アガパンサス／紫君子蘭(ムラサキクンシラン)

ヒガンバナ科アガパンサス属の多年草。南アフリカ原産で明治時代中期に観賞用として渡来した。細長い剣のような葉が株状に集まってつく。花期は6～7月。長い花茎の先に傘のように集まって花が咲く。花の中を見ると雌しべのもとに子房が見えず、横から見ると花弁の下に球がある。これが子房で、やがて果実になる。果実は三角形。種子はよく発芽する。非常に丈夫で育てやすく、地上部が枯れて冬越し、翌春には新芽を出す。かたまりのような地下茎と太い根で水分と栄養分を蓄える。

アガパンサス属は20種ほどあり、園芸品種も多数ある。花の形はユリのようなラッパ形のものや、星形のものなど、種によって様々。公園や街中の植え込みなどでは、葉が茂って大きな株になり、花茎を1m近くまで伸ばすアガパンサス・プラエコクスの園芸品種をよく見かける。草丈が30㎝くらいの小型種も栽培される。

名前は、ギリシア語のアガペー(愛)とアントス(花)に由来し、『愛の花』の意味。花や葉が君子蘭(クンシラン)に似ているので紫君子蘭(ムラサキクンシラン)の別名もある。

出典『色と形で見わけ散歩を楽しむ花図鑑』『育てたい花がたくさん見つかる図鑑1000』『都会の草花図鑑』