『ヨメナ』
🏷️今日のお花


山の小道を歩いていた。
前日の雨で苔むした岩がしっとり光り、足元には小さな白い花がいくつも咲いていた。
風が通るたび、花びらがわずかに震える。
――あれ？この花は？
　　　　　　　　📱🔍ヨメナ


昔、母から聞いたことがある。
「ヨメナは夜に見るもんじゃない。泣き声を聞いたら、振り返っちゃいけないよ」

そんな昔話を思い出しながら、
📱でパシャリ❗️
その時だった。
近くの民家の軒先から、子犬が勢いよく吠えかかってきた。
キュウキュウと喉を鳴らして、目を見開き、何かを追い払うように。

「どうしたの、びっくりするじゃない」
そう声をかけても、犬の視線は私の背後に向けられていた。
振り返ると、風が一瞬止まった。
花々が一斉に、こちらを向いているように見えた。
さっきまで可憐だった白い花が、まるで誰かの顔のように見えた。
細い首がゆっくりと傾ぎ、花びらが唇のようにわずかに開く。

――「返して……」

誰かの声が聞こえた気がした。
その瞬間、子犬が「キャンッ！」と鳴いて逃げ出した。
私は慌てて道を駆け下りた。

振り返ると、ヨナメの花の中に、ひとつだけ色の違う花が混じっていた。
淡い紫の花びらに、濡れたような黒い模様――まるで、涙の跡のようだった。

我に返ると
戸板の隙間から
大きなアサガオが
こちらに向いてニンマリと
笑った😱