北アメリカ原産の野草、ミルクウィードってご存知ですか?きれいなオレンジ色のモナーク蝶(オオカバマダラ)が生きるためには、この植物が欠かせないと言われています。成長段階で表情の変わる植物、一年を通したユニークな姿を紹介します。2024年モナーク蝶の写真数枚を追加しました。
春
オオトウワタ Asclepias syriacaは通称milkweed ミルクウィードと呼ばれています。北アメリカ原産、葉の付きかたは対生で日本などにあるトウワタよりずっと幅広で大きいです。草丈は1~2mになりますが日陰などでは50センチくらいでも花を付けます。
ここでは他の野草に混じって成長しています。土から出てくる様はアスパラガスやギボウシのような感じです。
5月半ばすぎ、他の野草より遅れて新芽が出始めます。注意深く観察しないと、見落としてしまいそうです。
種が飛んで離れた場所に出た新芽。
アメリカでは花壇にこの野草が出ても、モナーク蝶が来るので、雑草だからと抜かずにおく人も多いです。
霜の心配が全くなくなる時期を知っているかのように一気に新芽が出て、ぐんぐん伸びます。
様々な野草が花をつけ始める頃、ミルクウィードが他の植物に追い付き、さらに大きく成長します。
花芽はまだかなあ?上から覗きます。
花芽が見えます。芽が上がってすぐの頃は、大きな葉に守られているような感じです。
我が家の庭の群生エリアです。
つぼみがだいぶん大きくなってきました。まだ緑のまま。
数日経って、花芽にかすかに色がついてきます。
初夏〜6月末〜
まあるい蕾が大きく成長し、ピンクに色づいてきました。
よく見ると割と複雑な花が…花芽は球形です。
だいぶん開いてきました。個体によってかなり成長に差があります。
グレーピンクの花が、少しずつ開き始めます。
ミルクウィードの群生地が今年は移動しました。お日様のよく当たるところが好きなようで、昨年までのところは柳の木が大きくなり、日陰が多いので移動したようです。
茎や葉を折ったり、切ったりするとミルクのような液体が溢れて出てきます。みなさんはタンポポの白い汁をご存知ですね、あんな感じの10倍くらい多い液体がどっと出てきます。それがミルクウィードの名前の由来です。ただし黒くなったり、べとついた感じはありません。もちろん食用にはならず、汁も飲めません。
切った直後は水に入れても、こんなふうにしおれます。
花が重くなって開く前に、私は生け花に使います。切った直後にはミルクのような汁が出ます。そのまま生け花に使うと、この汁が水揚げの邪魔をするので、汁を拭って、ライターで切った断面を焼きます。面倒な時は切って水に入れて置き、しおれたらもう一度水切りして、時間をおいて使う方法もあります。生け花は1週間持ちました。水さえ上がれば、長持ちするするお花です。
華やかさはあまりないですが、控えめなピンクが美しいです。
全体像はこんな感じです。これで120センチくらいです。
7月末
花が終わるとゆっくりと姿を変えていきます。
今まで気にしていませんでした。花後の様子。不思議ちゃんができ始めていました。
初秋
不思議ちゃんが成長中❗️
種の入ったポッド(pod)が更に成長中
ユニークな形の種のサヤですよね。ドライにしてクラフトに使う人もいます♪
秋
モナーク蝶はこの植物がないと繁殖できません…卵は探せず、写真を撮れませんでしたが、小さな幼虫を発見。
まだ小さいですが、こちらの葉にも間違い無くモナークの幼虫さん❣️
大きくなってきた幼虫です。なぜこんなところに?草木のないコンクリの私道で発見!この後、そっと葉に乗せて移動させました。
サナギの後期です。もうすぐ蝶が出てくるはず。サナギが若いときは、もっと薄い緑色をしています。
いつ出てくるのでしょう?
金色の線が見えますか?
成虫のモナーク蝶です。
モナーク蝶の羽を広げたところ。
南京桜という実のなる木で、ひと休み中です。
同じ木の上で、横から見た様子。
桃の木に止まるモナーク。この蝶はヒラヒラ飛ぶというより、す〜っとどこからともなく流れてきて、落ちかけて、また飛ぶというような動きをします。
モナーク横向きです。
2024年8月なかばのモナーク4枚追加)
枯れた花の中ではカモフラージュ
横から見るとマダラという名の通り黒い身体には白い水玉模様
青空に映えます。
飛んだところを撮りたくて、じっと待つこと15分。
飛びました!撮れました。ちょっと遠いですが青空バックの姿。
白い汁は秋になっても変わりません。
かなり乾燥しています。こうなるともう汁はありません。
10月半ばはこんな感じです。
サヤ、pod(ポッド)から種が出ています。
ひとつの種のサイズ。
大きなサヤには、いくつくらいの種が入っているんでしょう?まだ数えたことありません…
種がもうすぐ飛びます!
風よ吹け!
種のポッドの中です。古くて乾燥しているものとまだ若くて開いていないもの。
何個くらいあるのか気になりますよね。
気になるので、きれいに並んでいる方の種を数えたら、265個入っていました。数えているうちにふわふわになったので、フィールドに飛ばします。
風は無いけど、ふんわり踊ってます。
秋空へ遠くへ、飛んで行ってね!
ミルクウィードをはじめほとんどの野草はこんな感じの立ち枯れになります。
冬
2月上旬、飛んでいない綿毛もありました。
この立ち枯れにはたくさんの鞘がついています。
冬ごもり。雪で全ての野草が倒れて、雪毛布に包まれます。
我が家のフィールドが雪に覆われます。
また来春
今回は数枚のモナーク蝶(オオカバマダラ)の様子を加えて更新しました。モナーク蝶とミルクウィードは切っても切れない仲です。モナーク蝶は秋になると渡り鳥のように南へ移動します。春のミルクウィードが充分成長頃、卵を産みつけます。
このみどりのまとめは新しい写真や情報があるときに、随時更新します。
長くなりました。最後までお付き合いいただきありがとうございました。
長い期間の取材(笑)、おお疲れ様でした😊
素敵な様子を見せて頂き、ありがとうございました💕