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熱帯スイレンは、熱帯域で見られる多年草です。根や茎の一部を水中に、葉や花などを水面に出して成育する浮葉植物としても知られています。穏やかな水面に浮かぶ姿は美しく、私たちの目と心を引き付けますね。このページでは熱帯植物である「熱帯スイレン」の育て方をご紹介します。
水面に大きな花を咲かせることで知られるスイレンは、大きく分けて「熱帯スイレン」と「温帯スイレン」の2種類があります。
今回ご紹介する「熱帯スイレン」とは、「温帯スイレン」よりも寒さに弱い熱帯性で、冬越しには気温15℃以上を必要とします。
見た目の違いでいうと、「熱帯スイレン」の花は水面から少し浮いたところで咲きますが、「温帯スイレン」の花は水面上で咲きます。
また、「熱帯スイレン」の開花時期は7~10月頃で、「熱帯スイレン」の開花時期は5月中旬~10月頃となっています。温帯スイレンの方が少し早めに花を咲かせます。
熱帯スイレンは水性植物のため、水鉢または池などで育てます。日当たりが良くないと花が咲かないので、日当たりの良い水場が適しています。
とはいえ、直射日光の当たる場所もしくは上から光を当てられる場合は、室内の水槽などでも育てることができます。
いずれにせよ、熱帯スイレンは暑さに強く寒さに弱いため、冬の間は暖かい室内へ移す必要があります。
熱帯スイレンは水性植物なので、水に沈めて植え付けるため、特に水やりは必要ありません。水鉢や水槽で育てる場合には、1年を通して必ず水を張っておきましょう。
熱帯スイレンに肥料を与えすぎると、藻が大量に発生したり、水の濁りや汚れの原因となり、植物の成育を妨げるので、肥料は控えめにしましょう。もし肥料を与える場合は、月に1回ほど、化成肥料を土にしっかりと埋め込みます。埋め込みが甘いと、肥料が水に溶け込み水が濁る原因となります。
熱帯スイレンを育てるときは、保水性の強い粘質の土を使います。市販の荒木田土や赤玉土、また地底の泥土や畑土も使うことができます。
使い始めに土を水につけておくと植え込みがしやすくなりますよ。
熱帯スイレンは20℃以上の水温を好むので、植え付けや植え替え時期は6月を過ぎたころになります。
暖かくなる前に植え付けや植え替えをおこなうと、芽の成育が遅れることもあります。
池などに植え付ける場合は水深30cmほどの場所に直接植え付けます。
水鉢や水槽で育てる場合は、一度小鉢に植え付けてから水中に沈めます。水面から芽までの距離は3〜4cmから、成長とともに徐々に深くしていきます。
熱帯スイレンの育て方では、水が腐らないように気を付けるのがポイントです。
水鉢で育てる場合、夏場に水温が上がりすぎると水中の微生物が死に、すぐに水が腐ってしまいます。水の入れ替えは直接新しい水を注いで古い水を流しだす、シンプルな方法でおこなうことができます。水が濁ったらすぐに入れ替えるようにしましょう。
熱帯スイレンはその名の通り熱帯産の植物なので、寒さに強くありません。
そのため、冬の時期は、室内で加温装置のついた水槽を使用する、鉢ごとにビニールで密閉して室内の暖かい場所に置くなどしましょう。気温15℃以上の環境におくのが好ましいです。
水が濁ったら入れ替えをします。
夏場のボウフラ対策のために、熱帯スイレンを育てている水鉢にメダカなどを入れておくとよいでしょう。アブラムシなどが付着した場合には、浸透移行性の殺虫剤を軽く吹きかけます。
熱帯スイレンの増やし方は、「株分け」という方法になります。植え替えのタイミングで行いましょう。
むかご繁殖の場合は、むかごの付いた葉を切り離し、葉を裏にして水に浮かべておくと、新芽と根が伸び、新しい苗となります。
明るい青紫色の花。むかごや花つきがいいので、繁殖におすすめ。日中に咲きます。
ピンク色を帯びた淡い水色の花。むかごで増えます。
日中に咲くムーンビームは、ライトブルーとライトイエローの花弁が特徴です。月光(ムーン・ビーム)をイメージして作られた品種です。
今回は「熱帯スイレン」の育て方についてご紹介しました。熱帯スイレンは水鉢や水槽で育てることができるので、住まいを選ばずに育てることができるというのがポイントだと思います。
実際に熱帯スイレンを育てる場合には、寒さに気を付けるということが重要になってきます。初めて育てる場合でも、きれいな水や水温、越冬などのポイントをきちんと押さえておけば、上手に育てることができます。
特に花が咲くタイミングは、ほかの植物に比べてもワクワク感が大きいので、育てられる環境のある方は「熱帯スイレン」を楽しんでみてくださいね。
GreenSnap編集部