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ジニア(百日草)は、花木が長く暑い時期でも花が咲き続けるほど丈夫で、さまざまな花色が楽しめることから、寄せ植えにも人気の植物です。今回は、そんなジニアの育て方をご紹介します。

ジニアは、メキシコが原産のキク科ジニア属の花です。日本には江戸時代後期に伝わり、開花期が長いことから「長久草(ちょうきゅうそう)」と呼ばれて親しまれてきました。現在では、100日楽しめるほど長い期間花が咲き続けることが由来して、別名「百日草(ひゃくにちそう)」と呼ばれています。
また、ジニア(Zinnia)の学名は、18世紀に活躍したドイツ人医師、植物学者である「ヨハン・ゴットフリート・ツィン(Johann Gottfried Zinn)」の名前にちなんでいます。
ジニアは、品種改良によって様々な品種が生まれ、草丈や花びらの大きさ、そして咲き方や色など多種多様な品種があります。赤やピンク、黄色やオレンジなどのビビットな色はもちろん、複色などのシックな色味の品種も存在しています。
ジニアの種まきは、4月中旬~5月頃が最適の時期です。ジニアは種まきからでも簡単に育てることができます。
ただし、発芽温度は約20~25度ほどと高く、気温が低い場合は芽が出にくくなるので注意しましょう。発芽温度が適していれば、種まきから1週間ほどで芽が出ます。
ジニアは品種によって異なりますが、発芽率は90%くらいと言われています。古い種はそれよりも発芽率が下がるので注意しましょう。

ジニアの種は、他の植物と比べると大きめで種まきがしやすいことが特徴です。ジニアは、育苗ポットに種まきを行い、植え付け苗を育てていきましょう。
気温が安定した5月以降であれば、花壇やプランターの土に直播きして育てても良いでしょう。ただし、花が育つまでは花壇が寂しい状態になってしまうので、育苗してから植え付けするのがおすすめです。

ジニアの苗を植える時期は、4月下旬~7月、9月頃が適しています。購入した苗から育てる方は、葉色が濃く、病班などがない、葉と葉の間隔がつまっていて徒長していない苗を選びましょう。
ジニアは直根性といって、主に1本の太い根が株全体を支えています。本来は移植を嫌うので、苗を植えるときは根を傷つけないように作業しましょう。
プランター栽培のジニアは、市販の草花用培養土を用意しておきましょう。自分で配合する場合は[赤玉土小粒6:腐葉土3:バーミキュライト1]の割合で混ぜて、緩効性化成肥料を足しておきます。
花壇などに地植えしてジニアを育てる場合は、苗の植え付けの2週間前に土作りをしてから苗を植えましょう。苦土石灰と堆肥を準備しておいてください。

ジニアは風通しと日当たりが良い場所で育てましょう。ジニアは日光を好み、直射日光に当たっても平気です。日光不足になると、途端に花つきが悪くなって生育が悪くなるので注意しましょう。
ジニアは長雨に当たると葉に泥がついて病気に罹りやすくなります。梅雨の時期はあまり雨に当たらせないほうがいいので、鉢植えなら軒下やベランダなど雨風が入らない場所に移動させましょう。地植えなどの移動できない場合はマルチングを行うと良いでしょう。
ジニアは水をとても好みます。鉢植えと地植えともに基本的に朝夕水やりをして、その日の土の乾き具合によって調節するとよいです。全体的に水をかけるよりも、土が跳ねないように株元に水を与えましょう。そうすることで病気の予防にもなります。
水切れすると葉っぱがしおれて花も小さくなるので、夏はとくに水切れに注意します。冬も完全に乾燥しないよう水やりします。
ジニアの植え付けの際に、元肥として緩効性肥料を混ぜておきます。苗がある程度育って本葉が5枚ほどになったら追肥し始めます。
花を長い期間咲かせるために、開花期間は7〜10日に1回の頻度で液体肥料を与え、肥料を切らさないようにしましょう。
ジニアの病気は、うどんこ病や斑点細菌病、灰色かび病に注意します。風通しのよい場所で管理するほか、雨で跳ねた泥から細菌がつき、発病することが多いので、マルチングをして予防します。病気にかかった株はなるべく早く処分してください。ジニアのなかでもリネアリス(ホソバジニア)とよばれる系統は、うどんこ病の耐性があるためかかりにくいです。
害虫は、アブラムシやハダニに注意します。殺虫剤を散布して駆除しましょう。
ジニアの花が咲き終わったら、花がらはこまめに摘むようにしましょう。咲き終わった花を早めに摘み取ることで、次の花が咲く準備が出来ます。また、花付きをよくするために、梅雨〜夏に上から2節目の葉の上部で切り戻しをしましょう。
ただし、リネアリスとプロフィージョンなどの品種は花がら摘みを行う必要はなく、切り戻すことで再び花を咲かせます。小さな手入れを心がけることで、より長く花が咲き続けますよ。
ジニアは、種まきや挿し芽で増やすことができます。
種は花がらから採取し、封筒などに入れて冷蔵庫で保管しておきます。春過ぎの十分に暖かくなった時期に、先に紹介した方法で種まきしましょう。また、枯れた花をそのままにしていると種をつけ、こぼれ種から翌年暖かくなると発芽して自然と増えることもあります。
さし芽の場合は、ジニア茎を切り戻して切り落とした枝を水に約30分浸し、その後土に挿します。1か月から1か月半程度で根が生えてくるので、その期間は半日陰にて管理するようにしましょう。また、土を乾かさないために定期的に水やりをしましょう。
ジニアは一年草のため、基本的に冬越しはできません。とはいえ、環境によっては11月上旬まで咲くことがあるので、晩秋まで楽しめます。
鉢植えの場合は、室内に取り込めば冬越しできる可能性もありますが、一年草の性質上、あまり繰り返し咲く体力をためておけないので翌シーズンの花は少ないか、咲かない可能性もあります。
自然の摂理にまかせて、無理に冬越しさせないほうがいいでしょう。

ジニアの寄せ植えで相性のよい植物は、下記の4つのポイントです。色や品種の異なるジニア同士の寄せ植えもおすすめですし、いろんな草花と組み合わせてみましょう。
寄せ植えにおすすめの草花をいくつかご紹介します。
ジニアをメインとする場合、ジニアよりも花が小さいセンニチコウはバランスが取りやすいです。メインのジニアをピンクやオレンジの鮮やかなカラーにするならば、それを引き立たせるために、少しくすんだ色合いのセンニチコウを選ぶとよいでしょう。
ペチュニアは暑さに強く、日当たりにも比較的強い草花です。開花時期も5〜9月ごろでジニアと近いので、一緒に寄せ植えをすれば長期間楽しめますよ。
ペチュニアもかなり花色が豊富なので、ジニアの色合いと合わせてチョイスしましょう。
ジニアと寄せ植えするとおすすめな植物として、葉ものとしても便利なつる性のハゴロモジャスミンや、病害虫が少なく星形とラッパ型の小花が寄り集まるように咲くペンタスなどがあげられます。
また開花時期が比較的長いジニアには、鮮やかな緑を長く楽しませるコキア、常緑のセダムなども用いるとナチュラルでシックな仕上がりになるでしょう。
植え付け前に配置を考える際に、正面から見て逆三角形になるように配置するときれいにまとまります。
また、手前に低い株、奥に背の高い株を配置するとバランスがよくなります。また植え付け場所はできるだけ中心をあけて、配置し、風通しを良くします。根鉢を崩さなくても無理なく入る株数を植え付けるようにしましょう。
ジニアは、一重咲きや八重咲き、絞り咲きなど、さまざまな咲き方があり、花色にもたくさんの種類があります。初夏から秋まで長い期間可愛らしい花を咲かせて楽しませてくれるので、暑い夏の時期にぴったりのお花です。
初心者の方でも育てやすい花なので、ぜひ庭先や花壇で育ててみてくださいね。

藤原正昭

GreenSnap編集部