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トックリランはメキシコ原産のキジカクシ科(リュウゼツラン科)のトックリラン属(ノリナ属)に分類される常緑の高木ですが、日本では観葉植物として鉢植えで栽培できるサイズで販売されていることがほとんどです。
そんな観葉植物としても人気のトックリランの育て方について、次から詳しく見ていきましょう。
トックリランはお日様の光が大好きです。そのため、一年を通して日光によく当ててあげる必要があります。日光を十分に浴びさせてあげれば、すくすくと元気に生長をしてくれる強くて丈夫な植物です。
しかし、まだ若い苗のうちに日当たりの悪い場所で育ててしまうと、葉色が悪くなったり、葉がひょろひょろと徒長してしまったりします。またトックリランの特徴ともいえる株元(幹の基部)が、あまり膨らまない可能性も出てくるので、注意するようにして下さい。
トックリランは日光を好むので、日向になる場所に置いて育ててあげるのが一番良いです。とはいえ、トックリランは耐陰性もあるので、戸外だけではなく室内で育てることもできます。
しかし、室内の日が全く当たらないような暗い場所に長期間置いてしまうと、明るい方向へ向かって幹が曲がっていってしまいます。
そうなるとバランスの悪いちょっと不格好な姿になるため、室内の明るい日の当たる場所に置いてあげましょう。定期的に鉢の向きを変えて、トックリランに均等に日光が当たるように鉢回しをしてあげるといいでしょう。
またトックリランは、暑さには強い性質を持っていますが、耐寒性に関してはやや低い性質があります。3℃くらいの気温であれば枯れることはありませんが、雪や霜、乾いた寒風に当たってしまうと、葉が傷む原因となります。
そのため、冬の寒い時期は室内へ移動させて、窓際などの日光が良く当たるような場所に置いて管理をするようにしてあげて下さい。
庭に地植えしてしまうと、室内へ移動させる事が難しいので、鉢植えがおすすめです。
トックリランは原産地がメキシコの乾燥地帯であることから、乾燥にはとても強い性質を元々持っています。また、幹の株元が膨らんでいて、そこに水分を溜め込める機能も持っています。
そのため、乾燥した環境を好むので、トックリランの生育期である4〜10月頃もあまり水を与え過ぎないようにすることがポイントとなります。
冬は、トックリランの生育が鈍る時期となります。この時期は、根からの水分の吸水量だけでなく、蒸発量も減ります。そのため、この時期は土の表面が白く乾いてから、さらに3〜4日程度待って水やりを行うようにしましょう。
ただし、真冬の時期は室内が暖房によって乾燥しがちなため、日中の暖かい時間帯を選んで、霧吹きを使って葉水し、湿度を保ってあげるようにして管理すると良いでしょう。
冬の時期に水をやり過ぎてしまうと、根腐れを起こしやすくなりダメになってしまいますのでくれぐれも注意をするようにしましょう。
トックリランは、肥料を全く与えなくても育てることはできます。しかし、生育期間である5〜10月頃は、やはり少量の肥料は与えてあげると、より元気に育ってくれるのでおすすめです。
4〜10月頃に、月に2〜3回程度を目安として、液体肥料を施すようにすると良いでしょう。もしくは遅効性の肥料でも大丈夫です。その後の追肥などは特に不要です。多肥にならないよう注意して下さい。
トックリランは、多湿や水はけの悪い環境は苦手です。そのため、トックリランを育てるときは、水はけの良い土が適しています。
自分で土をつくる場合には、赤玉土5:川砂3:腐葉土2の割合で配合した土がおすすめです。
初心者など、自作するのが面倒で難しいというような場合には、園芸店などで売られている観葉植物の土を使ってください。市販の土を使う場合には、パーライト(高温で鉱物を熱する事により発泡させた白色の粒上の土)を1割程度混ぜ込んだ方が良いでしょう。
トックリランを大きく育てたくて庭に地植えする場合には、植え付けを行う約1周間前には土を耕して、庭土の中に腐葉土と川砂を2〜3割り程度混ぜ込んで馴染ませておくようにして下さい。
トックリランの花が咲いたあとには種ができます。その種を採取しておき、種まきをして一から育てることも可能です。
種まき時期としては、5〜9月頃が適期となっています。
種まきの方法ですが、まず育苗ポットの中に、赤玉土(小粒)を入れます。次に、種を植えてからそこに1cm程度の土を被せます。土の乾燥を防ぐために、水やりを行いながら管理をします。
約1ヶ月くらいで発芽するので、根が十分に生えてきたら鉢に植え替えるようにします。
トックリランの鉢の底部から根っこがのぞいて見える状態になってきたら、鉢の中で根が一杯いっぱいになってしまった証拠です。そのままの状態で放っておくと、葉が枯れ落ちて、生育自体も悪くなって衰えてしまうため、植え替えを行う必要があります。
植え替え時期としては、5〜7月頃が適期となります。
鉢から丁寧に抜いた株の周りにある土を、一回りほどでいいので軽く落とします。その後、今よりも一回り大きなサイズの鉢の中に、新しい用土を使用して植え替えを行います。
寒い時期の植え替えは避けるようにしましょう。
また植え替えの頻度については、生育具合に応じて2年に1回を目安にすると良いです。
トックリランの苗の植え付け時期は、5〜9月頃が適期となります。
トックリラン大きくなる高木なので、庭に地植えすると1m以上にもなることがあります。植え替えするのも大変になるので、鉢に植え付けるのが一般的です。
植え方は、苗よりも1〜2回り程度大きなサイズの鉢を用意します。次に苗の根の周りにある土を1/3 程度落とします。その後で植え付けます。もし庭に地植えで植え付けたいという方は、日当たりが良い場所を選んで植え付けて下さい。
戸外の場合には、耐寒性がやや弱い為、株元部分を腐葉土や寒冷紗などで覆ってあげて、防寒対策を施してあげるようにすると良いです。
トックリランの増やし方には、「種まき」と「挿し木」の2つ方法があります。
トックリランの種はあまり市販されていないので、種まきで増やすには、自分で育てて花が咲いた後に種を採取するか、インターネットで種を販売しているところを探して手に入れる必要があります。
もし種を入手できた場合には、5〜9月頃の高温期である適期に行うようにしましょう。発芽するまでは決して乾燥させないように注意して管理すると、約1ヶ月程度で発芽してきます。
発芽したあとは、鉢に移植をし、日光に良く当ててあげて育ててあげましょう。
挿し木を行うのにおすすめな時期は、5〜8月頃となります。
挿し木のやり方は、基部のトックリの上部にある茎を、親株が再生した際に、葉を茂らせたいという部分まで残して丁寧にカットします。挿し木には、カットした茎の上部を挿し穂として使用します。
鹿沼土もしくは赤玉土などのさし床に、さし穂がふらふらしないようにします。約2ヶ月程度で根が出てきますので、そうなったら鉢に植え付けるようにしましょう。
しかし、挿し木だと、トックリランが発根がしにくく、基部が膨らまないという特徴があります。
高温でトックリランが乾燥する時期に、葉の裏側に赤い小さなハダニという虫が付きやすく、植物の汁を吸われてしまって、株が傷んでしまうことがあります。
発見次第、薬剤を散布するか、あるいは湿らせたティッシュなどを使って、こすり落とすようにしましょう。また、ハダニは水分が苦手なので、根や葉、幹部分にも水やりをして、適度に湿らせてあげると予防策にもなります。
トックリランでよく知られている病気には、炭そ病や根腐病があります。炭素病は春〜秋頃に葉の部分に発生しますので、早めの防除が必要です。根腐病は、水はけの悪い土に植えてしまうと発生しやすいです。
トックリランは、耐寒性はやや低いので、3℃以上の環境で管理した方が良いです。乾燥には強いため、水やりは控えめを意識しましょう。また日光に十分に当てないと、基部が膨らまないので注意するようにして下さい。
トックリランの花言葉には、「多くの才能」という意味があります。
今回は、乾燥や暑さに強く、育てやすいトックリランの育て方についてご紹介してきました。
繊細で涼しげな印象の葉と、株元の膨らみのコントラストがユニークです。
室内のインテリアとしてもオシャレな雰囲気を作ってくれますのでおすすめです。
庭に地植えして大きく育ててみても楽しいかもしれません。
※トップ画像はPhoto by -mai-さん@GreenSnap
GreenSnap編集部