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スイートピーはツル性の一年草で、マメ科レンリソウ属に属する花です。長いツルを生かしてアーチをつくって庭を立体的に飾ったり、ドライフラワースワッグやポプリにすればその姿や芳香を長く味わえるなど、楽しみが多いことからも、アレンジ花として人気があります。育て方もそれほど難しくないので、初心者にもおすすめです。今回はそんなスイートピーの育て方を詳しくご紹介します。
スイートピーの育て方は、とにかく根を傷つけないようにすることがポイントです。そのため、苗が小さいうちに元肥を与えて、それから植え付け作業に入りましょう。
また、スイートピーは酸性にも弱いため、育てる場所の土を苦土石灰で中和しておいてください。
スイートピーを育てるときは、日当たりと風通しの良い環境が適しています。なお、寒さにはやや弱いので、冬場に霜が降りる可能性のある場所は避けてください。
スイートピーを地植えで育てる場合は、連鎖にも気を付けましょう。前年と違う場所を選んで植え付けください。
また、スイートピーはツル性の植物なので、フェンスやネット、トレリス、ガーデンアーチなどが設置できる場所を選ぶのもおすすめです。ガーデンアーチを使って育てれば、庭を立体的に演出でき、グレードアップすること間違いなしです。
スイートピーを育てるときは、水はけと水持ちのよい用土が適しています。「赤玉土7:腐葉土3」くらいの配合土を用いましょう。
また、スイートピーは酸性土を嫌うため、地植えにする場合には、あらかじめ苦土石灰を撒いて中和させておきましょう。もし鉢植えで育てる場合は、市販の園芸用の培養土を使うと便利です。
スイートピーの種は、15~20℃の気温で発芽します。地域により差がありますが、種まき時期は10月頃が適期です。
なお、スイートピーの種は硬く、水分が通りにくいため、一晩水に浸けたものだけを種まきします。
種まきの方法にも、「直まき」と「育苗ポット」の2パターンあります。
根を傷つけてしまうと花が咲かないことがあるため、できればスイートピーの種まきは直まきがおすすめです。
間引きするときは、土の中で根が絡んでいることがあるため、引き抜くのではなく、ハサミを使い地面ギリギリの所で切ってください。
育苗ポットへ種まきする場合には、
ポットの底まで根がまわったら定植しますが、寒冷地で育てる場合は、苗をワンサイズ大きなポットに植え替え、冬期の定植は避け、春まで待って定植しましょう。
スイートピーを地植えにする場合には、植え付け2週間前までに、苦土石灰を撒き、酸性土を調整しておいてください。また、スイートピーは、根がよく伸びるので、深さ40cmくらいは耕しておきましょう。
元肥として、窒素分が少なく、リン酸、カリウムが多く配合されている緩効性の化成肥料を施し、20~25cmくらいの間隔で植え付けます。このとき、くれぐれも根を傷つけないように気を付けてください。
なお、スイートピーはツル性の植物ですので、地植えにする場合はフェンスやネット、トレリス、ガーデンアーチなどを設置してあげると良いでしょう。
スイートピーを鉢植えにする場合も、根がよく伸びることを考慮し、深めの鉢に植え付けましょう。
鉢植えの場合には、支柱を立てるのを忘れずにしてください(※わい性品種では必要ありません)。
スイートピーは多湿を嫌うため、乾燥気味に育てます。
土の表面が乾いたらたっぷり水やりをしましょう。春は発育期で、根もよく張り水を吸います。乾きやすくなりますので、特に注意して観察してください。
スイートピーを含むマメ科の植物は、窒素過多を嫌います。
スイートピーを育てるときは、窒素分が少なく、リン酸、カリウムが多く配合されている肥料を選びましょう。少なめの肥料でもしっかり育つため、緩効性の化成肥料を、一般的な草花の規定量の半分くらいを目安に施しましょう。
スイートピーは直根性植物であるため、太い根がまっすぐに伸びるという性質があります。直根性の植物は、根を傷つけないように特に注意が必要となります。
ただし、一年草であるスイートピーは、基本的に植え替えは不要です。種まきして育てた苗を定植するとき以外は、スイートピーは植え替えをしない方がよいでしょう。
スイートピーの増やし方は、「種まき」が一般的です。
開花後に果実ができますので、その果実のさやが茶色くなった頃に種を採取しましょう。採取した種は乾燥保存しておいて、10月頃に種まきしましょう。
定植して1~2週間後、茎が7~8節伸びたら、先端を摘心しましょう。わき枝が出て、わき芽が増え、花付きが良くなります。わい性品種では必要ありません。
なるべく多くのスイートピーの花を楽しむなら、摘花は欠かせません。花色があせてきたら、花柄のつけ根から折って取りましょう。
スイートピーは成長とともに、巻きひげが伸びてきます。それを放っておくと、ツル同士が絡んでしまったり、おかしな方向に伸びて不恰好になってしまいます。
そのため、ツルの先端の巻きひげを支柱やフェンス、ネット、トレリス、ガーデンアーチなどに巻き付けて、誘引してあげます。巻きつけた箇所を、ビニールタイなどで留めてあげましょう。
スイートピーを冬越しさせる場合は、寒さが厳しい地方では、霜よけが必要となります。霜が降りる前に、ワラや腐葉土を敷き詰め、マルチングしましょう。
スイートピーを含むマメ科レンリソウ属の植物には、種に毒性があることでも知られています。種まきする分には問題ありませんが、誤って種を食べないように気をつけてください。
スイートピーの開花時期は、4〜6月頃です(※春の季節に咲くほか、夏咲きや冬咲きの品種もあります。)。
花の季節になると、花径4cmほどの大きなフリルのような花を咲かせます。花色には、赤ばかりではなく、白、黄、ピンク、紫など、さまざまな色があります。
うどんこ病:梅雨時に、水はけが悪く過湿になったり、風通しが悪くて蒸れると、うどんこ病を発症する可能性があります。うどんこ病は、葉にうどんこをまいたように白いカビが生える病気です。うどんこ病にかかった葉は光合成ができなくなり、発育不良に陥ってしまいます。感染の拡大を防ぐため、感染した葉は取り除き、薬剤を散布しましょう。早めに対処してください。予防するには、殺菌剤の散布が効果的です。
アブラムシ:新芽や葉の裏に寄生し、汁液を吸う直接被害と、病気を媒介する間接被害もあるため注意が必要です。一匹一匹は小さいですが、繁殖力が旺盛で、数が増えると、スイートピーが発育不良に陥ってしまいます。殺虫剤を散布するなど、早めに対処しましょう。
ハダニ:葉の裏に寄生し、汁液を吸います。はじめは、葉に針で突いたような小さな点があらわれ、数が増えると、葉が白いカスリ状になり、発育不良に陥ってしまうため注意が必要です。発見が遅れがちになるため、こまめに葉や葉裏を観察し、見つけたら、早めに殺虫剤を散布して駆除しましょう。
エカキムシ:ハモグリバエやハモグリガの幼虫で、葉の中に侵入し食害しながら移動します。エカキムシが食害しながら移動した所は、白っぽい絵を描いたようになるため、エカキムシと呼ばれるようになりました。移動跡がわかるので、移動跡の先端を押しつぶして退治しましょう。殺虫剤なら、浸透移行性剤が効果的です。
スイートピーの育て方やお手入れの仕方、花言葉などについてご紹介しました。春の季節だけでなく、夏や冬も楽しめるほか、花の色も豊富でアレンジの仕方もさまざまあるスイートピーは、ツル性の植物ですので長いツルを生かしてアーチをつくって、庭を立体的に飾ることもできます。
香りもよく、育て方もさほど難しくないので、ぜひみなさんもスイートピーを育ててみませんか?
※トップ画像はshizukさん@GreenSnap
GreenSnap編集部