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イシキア(学名:Ixia)はアヤメ科イキシア属(ヤリズイセン属)の球根植物の総称です。イキシアはイクシャとも呼びます。和名が槍水仙(ヤリズイセン)であることから、イキシア属とヤリズイセン属のどちらでも間違いではありません。槍水仙の名は、花のつき方が水仙に似ていることに由来しますが、水仙はヒガンバナ科スイセン属であり系統は離れています。
イキシアの茎は針金のように硬く細長く、葉も同様に細長い形状です。秋植えの球根植物であり多年草であるイキシアは、上手に夏越しと冬越しをすることで毎年花を観賞できます。
そんなイキシアの育て方を説明します。
イキシアは日当たりと水はけの良い場所で育てます。イキシアの耐暑性は強いので、国内では関東以西の温暖地や暖地での栽培の方が適しています。
イキシアは半耐寒性球根であり、耐寒性はやや弱めです。そのため、氷点下になるような場所では、地植えしたままの冬越しは避けてください。寒冷地では鉢植えにして、日光が当たる室内で育てましょう。
また、イキシアの球根は高温と多湿を嫌うので、鉢植えの場合は花後に雨の当たらない場所に移動してください。地植えの場合は、花後に葉が枯れてきたら土から球根を掘り出し、雨の当たらない場所で秋まで保存しておきます。これは花後に球根が水を吸い上げると腐る原因になるためです。
イキシアの球根の植え付け時期は10~11月が適期です。
イキシアを鉢植えにする場合は、掘り上げてた球根を新しい土を入れた鉢に植え付けてください。深さ3~4cmの穴に球根を入れ、上には2~3cmの土を盛ります。4号鉢なら3球、5号鉢なら7球程度の植えられます。
イキシアを地植えにする場合は前年に植えた場所を避けて植え付けてください。植え付ける深さは5cm、植え付け間隔は4~5cmくらいが良いでしょう。
イキシアの球根を植え付けた10~11月頃から花後(5月下旬~6月頃)の休眠期に入るまでは、土の表面が乾いたら水をたっぷり与えます。花後に葉が枯れてきたら休眠期だと判別できます。
植え付け時期の10~11月まではそのまま水をやらずに乾燥させてください。鉢植えの場合は雨の当たらない場所に移動し、地植えの球根は掘り上げ、秋まで乾燥させておきます。
イキシアは毎年植え替えをするので、肥料は必要ありません。むしろ肥料を与えない方がよく育ちます。
イキシアを育てるときは、水はけの良い土を用います。
鉢植えの場合は赤玉土7:腐葉土3程度の割合で用土をつくりましょう。水はけを良くするためにも鉢底には敷石や鉢底ネットを敷いてください。
イキシアはアルカリ性のある土を好みますが、日本の土壌はほどんどが酸性です。そのため地植えの場合は、1週間ほど前から土に苦土石灰を混ぜ込んで改良しましょう。
イキシア植え替え時期も、植え付けと同じく10~11月が適期です。イキシアは連作には向かないので、鉢植えでも地植えでも毎年植え替えを行います。
イキシアの球根は自然に分球するので、子球を植え付けて増やしていきます。
子球は小さいので、親球とは別の鉢に植え付けて太らせます。赤玉土7:腐葉土3の割合で配合した用土に化成肥料を混ぜ込み植え付けてください。1年ほどで大きくななったら本格的に植え付けます。
イキシアの花が咲き終わったら、花がらは摘み取っておきます。6~7月、葉が枯れてきたら休眠期に入るタイミングと分かるので水やりを休止しましょう。
定植初期の10~11月は水をたっぷり与えます。3月中旬~4月の生育期には土が乾かないように注意してください。
イキシアに害虫の被害はほとんど見られません。病気もかかりにくいですが、高温や多湿で球根が腐らないよう注意してください。
イキシアの原産地は南アフリカで、50種ほどの原種があります。日本国内で園芸用として流通しているイキシアのほとんどは交配種です。草丈は20~30cmの品種から、大きいものでは60~80cmまで伸びる品種もあります。
イキシアの花の開花時期は4~5月で、この頃になると数輪~20数輪の花が穂状花序または円形花序につき、直径2~3センチの花を咲かせます。花色のバリエーションは豊富で、白・赤・桃・橙・黄・紫・青・褐色などがあります。
イキシアの花言葉は「誇り高い」「秘めた恋」「団結」または「団結して当たろう」です。また、イキシアは5月16日の誕生花でもあります。
イキシア(イクシャ、槍水仙)の栽培方法や花言葉を紹介しました。秋植え球根植物であり多年草であるイキシアは、連作には向かないので毎年植え替えする必要があります。球根の管理は大変かもしれませんが、さまざまなカラーバリエーションの可愛い花をたくさんつける植物です。分球によりよく増えるので、寄せ植えにして楽しんでみてはいかがでしょうか。
※トップ画像はまりの庭さん@GreenSnap
GreenSnap編集部