海浜植物(海岸植物)をまとめてみました❗️
あいうえお順にしています!
前編は(ア〜ノまで)
海岸崖地.砂浜.塩性湿地. 等に多く生育している植物です。
内陸部の高山や渓谷沿いに生える事もありますが、特に海辺に多く生えるものを集めました。
現在は海のレジャー施設が作られたり、護岸工事がなされて自然の海浜植物が残されている場所は、とても少なくなっています。
特に東北の太平洋側は震災の津波で環境が激変し、その後防潮堤がしっかりと作られていて海辺はコンクリートで覆われて益々閉ざされています!
でも海辺の厳しい環境の中で咲く花は美しい❣️
NO1
アオノイワレンゲ(青の岩蓮華)① 蕾
*ベンケイソウ科イワレンゲ属
花期は10〜11月
北海道〜東北地方.九州北部の海岸の岩場(時には内陸部の岩場にも)に生える多肉の多年草であり一念性植物❗️
高さは5〜25cm
地下に根茎は無く開花すれば枯死する!
根生葉の中心から円錐状の花茎を伸ばして白い花弁の花が多数下から咲き上がる!
この時はまだ蕾で残念でしたが、この蕾の形も美しいです❗️
NO1
アオノイワレンゲ② 花
①とは別の場所で出会えました♪
名前の由来のように岩場の蓮華の花のような根生葉の中から花序が伸びて下から花が咲き出します❗️
NO1
アオノイワレンゲ③ 花後
①②とは別の場所で花後の姿!
一棯性植物です!
NO2
アキノミチヤナギ(秋の道柳)①
別名 ハマミチヤナギ(浜道柳)
*タデ科ミチヤナギ属
花期は9〜10月
北海道〜九州の海岸の砂地や草地に生える1年草!
高さは斜上し50〜80cm
葉は細い楕円形で先が尖る。
花は葉腋から2〜3個が束生する。
花被は3〜4mmほどで小さく5裂する!
小さな花ですが白い縁取りの中に緑と紅色が取り混ぜた花弁は華やか❗️
NO2
アキノミチヤナギ②
遠目の様子は地味草です。
NO3
イソスミレ(磯菫)①
別名 セナミスミレ(瀬波菫)
*スミレ科スミレ属
花期は4中旬〜5月
北海道東部〜青森県.太平洋側!
本州の日本海側.青森県〜鳥取県の海岸の砂丘に生育する大型のスミレ!
海辺が良く似合いました♪
NO3
イソスミレ②
・花は濃い青紫色!
・花弁の先は丸みを帯び縁が重なる事が多い!
・側弁基部は無毛!
・花柱は棒状で先が少し曲がる!
・距は白く 太め!
・葉は心円形で先は鈍頭で光沢あり!
・若い葉は内側に巻き込んでいる!
・全体が無毛!
NO3
イソスミレ③
生育地が極端に減少し保護が必要とされていて、この海岸でも保護活動がされていました。
ただ砂地にしっかりと地下茎を伸ばしたこのスミレはふっくらした花でも力強さも感じました❗️
NO4
ウンラン(海蘭)①
オオバコ科ウンラン属
花期は8〜10月
北海道〜千葉県以北の太平洋側.鳥取県以北の日本海側.四国の海岸や川沿いの砂地などに生える多年草!
高さは10〜25cm
茎は斜上して地を這い葉柄の無い厚めの葉をつける。
花は淡黄色の唇形花を付け、花筒基部に細長い距が下に伸びる!
花が蘭に似ている事からの名前ですが、金魚草の仲間です!
NO4
ウンラン②
花期は7〜11月と長いのですが
夏の暑い時期は夏休み!
秋にまた咲き出します♪
NO4
ウンラン③
11月.果実が出来ていました。
↑の果実の中に↓のような黒い種が入っていました。
最近は海岸の砂浜も少なくなって減少傾向になっているようです。
NO5
エゾオオバコ(蝦夷大葉子)
*オオバコ科オオバコ属
花期は5〜8月
北海道、本州の日本海側の海岸砂地などに生育する。
高さは15〜30cmほど!
全体的に白い軟毛が密生する!
NO6
エゾオグルマ(蝦夷小車)①
*キク科キオン属
花期は7〜9月
北海道〜青森.岩手.新潟県までの海岸の砂地や岩場に生える多年草!
太平洋側の南限は岩手県.宮古市!
日本海側の南限は新潟県.粟島!
高さは30〜50cm
葉は多肉質で互生し長楕円形〜卵状長楕円形!
茎頂に黄色の頭花を散房状に付ける!
NO6
エゾオグルマ②
太平洋側の南限は岩手県.宮古市の海岸とされていますが、震災の津波で個体数は激減しています!
NO7
オニシバ(鬼芝)
*イネ科シバ属
花期は6〜8月
全国の海岸の砂地に生える多年草!
高さは5〜10cm
根茎が砂の中をはい節々から花茎を直立させる!
最上部の鞘の中に円錐状の花序を出し、子穂は革質で紫色がかる。
名前は、芝に似て大きく硬いことから!
NO8
オニハマダイコン(鬼浜大根)①
*アブラナ科オニハマダイコン属
花期は6〜8月
北アメリカ原産の帰化植物
1982年に新潟県の海岸で発見され北海道と日本海側の海岸の海岸砂地に繁殖!現在は関東以北の太平洋側まで拡がっていて、宮城県の海岸砂地にもたくさん生えていました。
NO8
オニハマダイコン②
花は4弁ですが揃っていない事が多い。
コルク質の果実は海流に乗って日本中の海岸に分布を広げそうです!
名前は在来種のハマダイコンに似て容姿が剛健なため「オニ」が付けられた!
生態系被害防止外来種とされ、北海道では除去作業も行われているのだとか!
NO9
ケカモノハシ(毛鴨の嘴)①
*イネ科カモノハシ属
花期は7〜10月
北海道〜九州の海岸の砂地に生える多年草!
高さは30〜70cm
葉は厚い革質で先は急に尖る!
花序は直立して密着する。二箇の太い総からなり見かけは1つに見える!
NO9
ケカモノハシ②
←雌性期の小穂
→花後!名前の由来のように
鴨の嘴が2つに割れています!
NO10
コウボウシバ(弘芝)
*カヤツリグサ科スゲ属
砂の中に葡萄茎を伸ばして地上に出る茎を伸ばす。
雌雄同株で雌花の上に雄花が突き出ています。
似たコウボウムギは雌雄異株です!
NO11
コウボウムギ(弘法麦)①
*カヤツリグサ科スゲ属
花期は4〜6月
北海道西岸〜琉球にかけて砂浜に生育する。
高さは10〜20cm
雌雄異株でこれは雌株です。
花弁は無く4〜6cmの穂状花序を付ける!
NO11
コウボウムギ②
雄株の雄花です。
別名はフデクサ(筆草)で、古い葉茎の繊維を実際に筆として使われていた!
コウボウムギ③
花後の雌花序の果実!
雄花は花後すくに姿を消しますが、雌花序の果実はこんな姿で冬でも残っています♪
NO12
コハマギク(小浜菊)①
*キク科キク属
花期は9〜11月
北海道〜茨城県以北の太平洋側の海岸の岩場に生える多年草!
高さは10〜50cm
互生する葉は長めの柄があり、卵形で羽状に浅く3〜5つに裂けるのが特徴!
黄色い筒状花を白い舌状花が囲む!
NO12
コハマギク②
白い舌状花は次第に淡いピンクに変わっていきます!
NO12
コハマギク③
種差海岸の海によく似合っていました❣️
NO13
シロヨモギ(白蓬)①
*キク科ヨモギ属
花期は8〜10月
北海道〜茨城県.新潟県までの日当たりの良い海岸の砂地に生える多年草!
高さは20〜60cm
葉は互生しロゼット葉や下部の葉は厚く葉柄の先に卵形〜長楕円形で羽状中裂する!
花の時期だけ花茎を立てて円錐花序を出す!
花はほぼ球形で筒状花のみで総苞は白い綿毛に包まれる!
NO13
シロヨモギ②
11月13に福島県の海岸で撮影したものです。
葉っぱはピンク色に紅葉しています♪
花より魅力的な葉を持つ海浜植物でした❣️
NO14
スカシユリ(透百合)①
*ユリ科ユリ属
花期は5〜6月(日本海側)
7〜8月(太平洋側)
日本海側は新潟県以北.太平洋側は静岡県以北の海岸の砂礫地や崖岩場に生える多年草!
NO14
スカシユリ②
高さは20〜60cm
葉は披針形で互生し葉柄は無い!
NO14
スカシユリ③
名前の由来は、花被片の付け根付近が細く隙間が見える事から!
NO15
スナビキソウ(砂引草)①
*ムラサキ科スナビキソウ属
花期は5〜8月
北海道〜九州の海岸の砂地に生育する多年草!
高さは30cmほど!
葉は互生し厚く 倒披針形〜長楕円状披針形で葉柄は無い!
葉の両面に伏毛がある!
花は茎先に短い花序を出して芳香のある白い花をつける。
花冠は漏斗状で上部は5裂して平開し中心部が黄色!
花筒の奥に雌蕊と雄蕊5個があるようです。
NO15
スナビキソウ②
アサギマダラが長距離移動する時に羽を休めて吸蜜するそうです♪
良い香りがあります♪
NO15
スナビキソウ③ 果実
東北の太平洋側では、東日本大震災の津波でほとんどが消えてしまいましたが、岩手県のとある浜辺でひっそりと復活していました。
10月になって果実が出来ていました!
NO17
ツルナ(蔓菜)①
*ハマミズナ科ツルナ属
花期は4〜11月
北海道西南部〜九州の太平洋側の海岸の砂地に生える多年草!
茎は下部で良く分枝してして地を這い上部は斜上する。
長さは40〜60cm!
葉は多肉で暑く葉柄があり互生する。
表面に細かい粒状突起に覆われて白く見える!
葉腋から黄色い花を咲かせるが、花弁は無く萼が4〜5裂して開花する。
果実は萼に包まれた4〜6個のとげ状の突起があり、熟すと水に浮き海面散布する!
NO17
ツルナ②
稀にスーパーなどで栽培されたものが売られている事もあり食用としても、美味しいらしい❗️
NO17
ツルナ③
11/26①②とは別の場所ですが
果実が赤くなりながらも、まだ花を咲かせています。
しかも、コンクリートの隙間から生えていました。
海浜植物はたくましい❗️
NO18
トウオオバコ(唐大葉子)
*オオバコ科オオバコ属
花期は7〜8月
北海道〜九州の日当たりの良い海辺に生える多年草!
高さは40〜80cm
日本産のオオバコでは最大!
葉は根生し厚めの革質で平行に走る7-8本の脈がある!
長い花茎を数本立ち上げて花は下から咲ます。
名はオオバコと比べて大型で風変わりな姿をが中国から渡来したものと思われて名付けられたようですが日本産です!
NO19
テンキグサ(テンキ草)①
別名ハマニンニク(浜大蒜)
*イネ科テンキグサ属
花期は6〜7月
北海道〜房総半島以北の太平洋側
日本海側では九州.福岡の海岸の砂地に生える多年草!
高さは0.5〜1.3m!
葉は長さ30〜60cmの線形で厚みがあり無毛!
茎頂に円柱形の枝を付けない穂状花序を直立させて付ける!
テンキグサはかつてアイヌ語で「テンキ」と呼ばれる容器を編んで作っていたことから!
青森県では、葉が丈夫なので高級ござを作っていたそうです!
NO19
テンキグサ②
←地味な花のアップ!
→花後のアップ!
NO20
トベラ(扉) 花①
*トベラ科トベラ属
花期は4〜6月
果期は11月〜12月
太平洋側は岩手県以南、日本海側は新潟県以南の海岸に生える常緑低木!(公園や庭木にも利用される。)
雌雄異株でこれは雄株のようです。
始めは白い花ですが、後に黄色に変化するようです。
NO20
トベラ果実②
果実が熟して粘液が付いた種子が出てきます。
「擬態果実」とも言われて鳥に種子を運んでもらうために果肉がないにもかかわらず、果肉があるように見せかけて鳥の体に付着して遠くまで運ばれる仕組みだそうです❗️
NO21
ナミキソウ(浪来草)①
*シソ科タツナミソウ属
花期は6〜9月
北海道〜九州の海岸の砂地に生える多年草!
高さは10〜40cm
全体に短毛を密生する!
葉は十字対生し長楕円でやや厚い!
花は上部の葉腋に唇形花を2個、同じ方向を向いて咲く。
NO21
ナミキソウ②
宮城県では準絶滅危惧種となっていますが、防潮堤工事などでほとんど見る事が出来なくなりました。
ここは青森県種差海岸で数年前に撮ったものです!
後編に続きます!
☆カバー写真は
宮城県石巻市.神割崎
お疲れさまでした
早速読ませていただきました!
一つの植物ごとに時間を追ってしっかりフォローされているので
どんな植物かとても理解しやすいです🥰
瀬戸内海ではみたことない海岸植物がいっぱい ジトー🤤
(¬_¬)うらやましいなー