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ニホンスイセンは、春の訪れとともに可憐な花を咲かせる球根植物です。多年草で日本の気候に合っているので、よく育ち毎年楽しめます。そんなニホンスイセンの育て方についてご紹介します。
ニホンスイセンは日当たりのよい場所で育てましょう。日によく当てると球根が太るので、花がよく咲くようになります。また、風通しや水はけのよい場所であることも大切です。多湿になると病気や球根の腐敗を招くので、気をつけましょう。
また、ニホンスイセンは暑さには弱いので、鉢植えで管理する場合は、夏の間は涼しい場所に移動させてください。一方、ニホンスイセンは寒さに十分当たらないと春に花が咲かない性質を持っているため、冬は植え付け後、屋外に置く必要があります。
ニホンスイセンを地植えする場合は、根が張るまでは土の表面が乾いたら、たっぷりと水やりをします。それ以降は、基本的に降雨にまかせれば大丈夫です。雨が何日も降らず土が乾燥しているときだけ水やりをしましょう。
ニホンスイセンを鉢植えする場合は、土の表面が乾燥していたら、鉢底から水が出るぐらい十分に水やりをします。
なお、水やりは午前中に行うようにしましょう。寒い時期は夕方に水やりをすると、気温が下がって冷え込む夜間に、土中に含まれている水分が凍ってしまうことがあり、生育に影響を及ぼすからです。
また、土の保水量が多すぎると、球根が腐ることがあるため、必要以上の水やりに注意しましょう。
ニホンスイセンへは、植え付けの際に、元肥として緩効性化成肥料を与えます。そして発芽したら月に2回、リン酸の割合が多い液体肥料を追肥します。チッ素が多い肥料は、花つきが悪くなることがあるので注意が必要です。
ニホンスイセンの花が咲き終わったら、お礼肥としてカリウムの割合が多い液体肥料を月に2回与えます。お礼肥は、花を咲かせるために消耗した株を元気にするほか、球根を太らせる役割があります。
ニホンスイセンを育てるときは、腐植質が豊富で、水はけがよく適度に保水力もある用土を用いましょう。水はけや通気性に優れた赤玉土小粒と腐葉土を7:3の割合でブレンドした配合土が適しています。また、市販の草花用培養土や球根用培養土でも大丈夫です。
ニホンスイセンの植え付け時期は、10月〜11月が適期です。
地植えの場合は、球根の2倍の大きさの穴を掘って、そこに球根を植えていきます。このとき、15〜20cm程度間隔をあけるようにしてください。過度に密植すると球根が太れなくなります。そして、植え付け後にたっぷりと水やりをします。
鉢植えの場合は、まず鉢底ネットを入れたのち鉢底石を敷きます。そして、鉢の半分くらいの高さまで土を入れて球根を置きます。球根の上に土をかぶせ、鉢底から水が出るぐらいたっぷりと水やりをしたら完了です。
なお、球根数は5号鉢(直径15cm)であれば3球、7号鉢(直径21cm)では6球が適しています。
ニホンスイセンの植え替えに関しては、3年程度行わなくても大丈夫です。それ以降は、7月〜8月の休眠期に土を掘り返して分球し、それを10月〜11月に植え付けのときと同様に植えていきます。
ニホンスイセンの増やし方は「分球」が一般的です。
夏の休眠期に土を掘り起こし、親球についている新たな球根を1つずつ分け、植え替えのときと同様のやり方で増やします。分球した球根の場合、花が咲くまでに2年近くかかることがありますが、気長に管理していきましょう。
ニホンスイセンの花が咲き終わったら、花柄を根元から切り落とします。このとき、一緒に葉を切らないよう注意が必要です。葉は光合成をして、翌年に花を咲かせるために球根に養分を蓄えます。
よって、葉を切ってしまうと光合成ができず、球根が太らないので翌年に花が咲かなくなってしまいます。葉は夏の休眠期に自然に枯れてからカットしましょう。
ニホンスイセンは、アブラムシを媒介して、モザイク病に感染することがあります。
モザイク病は、ウィルスが原因で起こる病気です。葉や茎、花などにまだら模様ができ、葉の変形や株の萎縮などの症状がでます。感染した株は取り除いて処分し、他の株にウィルスが伝播しないようにしましょう。
ウィルスの媒介をするアブラムシを防除すると、モザイク病を予防できます。アブラムシは、風通しが悪いと発生しやすくなるので、過度に密植しないようにし、風通しをよくすることが肝心です。
また、まれに軟腐病になることがあります。軟腐病は、株の根元の葉柄や花柄が水が染みたようになって変色し、腐敗が広がっていく病気です。軟腐病も高温多湿のジメジメとした環境下で起きやすいので、風通しをよくしておくと防げます。
ニホンスイセンの花は、通常のスイセンよりも少し早い1月頃から咲き始めます。
ニホンスイセンの花言葉は、「自己愛」と「うぬぼれ」です。これらは水面を覗き込んだ自分の美しさに恋をした、ギリシャ神話に登場する美少年ナルキッソスの話に由来しています。
ナルキッソスは水面に映る自分の美しい姿から離れられなくなって衰弱死し、のちにその泉の近くに、水面を覗き込むようにしてスイセンが咲いた、という話がもとになっています。
ニホンスイセンは自生していることも多く、古くから身近な植物として親しまれています。日本の気候に適しており、丈夫でよく育つので初心者にもおすすめです。花壇を華やかにするニホンスイセンを楽しんでみてください。
※トップ画像はぐれこさん@GreenSnap
GreenSnap編集部