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コウヤマキ(高野槙)は和歌山県の高野山に多く分布している針葉樹です。コウヤマキ科コウヤマキ属に分類され、この科と属はコウヤマキ1種類しかない樹木です。
今回は、そんなコウヤマキの育て方をご紹介します。
コウヤマキはコウヤマキ科コウヤマキ属に分類される、常緑針葉樹です。日本では、九州、四国、本州に自生し、とくに和歌山県にある高野山で多く見ることができます。
仏壇のお供え用として使われることもあることから、縁起が悪いとする意見もありますが、実際は高野山では霊木として大事に育てられている縁起のいい樹木です。
コウヤマキは自然に育てていても樹形が整い、加えて春には黄色い花を、秋には松ぼっくりのような実をつける変化も楽しめるため、庭木としても人気です。
コウヤマキは、なるべく日当たりの良い場所で育てましょう。ただし、長時間の直射日光や真夏の西日など、強めの日差しが当たると葉焼けや乾燥する恐れがあります。
地植えの場合は、遮光シートなどで日除け対策をしたり、株元を敷きワラなどを使って土を覆い、乾燥を防ぐといいでしょう。
なお、コウヤマキはほかの木と密接して育つと、その当たった部分が枝枯れしてしまいます。植え付けの際は周りのスペース、場所をよく考えた上で植えてください。
コウヤマキの植え付け時期は、12月〜2月を避けた、10月〜3月までの間に行います。10月はコウヤマキの休眠期に入り、3月からは新芽が伸びてくる時期に当たります。
なお、日本において植え付けの適地としては、東北南部から沖縄県までとなります。
コウヤマキを植え付けるときは、庭土に腐葉土を3〜4割まぜ、緩効性肥料を混ぜておきましょう。
根が弱いため、根鉢は崩さずにそのまま植えてください。隙間を土で埋めた後、株周りを山のように高くして乾燥防止のための藁などを敷いておくといいです。植えた後はたっぷりと水やりをしましょう。
また、根付くまで時間がかかるため、支柱を立てておくと良いでしょう。
コウヤマキは夏も冬も基本的には水やり不要です。自然に任せて生長させましょう。もし乾燥が激しいようなら、土の表面が乾いたらたっぷりと与えてください。
コウヤマキはやせ地だと育ちにくいです。
コウヤマキを育てるときは、2月に堆肥か化成肥料を施します。化成肥料には、微量の元素を含んでいるものを利用しましょう。肥料を与えすぎると根を痛める原因になるので、適量にしておきましょう。
剪定を行ったあとにも肥料を与えますが、芽吹きのあとも施肥しておくと良いでしょう。
コウヤマキを鉢植えで育てている場合は、緩効性化成肥料を3・6・11月に少量与えましょう。
コウヤマキの増やし方は、「挿し木」をが一般的です。挿し穂は4月下旬頃に行うと良いでしょう。
もしコウヤマキを鉢植えで育てて、室内で冬越しさせている場合、挿し木をする前に低温処理として、5度前後の環境で管理することが必要です。
コウヤマキを挿し木した後は、明るい日陰で土が乾燥しすぎないよう、こまめに水やりをして育てましょう。1ヶ月もすると発根するので、土が乾いてから水やりするよう頻度を落としてください。
なお、コウヤマキの挿し木はやや難しいため、根が出てきたとしてもすぐに植え付けしないようにしてください。発根しても半年ほどはじっくりと育て、ポットに根が十分に張ってから植え替え・植え付けしましょう。
コウヤマキは虫がつくことがそれほどない樹木です。しかし、根にカナブンの幼虫やが潜んでいる可能性があります。
また、まれに葉に斑点がつくことがありますが、元気であればさほど心配する必要はありません。
湿度が高くなってくるとウイルス病などが発生する可能性があります。発症したら、その部分をすぐに取り除きましょう。
コウヤマキの幹の内部の枯れ込みには注意しましょう。日当たりが悪い場所で育てていると、光合成ができなくなり枯れていってしまいます。
美しい樹形が無くなって、蒸れて病気になってしまう恐れもありますので枯れた葉っぱは手で取ってください。
コウヤマキを剪定するのであれば、強い枝を切り戻すか芯を間引くのどちらかです。
強い枝を切り戻す場合、樹形を見てところどころに勢いのある枝が飛び出ていることがあります。放置していると樹形のラインがぼやけてしまい美しい形にはなりません。
そんなときは、飛び出ている枝は樹形のラインよりも少し深めにして切り戻しをするときれいになります。
そして、芯を間引く際は、芯が枝分かれしていることがあり2本以上立つことがあります。若い木によく見られることで、そのときは1本だけを残して切り取ってしまってください。
コウヤマキはイヌマキともいわれ、その花言葉には、「慈愛」「色褪せぬ恋」という意味があります。
コウヤマキは防風林や生け垣の代わりとなって植えられる樹木です。その姿が家族を守るように育っていくことから、慈愛の花言葉がつけられました。
また、季節関係なく緑の葉っぱを付けている姿から、色褪せぬ恋という意味になっています。
高野山で有名な樹木のコウヤマキの育て方についてご紹介しました。
生長すれば5m以上にもなり、移植が嫌いな樹木ということがわかりました。日本でも公園や街中でも植えられており、庭木としても活躍しています。
育てるのであれば植える環境とスペースを十分に配慮した上で抵触させましょう。
GreenSnap編集部