年、ロバート・フォーチュンが来日します。彼は、中国が当時独占していたチャノキをインドに持ち帰ったことで有名な人です。
菊やラン、ユリなどの東洋の代表的観賞用植物を”発見”したのも彼です。ロバート・フォーチュンははアオキの雄木も日本から持ち帰り、イギリスに送って、赤い実をならすことに成功しました。
アオキは、このようなストーリーからもわかるとおり、ヨーロッパからも関心が昔から高く、世界中で園芸用品種として定番の植物となっています。あまり高く成長もしませんし、半日陰でも育つアオキを、1度育ててみてはいかがでしょうか。
GreenSnap編集部