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山椒(サンショウ)は食物繊維やカルシウム、鉄、ビタミンB1・B2を含み、ほかにもさまざまな栄養が豊富に入っている落葉広葉低木です。収穫できる実は調味料として万能ですが、自宅での栽培にはいくつか注意点があります。今回は山椒の育て方と鉢植え栽培の注意点などについて解説します。
山椒の木は自宅に植えてはいけないという話を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。結論から述べると、山椒の木を自宅に植えても全く問題ありません。
実は、山椒の木には鋭いトゲがつきます。そのトゲでケガをする危険性があるとのことから、山椒の木を庭に植えない方がいいという意見があるようです。また、トゲが風水的に良しとされないことも影響しているかもしれません。
ただし、これらの理由は近所の方へ迷惑をかけるものではないため、ご自身が問題ないと判断すれば全く問題のないことなのでご安心ください。
山椒は基本的には日当たりのいい場所を好みますが、半日陰の場所でも育ちます。鉢植えよりは地植えの方が、半日陰でも育てやすいです。
ただし、少し湿っている土の方が良いので、日当たりが良くて乾燥し過ぎの場所だと、うまく育たないことがあります。そのため直射日光のきつい、西日が差し込む窓際やお庭などは、育てる環境に適しません。
また、土質については、鉢植えで育てる場合は園芸店などで販売している草花用培養土で十分です。地植えの場合は、庭土を掘り上げ、その土へ腐葉土を3割ほど混ぜて植えてください。
なお、山椒の木は冬の寒さには強いので、特に防寒対策は不要です。
山椒の木の植え付け時期は、落葉期にあたる12~3月頃が適期です。鉢植えの場合は、深さのある鉢を用意しましょう。
根鉢を触らないように、そっと植えあ穴に植え付けます。
山椒の水やりには、気を使う必要があります。
夏の季節はすぐ水が切れますので、用土が乾いていないか注意して下さい。特に鉢植えはすぐ水が乾くので、乾燥してきたことが確認できたら、たっぷり水を与えてあげましょう。梅雨の季節は、水がたまり、水はけも悪くなってくるので、湿度が高くならないように気を付けて下さい。
山椒の実を翌年もつけてほしいのであれば、収穫後に株が弱っている場合は有機質肥料の油かすなどを与えるといいでしょう。冬の季節は落葉期になりますので、この時期も弱ってくるかもしれません。そのため、追肥として1~2月にも油かすを与えて下さい。
山椒の葉は落葉時期の12~3月頃に切り落とします。
伸びすぎたり、混みあってきた枝を剪定するといいでしょう。生長期に伸びた枝はまだ長さが短く、花を咲かせる枝になりますので、剪定を行わないようにしてください。
山椒の実は6~7月に収穫します。山椒の実がなると皮が固くなりはじめるので、早めに収穫しましょう。収穫するときは、トゲや手の痺れ防止のため、手袋をしておくと良いでしょう。
アゲハチョウの幼虫が葉っぱにつき、葉を食べますので、見つけましたら手で取り除いて、駆除するようにしてください。触ったり駆除が苦手な場合は、最初に防虫ネットを張って、アゲハチョウが葉に卵を産みつけるのを防ぐといいでしょう。
かかる病気としては、白絹病があります。白カビが株元に生えてきて、枯れる原因になります。湿度が高すぎることにより、発生した病気ですが治療が難しいため、切ってしまうのは残念ですが、株を処分する方法で対応して下さい。
山椒の木の根は繊細で弱いため、植え替えや移植を嫌います。そのため、できるだけ植え替えの必要がない場所へ植えましょう。
鉢植えが根詰まりしそうなどの、どうしても植え替える必要がある場合のみ、落葉期の12~3月に植え替えましょう。このとき、できるだけ根を触らないように、そっと作業してください。
また、鉢植えの場合は地植えに比べて土が乾きやすいです。水やりの頻度も高くなるので注意しましょう。
山椒は、「挿し木」や「種まき」で増やすことができます。
挿し木で増やす場合は、最適な季節は6月・9月・10月頃となります。若い枝を10~15cm程切って、枝を水に挿し、上の方の葉3枚ぐらい残してほかは全部取り除きます。1時間ぐらい吸水させた後、小粒タイプの赤玉土か、バーミキュライトに挿し植えて下さい。用土は乾かさず、日陰で育てましょう。新芽が出てきたら、6号鉢ぐらいに植え替えます。
種まきで増やす場合は、最適な季節は春か秋頃になります。山椒は雄株と雌株があり、花の形が違いますので見分けることができます。実をつけるのは雌株になります。
山椒は日当たりと水やりにさえ気をつければ、実をならせることができます。ただし、山椒の実を多くつけさせるためには、剪定がポイントとなります。伸びすぎの枝は剪定した方がいいですが、花が咲いている枝は切らないように注意してください。
なお、雄株と雌株どちらも必要ですが、朝倉山椒は雌雄同株で、1本だけでも実が収穫できます。
樹木はある程度大きく育ってしまえば、こまめな水やりの世話などが不要になることが多いですが、山椒の木はそうではありません。数年間順調に育っていても、突然枯れたという話もよくあります。多くは水やり頻度に原因があるようですので、定期的に天気や株の様子を確認するようにしましょう。
※トップ画像はricoさん@GreenSnap
GreenSnap編集部