蛇の目エリカ(ジャノメエリカ)

ツツジ科エリカ属の常緑低木。南アフリカ原産。エリカ属はヨーロッパ〜アラビア半島、アフリカに800種以上が分布するが、大部分は南アフリカのケープ地方に自生する。エリカ属の園芸植物には主に南アフリカ原産のものとヨーロッパ原産のものがあるが、最も一般的なジャノメエリカは南アフリカ原産である。日本には大正時代の1920年頃に渡来し、暖地の庭木としてエリカ属の中で最もよく栽培されている。樹高は2mほど。針葉樹のように細く短い葉が枝に密につく。花期は11～6月。鐘形の花はピンク色で長さ4㎜ほど。ジャノメエリカの他に、長い筒形の花が枝先に集まるアケボノエリカや、ドウダンツツジに似た白花のスズランエリカなどエリカ属には多くの種類がある。種類や品種によって春咲き、夏秋咲き、冬咲き、不定期咲きがあり、ほぼ周年店頭に並ぶ。

名前は、花の中心に突出する葯の黒色が目立つことに由来する。属名のEricaは、茎がもろいことから、ギリシャ語で『壊す』を意味するereikeまたはereikoに由来し、エリカ・アルボレアのラテン古名ともなった。

出典『ボタニカルアートで楽しむ花の博物図鑑』『花の事典 970種』『色と形で見わけ散歩を楽しむ花図鑑』