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ムクゲは、別名がハチスとも呼ばれるアオイ科のフヨウ属に分類される落葉性の花木の名前です。一般家庭の庭木としてもよく栽培されているほかにも、夏の茶花としても有名です。
今回はそんなムクゲの育て方を見ていきましょう。
ムクゲは水はけと日当たりが良い場所だと、とてもよく育ってくれます。明るい日陰の場所でも生長することは可能ですが、その場合にはかなり花付きは悪くなってしまいます。
ムクゲは日当たりのほか、水はけの良い場所も好みます。
ムクゲは生育がとても早いため、鉢植えではなく、庭に地植えや生け垣として利用されることが多いです。ムクゲは根が深く下に伸び、横方向には広がらないという性質を持つので、狭い庭であっても植えることが可能です。
ムクゲは庭に地植えをし、一旦きちんと根付いてしまったら、あまり水やりを行う必要はありません。夏場の水やりについては、ムクゲは乾燥はとても嫌うので、極端に乾燥している場合のみ、水を十分に与えるようにします。
しかし鉢植えの場合でしたら、土の表面が乾いているのを確認したら十分な水やりがする必要があります。
ムクゲの冬場の水やりについては、特に必要はありません。
ムクゲの肥料は、冬の落葉する時期に与えます。
12月頃~1月頃の寒い時期に寒肥として、固形の油かすなどの有機質の入った肥料を施すようにすると良いでしょう。これに3割程度の骨粉をミックスしたものを与えてもOKです。
夏の時期はムクゲの花の開花時期になりますので、少量程度の化成肥料を与えるようにします。基本量の1/3程度の化成肥料を追肥してあげると、花付きが断然に良くなります。
ムクゲはとにかく生長するスピードが早いので、その分肥料を吸収する力もとても強いです。場合によっては6月頃にも一度化成肥料を与えると良いかもしれません。
ムクゲを育てるときは水はけの良い土壌であれば、あまり神経質になることはありません。ただし、夏場の乾燥はとても嫌う性質があるため、腐植質に富んでいて水持ちも良い場所である方が、ムクゲにとってさらに良い環境であるといえます。
ムクゲを庭に地植えする場合には、水はけの良くなるような土を足して土壌を改良する必要はあります。水はけが良いだけでなく、できれば腐葉土に富んだ土ならば水持ちも良くなります。
ムクゲの植え付け時期としては、落葉する12月~3月頃が良いでしょう。
根鉢よりも一回り程度の大きな植穴を掘ります。その中に、ピートモスや腐葉土、完熟堆肥などをすき込みます。完熟堆肥の代わりに、粒状肥料を元肥として、ピートモスや腐葉土にミックスして植え付けてもOKです。
その後、必ず植え付けるようにして下さい。また、ムクゲの花芽は、その年に伸びた枝にのみ付くので、植え付け時に花芽を剪定しておくと楽です。
植え付けたら、根鉢の周囲に十分な水を注ぎます。そして棒などでつついて植え土と根をなじませておきましょう。
ムクゲはとにかく繁殖力はかなり強いので、庭への植え付け場所には注意しましょう。
ムクゲの植え替えは、鉢植えの場合には冬ではなく暖かくなる春先の3月頃が、一番適しています。根鉢を極力崩さないようにしながら、今よりも大きな鉢にていねいに移し替えます。
ムクゲは丈夫で強いので、一旦植え付けたあとは、あまり手間暇がかからない植物です。しかし、庭に地植えした場合には、開花時期が終わる秋頃までは待った方が無難でしょう。
ムクゲの種まきは、秋にできる種を採ってそれが乾燥しないようにして保存をしておきます。そして、暖かくなってきた翌年の春(3月下旬)以降くらいに撒くようにします。
種まきの方法は、育苗箱などの薄めの容器の中に赤玉土の小粒サイズを入れます。そして、種が重ならない様に気をつけて土の上にばら撒きます。
そして軽めに土を被せて、土が乾燥しないように水やりを行いながら、発芽するまでは半日陰になる場所で管理をします。
発芽後は、元気のある苗以外は間引くようにします。そして本葉の数が4~5枚程度になったら育苗ポットへ移します。
順調に生長し樹高が10cm~20cm程度にまでなったら、地面や大きな鉢に植え替えるようにします。
ムクゲの増やし方には、「種まき」と「挿し木」といった方法があります。種まきの方法は前述の通りです。
挿し木に最適な時期としては、葉が出てくる前にあたる3月~4月頃となります。前年に伸びて生長した枝を10cm~15cm程度切り取ります。
そして、それを市販の挿し木用土や赤玉土の小粒サイズの土の、葉同士が触れ合う程度の間隔で挿していきます。これを挿し木の中でも「休眠枝ざし」と呼んでいます。
それ以外にも、新梢が堅くなる前の5月~6月頃と、あとは新梢が完全に硬くなってしまった9月下旬~10月頃にも、その年に伸びた枝を使って挿し木を行うことができます。この方法は、挿し木の中でも「緑枝(りょくし)ざし」と呼ばれています。
根付きが良いのは、休眠枝ざしの方で、地面に直接挿すだけで根が出てくるようなこともあります。
ムクゲは、日当たり、水持ち、水はけの良い場所であれば元気にすくすく育ってくれる強くて丈夫な花木です。ですので、管理温度についてはあまり神経質になる必要は特にありません。
ムクゲの落葉期である12月~3月頃に剪定を行うと、よく萌芽してくれます。
ムクゲは春に生長して伸びた枝に、その年の花芽をつくる性質があるので、剪定はしやすいです。剪定をしないで放置状態のままですと、10m以上にもなるものもあります。
ムクゲがかかりやすい病気はほとんどありません。一方で、害虫はよく付きやすいことで知られています。
害虫には、アブラムシ、ハマキムシ、カミキリムシの幼虫であるテッポウムシ、ワタノメイガなどがいます。
特に春~夏頃にかけての時期には、枝や新芽の部分にアブラムシが発生しやすく、夏~秋頃にかけては、ハマキムシがよく発生します。
ハマキムシというのは、葉の部分を食べる害虫で、葉をつづり合わせて丸め込み、その中を生活の場とする性質があります。同じく葉を食べるワタノメイガも、よく見られる害虫となっています。
いずれの場合であっても発見次第、すぐに薬剤を散布するようにして駆除を行うようにして下さい。
木の部分までを枯らしてしまうような被害が出ること自体は少ないですが、カミキリムシの幼虫のテッポウムシは、木の幹の中にまで入り込むため、気づかない間に、広範囲で内部を食い荒らしてしまう事も稀にですがあるので注意が必要です。
ムクゲは中国が原産のとても丈夫な花木です。そのため日本の夏の暑さの中でも、大きめな花を次々と咲かせます。
ムクゲの開花時期である7月頃~9月頃にかけて、直径5~10cm程度のタチアオイやハイビスカスによく似た花を咲かせます。花色は紫、赤、白などで、咲き方も八重咲きた5弁の一重咲きなどさまざまです。
ムクゲの花の多くは、朝に花が咲いてそのまま夜間には花はしぼんで閉じてというサイクルを繰り返します。翌日もしぼむことなく咲き続けます。一重のタイプのものでは数日程度、八重タイプのものでは2週間くらい楽しめるものもあります。
ムクゲの花芽は、その年の春~秋頃にかけて生長した枝に、どんどん形成されていきます。
ムクゲの花言葉には、「新しい美」や「信念」があります。
今回は、暑い夏に美しい花を咲かせるムクゲについてご紹介してみました。
庭木や生け垣としても丈夫で生長も早いのでピッタリです。一重よりも八重タイプの方が長く咲くので楽しめます。
とても丈夫で強い花木ですのでぜひ一度育てて綺麗な花を沢山咲かせてみて下さいね。
GreenSnap編集部