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葉にうぶ毛のような薄い短毛がびっしり生えているクラッスラの1種である「銀揃(ギンゾロエ)」。別名「銀箭(銀色の矢の意味)」とも呼ばれているように、葉の形が、先の尖った細長い円筒状の形になっています。
今回はそんな銀揃について、育て方を中心に簡単にご紹介します。
銀揃は高温多湿に弱いですが、適度な日差しを必要とする植物です。そのため春・秋・冬は、室内外のどちらに置いていようとも、しっかりと日光の当たる場所に置いてあげましょう。
ただし、夏の強すぎる日差しには耐えきれないので、半日陰に置いてあげましょう。9月の彼岸を過ぎた頃に直射日光に当て始めてもいいかもしれません。
なお、冬の間室内で窓越しに日差しを与え続けていると、日光不足の状態になっている可能性が高く、そのまま春を迎えて日光浴をすると葉焼けになるケースもあるので、冬でも環境が整い、機会があれば屋外に出してあげてください。
銀揃は高温多湿に弱く、冬場の寒さがひどいと枯れてしまうことから、時期によって置き場所を変える必要があります。
春・秋という温暖な時期は、1、2日程度の雨にも耐えられるので、日当たりと風通しがともに良好な場所に置いてあげるといいでしょう。
夏場は先に述べたように強烈な日差しに当たらないで済む、風通しのいい半日陰に置きましょう。ただ風通しがよくても、梅雨時期と同様に雨に当たりすぎると根腐れ等を起こして枯れるので、雨が降る度に取り入れるか、雨除けのある場所を選んでください。
冬は直射日光の当たる、風通しのいい室内が適しているでしょう。場合によっては−1〜2℃も耐えられるかもしれませんが、霜に当たると枯れるので、事前対策として室内に入れるほうが無難です。関東以南に関しては、屋外での越冬も可能なケースはあります。
また夏場には、葉が茶色く錆びているような跡が現れたりしますが、それによって生育を阻害されることはないので、そのまま育ててあげましょう。
夏は銀揃にとって休眠期に当たるので、断水を心がけてください。葉が萎れてきた、もしくは土の表面がカラカラで鉢内も乾燥仕切っていると判断できた場合に、夕方頃に水を与えるようにしましょう。
なお春・秋の水やりは、生長期でもあるので土が乾いたら、底穴から水が流れるぐらいにたっぷりと与えるといいでしょう。与えた分だけ育ってくれますが、根腐れを起こさない程度にしっかりと与えてください。
冬は夏同様に銀揃の休眠期にあたりますので、水やりの頻度は春・秋に比べると減らしてください。水やりの頻度としては、半月〜1ヶ月に1回の頻度がいいでしょう。
過剰に与えすぎてしまうと、土が乾かず根腐れや霜の原因となるので、1週間以上は湿らないように意識した水やりを心がけてください。
銀揃はほかのクラッスラと同様に、花が咲き始める春に緩効性のある化成肥料もしくは液体肥料を与えてください。夏場の休眠期に残らない程度の分量となるよう、適切な量を守って追肥を行いましょう。
銀揃はほかの基本的なクラッスラと同様に、水はけのよい土壌が適しています。そのため市販のサボテン・多肉植物用の培養土がよいでしょう。
もしも配合土を利用する場合には、鹿沼土(小粒)2・ビートモス2・川砂2・燻炭2の割合で混ぜてください。もしくは赤玉土(小粒)3・鹿沼土(小粒)2・軽石(小粒)2・腐葉土3といった割合で混ぜたものも有用でしょう。
銀揃の植え替え・植え付けに最も適している時期は、多肉植物にとって一番元気でいられれる、生長期にあたる春と夏です。
秋だとすぐに完全な休眠期にあたる冬が来てしまい、根が張り切らない可能性があるので、特に春は芽挿しにも向いた一番の適期でしょう。
ただ冬は植え替えができないわけではありません。根にダメージを与えないように、他の時期よりも、慎重になって取り組めば成功する可能性はあります。
なお植え付け・植え替えの際には、枯れた下葉や調子のよくない根のカットなどを適宜行ったうえで、新しくて清潔な用土に植え付けてあげることが丈夫に育ってもらうコツになります。
種まきは、ほかの多肉植物同様に基本的に行われず、増やす方法としは挿し芽、株分けが無難です。
銀揃の増やし方としておすすめなのは「挿し芽」です。葉挿しは成功率が非常に低いので、あまりおすすめできません。
ほかのクラッスラと同様に、群生していない状態ならば、下葉を2〜3枚残した状態で枝を切り取り、カットした枝を2日だけでも日陰で乾燥させたうえで新しい用土に挿しましょう。
なお、クラッスラは群生したら株分けを行えます。2〜3等分に分割して、古い葉や枯れた根を取り除いて鉢に植え付けてください。
銀揃が気をつけるべき害虫や病気は時期ごとに異なります。
まず春・秋に気をつけるべき病気は、風通しの悪さに起因するカビ類の侵食です。きちんと風通しがよく、湿り気のない土壌づくりをしてください。
害虫はワタムシやカイガラムシ、アブラムシなどでしょう。これらは浸透移行性の殺虫剤を撒けば、予防かつ駆除もできます。季節の変わり目に施しておくと、より有効です。
梅雨時期に気をつけるべき害虫は春と同様ですが、病気は黒斑病という新たな心配要素が加わります。風通しの良い場所に置いて未然に防がないといけません。一度黒斑が出てしまうと消えないので気をつけてください。
冬は虫もあまりいない状況になるうえ、病気についても、湿り気と過剰な無縁であれば大丈夫でしょう。
銀揃はほかのクラッスラと同様に、高温多湿に弱く、冬の霜に当たると枯れてしまいます。したがって、夏場は20℃以下、冬は5℃以上の環境を作ってあげる必要があるでしょう。
ただし暖房・冷房の風にあたると乾燥のしすぎで枯れるケースもあるので、空調機器の近くには置かないようにしてください。
銀揃はふわふわとした毛の生えた枝の隙間から、赤く小さな花を咲かせます。寒さに当たるとより鮮明な赤色を発するようになるので、冬は、少しでも屋外に置いておくと花を楽しめるでしょう。
花は枯れると茶色くなっていきます。
渋い名前を持ちながらも、ふわふわと柔らかな毛にびっしりと覆われた円筒形のユニークな葉を持つ銀揃。今回はそんな銀揃の育て方の紹介を中心に、簡単に説明をしました。
ほかのクラッスラと同様に高温多湿、冬の霜にさえ気をつければ育てるのも比較的簡単な多肉植物です。
成長スピードもそれほど早くなく、年間を通じて姿形に大きな変化が現れるタイプでもないので、寄せ植えなどにはぴったりかもしれません。しかも日光不足や水不足がなければ、春・秋には若干の紅葉も楽しめます。
最大直径も基本5センチ以内で済むようなので、ほかの植物をより美しく見せるために育ててみるのもありでしょう。興味のある方は是非挑戦してみてください。
GreenSnap編集部