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サフランとよく似た花を咲かせることから、イヌサフランとも呼ばれる植物の園芸種・コルチカム。鮮やかな色味をした花と、強い毒性をもった球根が特徴の植物です。
今回はそんなコルチカム(イヌサフラン)について、育て方を中心に簡単にご紹介します。
コルチカムは地植え・鉢植えの条件を問わず、葉のある時期は日当たりでの管理が重要です。生育期に当たる冬〜春の間は、日当たりのいい場所で育ててあげましょう。
コルチカムは球根の養分だけで開花することも可能なので、その年にだけ花を咲かせるだけならば日差しに当てる必要はありませんが、翌年も楽しみたい場合には日に当てて球根を太らせてあげましょう。
ただし、夏は休眠状態に入るので、日差しに当てる必要も直射日光の心配もいりません。
コルチカムは耐寒性・耐暑性ともに強いのが特徴です。
したがって特に防寒がなくても真冬でも屋外で育てることはできます。ただし、土が凍結する場合は根が傷む可能性が高いので、株元に腐葉土をかぶせることで防寒をするなど対策を取ってください。
一方、6月以降は葉が枯れて休眠状態に入ります。そのため、水はけがよければ球根を植えたままにもできますが、高温期の長雨の影響で病害虫が現れ、球根が傷むこともあります。
そのため、コルチカムの球根は梅雨前に掘り上げておき、風通しのいい日陰に置いて乾燥貯蔵しておくと安全です。
夏はコルチカムの休眠期に当たります。この時期に水やりをすると球根が腐る可能性が高まるので、水やりは不要です。葉が枯れてきたら、水やりの頻度・量を少しだけ減らすという心持ちで取り組むといいでしょう。
球根をむき出しのまま空気栽培を行う場合には、基本水やりは不要と言われていますが、放置しておくと球根にシワより出します。
それを防ぐために霧吹きで球根を湿らせる程度に給水しましょう。
冬はコルチカムの成長期に当たるので、冬〜春の間はしっかりと水やりを行いましょう。特に葉が大きく茂り始める3〜5月の間は、乾燥させないようにしましょう。
ただし、若干乾燥気味な状態を好むので、土の表面が乾いているのを確認したら与えるというタイミングで行うようにしてください。過剰に与えすぎると成長しにくくなります。
コルチカムの肥料は、まず第一に植え付けの時にあらかじめ用土と混ぜておきましょう。堆肥や腐葉土などを混ぜて水はけのよい状態の土壌へと改良し、元肥と苦土石灰を少しだけ混ぜます。
追肥として、地植えの場合には葉が出始める2月頃、気温が暖かくなる4月中旬以降に、1回ずつ粒状の肥料を施してください。
鉢植えの場合は、葉が出て枯れるまでの期間には、薄めた液体肥料を2週間に1度の割合で与えましょう。もしくは3月〜4月と9月〜10月に化成肥料を株周辺に、液体肥料を3~4回同様に施します。
コルチカムは水持ちがよく、水はけのいい有機質に富んだ土壌を好みます。
ただし過湿に弱いので、ジメジメした場所ではうまく育てません。そのため、市販されいる草花用の培養土に川砂を2割程度混ぜたのもか、配合土の場合には、赤玉土5・腐葉土3・川砂2の割合で混ぜたものを利用してください。
地植えの場合には、土質にはうるさくはないですが、水はけのよい状態することが重要となります。球根をさせるために玉砂利など使う場合もあるでしょうが、根を傷つける可能性は覚悟してください。なお、開花までの時期は土がなくとも育ちます。
コルチカムの植え付け時期は、8月〜9月が適期となります。遅くとも10月下旬がリミットとなります。球根が大きい方なので、4号~5号の鉢に1球を植えるのがいい塩梅です。
植え付けの深さについては、球根の先端が地表にすれすれの位置となるようにしましょう。地植えの場合には、深さは5~6cm、複数を植える場合には15~20cmの間隔で植え付けます。
花が咲いたあとに葉っぱがかなり増えるので、球根を植え付けるときには広めの間隔を取ることが適切です。
コルチカムの球根は、「分球」によって増やせます。ただその前にまず球根の掘り上げ作業を行う必要があります。
コルチカムの球根が増えて、花壇や鉢のスペースが狭くなったら掘り上げましょう。球根が大きくなる速度は、それほど速くはないため、鉢植えならば2年に1回、地植えならば2~4年に1回の頻度を目安として掘り上げは行います。
特に毎年掘り上げる必要はないです。掘りあげるタイミングは、葉が萎びて垂れはじめ、全体的に黄ばんできた頃がいいでしょう。
掘りあげた球根は、貯蔵中に腐ることがあります。これを防ぐためには、表面を乾かすことが大事になってきます。風通しのよい日陰で陰干したうえで、ネットなどの通気のいい袋に入れて冷暗所で保存します。
適期に当たる秋になったら、球根を手で分けて植え付けましょう。
コルチカムが気をつけるべき病気は「白絹病」です。水はけが悪いと出やすい病気なので、水はけよい用土を準備・管理することで未然に防げます。また、梅雨前に、球根を掘り上げて乾燥させるとよいでしょう。
気をつける害虫としては、「根ダニ」がいます。水はけをよくし、球根を梅雨前に掘り上げ、乾燥保存するのがベストでしょう。
コルチカムの生育に適した温度は15℃〜20℃になります。そのため、冬はできれば室内でもいいでしょうが、寒さには大変強いので防寒せずとも育つでしょう。
コルチカムの花言葉は「私の最良の日は過ぎた」、「危険な美しさ」、「悔いなき青春」、「永続」、「楽しい思い出」、「頑固」などがあります。
今回は有毒性があって危険だけれども、美しい花を咲かせるコルチカムについて簡単にご紹介しました。
日本でも冬越えをやすやすとしてくれる品種ということで、大変育てやすいので、興味のある方は是非育ててみてください。
球根をむき出しで育ててインテリアとして楽しむのも素敵ですよ。
GreenSnap編集部