石炭、錫、銀などで財を成した、藏内一族の素晴らしい建物とお庭です。明治、大正、昭和、平成、令和の時を過ぎ、今も田園の中に静かに美しく佇んでいます。
2021/11/07 初投稿
アプローチ
北九州市小倉駅から、車で1時間弱。穏やかな田園風景です。突き当たりが「貴船神社」、左手が旧藏内邸
京都から勧請したのでしょうか。貴船神社は水の神を祀ります
表門
藏内一族三代の本邸として増改築されたようで、その後は不動産会社関係の方が40年ほど住まわれ、現在は福岡県築上町(ちくじょうまち)の所有です。入場料310円
お屋敷内
おおっ、と友人と声を上げた応接間。夏椿の紅葉に目を奪われます
巻き戻しでこちらが大玄関。もれなく検温、消毒、住所記入つき
大玄関の上がり框。手のかかる斜め張り
もちろん、硝子はボヨヨン板硝子(大正硝子)
ちょっとした坪庭。周囲は水田なので、その農業用水がここを流れるように作庭。清らか&せせらぎ音
応接間から臨む二連の反り橋。植木も綺麗に刈られ、掃き清めた玉砂利に映えます
再び応接間の縁側。この矢尻のようになった遊び心は宮大工さん達の匠の技
現存するお部屋は32室。拝見できるお部屋は半分。2階は観ることができません。各床の間でお軸と生花の競演
日本家屋独特の陰影
匠の技連発
吊り灯籠
金魚鉢をひっくり返したような照明器具。きっちり鋳型の家紋つき
欄間(組子細工)
欄間(透かし彫り)
弓型天井。上手く撮れません、綺麗な弧を描いています
戸棚の引手
金唐革紙(きんからかわがみ)
オランダから輸入した金唐革。皮のようですが、紙です。日本で現存しているのは、国会議事堂始め数カ所。
仏間は、こちらの色調で囲われていて見事でした。何のお花かわかりませんが、ダリアのような?自然がモチーフです。天井も黒柿と屋久杉の市松で、すんげぇと唸りっぱなし。仏間だけは撮影禁止(写真は別間の金唐革紙)です。いらしゃる折は、是非脳裏に焼き付けてくださいませ
小屏風
こちらもお持ち帰りしたかったうろこ模様
半間(90㌢強)の円筒形の版木が残っていて、鹿鳴館でも使用されていたとか。
コウゾ紙とミツマタ紙を貼りあわせ、錫箔を張り、版木棒に当てて、凹凸をつける。ワニスを数回塗りつけることで、錫の銀が金色に変わっていく…手がかかる
茶室
煎茶用の茶室は明るく開放的です
お庭を拝見しながら、大広間で頂戴するお煎茶。お茶は八女茶、お菓子は「寒菊」。生姜風味の白砂糖がかかったやさしい米菓子です。300円也。3煎までお湯を足してくださいます
水回り
トイレ。曽祖母の家にもあった柄あり便器
お風呂場。大理石で黒白市松をつくっています。さすがにシャワーはありません
洗面所。こちらも本体は大理石。下のタイルを剥がして持ち帰りたかったです
蔵
電球だって家紋入り
オムライスの型、懐かしいです
お庭
庭園入り口の中門。苔むした梅の古木が目立ちます
回り込んだお庭から見る応接間。石蕗に縁取られて
大広間前の八つ橋
こちらに松竹梅があるのがおわかりですか。手前の松、右手の梅、竹はなんと銅製の雨樋。遊び心満載です
節をつけた雨樋
枯れ滝石組み
パンダ鯉
早めの椿でしょうか
振り返ってアップ
秋だけど落ち椿
柿とアケビ。帰りしなに、好きなだけお持ちなさいと言われ、有り難くひとつずつ頂戴しました。とにかくスタッフの方々が、よく勉強をなさっていて博識です
おまけ
博多駅前のイルミネーション
お昼間は薔薇のお花でした
どこから感想を言えばいいのか分からないぐらい、どのシーンも素晴らしすぎて何度も見返してしまいました🌿✨
お馬のけーこさんの私の想像の中のあたたかい声が脳裏に響き渡るような感じで癒し度MAXです🍃✨
私は大正時代が一番好きなのですが、どの雰囲気もいいわぁ〜と生唾を飲み込んでしまいました🍀✨
建物の静けさと庭の水のせせらぎ、ピーンと張りつめたような空気感‥生活感が分かる場所など、ここで暮らされた方々の姿が蘇るようでした‥🍁✨
有意義な時間を過ごさせていただき誠に、
ありがとうございました(●´ω`●)💜✨