黒種草（クロタネソウ）。キンポウゲ科クロタネソウ属。ニゲラはクロタネソウ属の学名。ひと目見て、ぞくぞくする美しさと個性は、群を抜く。詩人の野口雨情が作詞した童謡「青い眼の人形」を彷彿とさせる。♪日本の港へついたとき　いっぱい涙をうかべてた♫・・・花に違いない。

原産地は地中海沿岸から西アジアまで広がっている。青色の花びらに見えるのは、萼片。苞（ほう）という糸状の葉がなんとも繊細さを演出している。日本には江戸末期に渡来し、一部野生化。野生化しなくても大切に育てられると思うが、深窓の令嬢にありがちな自由奔放さか。花色は青のほか、紫、白、ピンク、混色があり、多彩であるが、神秘的な青が好まれるのは、衆目の一致するところだろう。

花後、風船状にふくらみ、これまた意外性のある果実となる。果実のなかに黒い種があり、和名の黒種草の由来となっている。種はバニラの香りがするようだ。
ニゲラちゃんは近所の薬草研究所の庭園にいた。♫やさしい日本の嬢ちゃんよ　ニゲラとなかよくやっておくれ〜♪