warning
error
success
information
ヒイラギは、葉がトゲトゲとした形をしていることから、魔除けの樹木として知られています。濃い緑色の独特な形の葉が印象的ですが、秋になると白く可憐な花を咲かせ、甘い香りを届けてくれます。そんなヒイラギの育て方について、ご紹介していきます。
ヒイラギは耐陰性があるので日陰でも栽培できますが、半日陰の場所で育てるのが適しています。ただし、日が当たる場所を好む一方乾燥に弱いので、水もちと水はけのバランスがよい土壌で育てる必要があります。
加えて、適度に風が通る場所に置く必要もあります。風通しが悪く蒸れるような場所だと葉が傷みやすくなります。また、ヒイラギは寒風に少し弱いので、北風が吹きつける場所は避けてください。
ヒイラギを地植えする場合、根づいたあとは特に水やりの必要はなく、基本的に降雨でだけで大丈夫です。ただし乾燥に弱いことから、夏場は土が乾かないよう必要に応じて水やりをしましょう。鉢植えの場合も同様、土が乾いていたら水やりをします。
ヒイラギが順調に育っているようであれば、肥料は無理に与える必要はありません。もし生育があまりよくない場合は、2月と6月〜8月頃に緩効性化成肥料を与えましょう。そうすることで、1年を通して栄養が届いた状態になります。
なお、ヒイラギは、根の先端から肥料の成分を吸収していくため、肥料は幹の周りに撒き散らします。
ヒイラギは肥沃な土を好みます。そのため地植えの場合は、腐葉土や堆肥を2〜3割混ぜ合わせて施しましょう。鉢植えの場合は、赤玉土7:腐葉土3の割合で混ぜた土を使います。また、市販の庭木用培養土でも問題ありません。
ヒイラギの植え付け時期は、4月〜5月頃が適期です。鉢植えの場合は、根鉢より1回り大きな鉢を用意して鉢底に網を敷き、その上に軽石を2〜3cm程度入れます。そして苗木を置いて土を入れていき、最後に水をたっぷりと与えます。
このとき、根鉢についている土は落とさずに、そのまま入れてください。土を崩してしまうと根が傷つき、生育が悪くなります。
地植えの場合は、まず根鉢の1〜2回り大きい穴を掘ります。そして、掘り起こした土に腐葉土を2〜3割程度混ぜて半量ほどを穴に戻します。その上に苗木を置いて残りの土をかぶせて水やりをすれば完成です。
ヒイラギの植え替えは、地植えの場合は行う必要はありません。鉢植えの場合は根がつまってきたら、1回り大きい鉢に植え替えます。なお、植え替え時期は、植え付けと同様の4月〜5月頃が適期です。
ヒイラギの増やし方は「種まき」と「挿し木」という方法があります。ただし、種まきにより増やす方法は、苗床を育てるまでに2年程度かかり、植え付けは3年目くらいにならないとできないので、挿し木で増やす方法が一般的です。
挿し木は、6月〜7月に行うのが適しています。やり方は以下のとおりです。
ヒイラギの剪定時期は、成長が一旦落ち着く6月〜7月と花後の12月頃です。ヒイラギの木の樹形からはみ出ている枝を整えます。深く剪定しても、ヒイラギの枝はよく出るので問題ありません。
また、枝葉がつまりずぎている箇所も剪定しましょう。風通しが悪くなると害虫が寄生しやすくなります。
ヒイラギには、以下のような害虫がつきやすいので注意しましょう。
イモムシに寄生されると新芽や葉が食害を受けます。見つけ次第ピンセットなどで取り除いて退治しましょう。また、葉に卵を産みつけるので薬剤を散布して防除しておくとよいでしょう。
テントウノミハムシはテントウ虫に似た害虫で、葉を食べてしまいます。食害により穴が空いた葉は、しだいに変色し枯れていきます。退治せずそのまま放置すると大量に寄生してしまうので、薬剤を散布して駆除しましょう。
カイガラムシは枝や葉に寄生し、すすのような黒いカビが生えて葉を枯らす「すす病」を引き起こします。葉が枯れたり、新葉の出方が悪くなったりといった生育阻害を招きます。
数匹程度であれば、葉を傷つけないように気をつけながらブラシで擦って退治を、大量に寄生された場合は、専用の殺虫剤で駆除するとよいでしょう。
また、ヒイラギのかかりやすい病気は、以下が挙げられます。
炭そ病はカビによる病気です。葉に褐色の斑点ができ、胞子が伝播すると周りの葉も同様の症状になり生育を阻害します。
褐斑病もカビによる病気で、葉に褐色の斑点ができ葉を枯らします。病気になっていたら枝ごと剪定して伝染を防ぎます。そして、肥料を施し樹勢を回復させましょう。
ヒイラギには、以下のような種類があります。
ヒイラギの花言葉は、以下のようにいくつかあります。
「保護」「剛直」「用心深さ」の花言葉は、トゲを持った葉の性質に由来してつけられたといわれています。
ヒイラギは観賞用としてはもちろん、玄関先に植えて魔除けにしたり、防犯対策として生垣にしたりできる樹木です。水はけと水もちのバランスがよい場所を選んで、植え付けをしてください。また、害虫がついたときは放置せずに薬剤を散布して駆除し、健全な状態を保つようにしましょう。
※トップ画像はノンビリーナさん@GreenSnap
GreenSnap編集部