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サルビアの花は、春から秋にかけて咲き続けるため、美しい花姿を長く楽しめる点が魅力です。赤や白、青や紫など、さまざまな種類があり、花壇に植えるのはもちろん、寄せ植えにしても鮮やかな花の色がよく映えます。そんなサルビアの育て方についてご紹介していきます。
サルビアは熱帯地方や温帯地方を原産地とするため、日当たりがよく、水はけがいい場所で栽培するのが適しています。栽培適温は15〜25度程度です。
サルビアをはじめとしたシソ科の植物は、発芽する温度が20度ぐらいと高めなので、5月頃に種まきをするのが望ましいです。
なお、5月頃は日中は暖かくても、夜は気温が下がり涼しくなる日も少なくありません。そんなときは、プランターに新聞紙、その上にビニールをかぶせておくと保温と保湿の両方ができます。
サルビアの種まきは、まず、重ならないようにしてプランターに種まきをして、種が見え隠れするぐらいにごく薄く土をかぶせます。覆土したら、底面給水にするなどして、発芽するまでは乾燥しないように気をつけて管理しましょう。
サルビアの種は、発芽の際に光が必要な性質であるため、土をたっぷりかぶせてしまうと、発芽できなくなるので気をつけてください。
1週間〜10日程度してサルビアの種が発芽したら、水やりは少し控えめにして日光に当てていきます。そして、徒長している苗などを間引きます。本葉が2〜3枚ぐらいになったら、ポットに植え付けましょう。なお、週に1回液体肥料を与えると生育がよくなります。
本葉が6〜7枚程度つき、根が張ったら鉢やプランター、花壇に定植していきましょう。花壇に植える場合は、25cm程度ずつ間隔を取って植えます。株が大きくなってもぶつからず、日がよく当たるようになるためです。鉢植えにおいては、6号鉢であれば3株が適しています。
サルビアを育てるときは、土の表面が乾燥していたら、たっぷりと水やりをします。サルビアは乾燥が苦手なので、水切れにならないよう気をつけましょう。水が不足すると花やつぼが落ちたり、茎の根元付近の葉が枯れたりしてしまいます。
とはいっても、水やりをしずぎると根腐れの原因になります。季節によって土の乾き具合は異なるので、土の状態をよく確認して水やりをすることが大切です。
水やりは基本的に朝か夕方に行います。とくに夏場は、昼間の暑い時間帯に水やりをすると、水が土中で温まってしまうため、根が茹で上がり枯れる原因になります。
サルビアは開花期間が長いので月に1回、緩効性肥料を置き肥、もしくは10日に1回、液体肥料を与えてあげましょう。定期的に肥料を与えると花がよく咲くので、長い間花を楽しめます。
液体肥料は即効性はありますが、持続性はない肥料です。そのため、緩効性肥料よりも回数を多く与えることで、栄養が行き渡ります。
緩効性肥料はその名の通り、成分がゆっくりと土に溶け出し、時間をかけて栄養を届ける肥料です。液体肥料よりも施肥の効果はゆっくり現れますが、持続性があるので手間をあまりかけたくない人におすすめです。
サルビアを育てるには、水はけと保水性の両方のバランスが取れた、腐植質が多い肥沃な用土が適しています。よって、通気性や保水性、保肥力に優れている赤玉土と、腐植を豊かに含む腐葉土を6:4の割合で混ぜ合わせた配合土や、市販の草花用培養土を使いましょう。
また、生育を健全に保つには、水はけがよい場所で育てることも大きなポイントです。水はけが悪いと枯れる原因になります。
サルビアは耐寒性が低く、気温が5度を下回るような環境下では越冬できません。そのため、本来は多年草ですが、冬に枯れる一年草とされることが多いです。
多年草として育てたい場合は、鉢植えで育てて、冬は室内にいれて管理しましょう。
サルビアを翌年以降も鉢植えで多年草として育てる場合は、根づまりを防ぐために4月〜6月頃に植え替えをする必要があります。
一年草として育てる場合は、植え替えは不要です。冬になって枯れたら取り除きましょう。
植え替えのやり方は、まず根鉢を1/3程度ほぐします。そして1回り大きな鉢に植え替え、たっぷりと水やりをすれば完成です。植え替え後に水やりをすることで、土と根が密着するので、根が活着しやすくなります。
なお、今後の成長を見込んで、大きめの鉢に植え替えるのはNGです。必要以上に大きな鉢に植えると、土の保水量が多すぎる状態になってしまい、根が水分を吸収しきれなくなります。そうすると土が湿りがちになるので、根腐れを誘発します。
必ず株の大きさに見合ったサイズの鉢に植え替えてください。
サルビアの花が咲き終わったら、花下の節のすぐ下あたりを切ってしまいましょう。そうすることにより、花が長く楽しめるようになります。
また、基本的に春から秋まで花が咲きますが、花づきが悪い場合は8月頃に半分程度に切り戻すと、秋に花が咲くようになります。
サルビアは、これといった病気や害虫はありませんが、風通しがよくないとカビが原因の「うどんこ病」になることがあります。風通しをよくして予防しましょう。
また、雨の多い時期は「斑点病」に注意が必要です。斑点病は、細菌が原因で起こる病気で、雨風によって菌が飛び散り広がっていきます。そのため、梅雨の時期は雨が当たらない場所に移動するなどして防除しましょう。
また、ときどき以下のような害虫が発生することがあります。
春から初秋にかけて、コナジラミが寄生することがあるので注意しましょう。葉の裏に群生して生育を阻害し、葉がすすけたように白く変色する被害をもたらします。
また、ウィルス性の病気や、コナジラミの排泄物により「すす病」を引き起こし、黒い斑点が葉や茎などにできることもあります。蒸れた環境のときに発生しやすいので、風通しをよくしておくことで予防できます。寄生されたときは、薬剤を散布して退治しましょう。
ヨトウムシは葉を食い荒らす害虫です。葉の裏に集団で寄生し、生育に悪影響を及ぼすほか、美観も損なわれます。幼虫は土中や葉の影に隠れ夜間に活動するため、食害にあってもすぐに見つけることができません。そのため、株の根元に薬剤を散布しておくのが効果的です。
ハダニは気温が高く、乾燥していると発生しやすい傾向にあります。よって、定期的に葉水をして防除しましょう。大量に発生した場合は、薬剤を散布して駆除します。
サルビアは筒状の花を下から順に咲かせます。上の部分の穂と萼も花と同じように、鮮やかに色づきます。サルビアの花の開花期間は、5月〜10月くらいまでと長いのも特徴です。
サルビアには、花の色によって以下のような花言葉がつけられています。
「salvia(サルビア)」は、ラテン語の「salvus(良い状態、健康、安全)」が語源で、それが変化し英語ではサルビアを「sage」と表記します。sageには、「賢人」という意味も持っており、そこから「知恵」や「尊敬」という花言葉につながったと考えられています。
「燃える思い」は、真っ赤で鮮やかな「サルビア・スプレンデンス」の花色が情熱的だとしてつけられました。そして、「永遠にあなたのもの」は長い期間、花を咲かせるサルビアの性質にちなんでつけられています。
サルビアは、今回ご紹介した以外にも非常に多くの種類があります。そのため、好きな種類を組み合わせてアレンジできる楽しみがあります。
また、1年草とされていますが、温度管理をすれば越冬して翌年も栽培できます。病害虫の被害も受けにくいため、ぜひ育ててみてください。
※トップ画像はminoさん@GreenSnap
GreenSnap編集部