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ヨーロッパの湿地や水辺を原産とする、ムラサキ科・ワスレナグサ属の花の総称を呼びます。春から夏にかけて開花期も長く楽しめ、一度植え付けてしまえば、こぼれ種でどんどん増える強い植物です。
そんなワスレナグサの育て方についてご紹介します。
ワスレナグサは、日当たりのよい場所を好みます。また、暑さと過湿を嫌うので風通しの良い場所で育てましょう。明るめの半日陰でも可能です。
ワスレナグサは暑さと乾燥に弱いので、育てるときは水切れに注意しましょう。
春植えの場合は、土の表面が乾き切る前にたっぷりと水やりをします。冬や庭植えの場合でも、乾燥したらたっぷり水やりしてください。春から夏にかけては特に土が乾燥しやすいので、こまめにチェックしてくださいね。
ワスレナグサの植え付けの際、緩効性の化成肥料を適量、土に混ぜて元肥とします。追肥はリン酸とカリウムが多めの液体肥料を施すとよいでしょう。
また、ワスレナグサは土が肥え過ぎると花つきが悪くなる性質があるので、生育具合を見ながら適量よりやや少なめに施すのがコツです。
ワスレナグサを育てるときは、水はけと水もち、および通気性のよい土を用いましょう。
土の水はけが悪いと根腐れを起こします。とはいえ、水切れによる乾燥にも弱いため、ある程度の水保ちも必要となります。例えば赤玉土6に腐葉土4の配合土を用いるか、または草花用培養土を使用するとよいでしょう。
ワスレナグサは種まきでも苗植えでも育てることができます。
ワスレナグサの種まき時期は、9月下旬から10月が適期です。秋に直まきするか、種をまいたポット苗を冬越しさせて春に植えつけることもできます。
また、ワスレナグサはこぼれ種からの発芽率もよく、一度植え付けておけば翌年からもたくさんの花を咲かせてくれるでしょう。
春先になると、花屋の店先などで開花したポット苗が流通しはじめます。
ワスレナグサの苗の選び方は、花がすでに咲いているものよりも、青々とした緑色の若いものがおすすめです。一番花が咲く前の苗を植え付けた方が、根がよく張って、より多くの花が楽しめますよ。
ワスレナグサの根は浅く張りますが、株は横に広がる性質があります。株間を広く取って、最低でも20cm以上の間隔を開けて植えつけるとよいでしょう。混みあってしまうと風通しが悪くなりますので注意してください。
ワスレナグサの増やし方は、「種まき」が一般的です。
ワスレナグサの種は、半日ほど種を水に浸しておくと発芽率があがります。暗発芽種子なので2cmほど深めに覆土をしてくださいね。
本葉が3~4枚になったら、根に触らないように気をつけて移植して定植しましょう。4月から6月にかけての開花期になると次々と小花が上がってきます。
こぼれ種でも増えますので、花柄摘みのときは全部取ってしまわないようにしましょうね。
湿度が高くなると、葉に「灰色かび病」が発生することがあります。風通しをよくして、傷んだ葉はこまめに摘み取りましょう。開花後の花は花茎のつけ根から摘んでおきましょう。
春から夏にかけて気温が上がってくると「アブラムシ」の発生に注意してください。アブラムシを見つけたら速やかに駆除しましょう。植え付けの際に株間を開けたり、生育に合わせて花柄摘みをしたり、風通しをよくする工夫をして予防することが大切です。
ワスレナグサの花は、基本は青に黄色または白色の目が入ります。ワスレナグサの開花時期は4月から6月頃です。花色は、青のほかにも、白、ピンク、黄、紫、と大変豊富に揃っています。
ワスレナグサは、全体的に和風、洋風、自然風、とどの庭のタイプにも相性が良く、寄せ植えとしてもおすすめです。中でも矮小ワスレナグサなど小ぶりな花や株のタイプは寄せ植えにして郡植するとボリューム感が出ます。
ワスレナグサは品種やバリエーションも多いので、春咲きの花と組み合わせて華やかに飾ってみましょう。配色を同じトーンで揃えるとシックな印象に、カラフルに組み合わせると元気な印象になります。
横に広がる性質があるので、ボーダー花壇などの前方に植え付けてグラウンドカバーにするのもおすすめです。
ワスレナグサの花言葉には、「私を忘れないで」、「真実の愛」という意味があります。この花言葉は、中世ドイツの悲しい恋の伝説に由来しています。この意味から、ワスレナグサ(勿忘草、忘れな草)という名前をつけられました。
また、ワスレナグサは欧米では古くより「真実の友情」のシンボルとして愛されてきました。変わらぬ友情と誠実を誓って、卒業式などに友人に贈る伝統もあるようです。
勿忘草はロマンチックな花言葉やエピソードを持つ、可憐な小花です。こぼれ種でも育ち次々と花を咲かせるため、ボーダーガーデンやグラウンドカバーとしても活躍しそうですね。丈夫で、初心者でもコツさえつかめば育てやすい勿忘草を、ぜひあなたの花壇に仲間入りさせてみてはいかがでしょうか。
※トップ画像はkiraraさん@GreenSnap
GreenSnap編集部