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センニチコウはアフリカ原産の熱帯植物です。花数が減る日本の真夏に、きれいな原色の色を添えてくれる人気の花でもあります。そんなセンニチコウの育て方を見ていきましょう。
センニチコウは暑さに強く、鑑賞期間が長いため、夏の花壇や寄せ植えに人気の一年草です。
ちなみに、わたしたちが鑑賞している球体の部分は、じつは花ではなく、色づいた「苞(ほう)」という、花の基部にあり、つぼみを包んでいた葉が変形したものです。
花びらよりも水分が少なく色持ちがいいのが魅力。そのため花壇に植えて楽しむのはもちろんのこと、切り花をして長く鑑賞したり、ドライフラワーにして楽しめます。
実際の花は上の写真だと白っぽくみえるごく小さい部分で、3〜4日で落ちてしまいます。
センニチコウは種まきからでも簡単に育てられます。種まき時期は気温が暖かくなる4月中旬〜5月頃です。
センニチコウは暑さには強いですが寒さには弱く、発芽温度は20〜25℃です。春先にまいても発芽しないので、最低気温が20℃を上回る日が続いてから種まきをするようにしましょう。
センニチコウを種から育てるときは、3号ポリポットやセルトレイなどで育苗してから、植え付けをして育てます。センニチコウの種まきの手順は次の通りです。
なお、5月以降の暖かい時期であれば、直接花壇の土やプランターの土に直まきしても発芽します。その場合は3〜4粒まとめて重ならない程度に種まきをして、20cm間隔で何箇所かに種まきしましょう。
センニチコウの苗を植える時期は、5月〜8月頃が適期です。
夏の暑い時期でも植えられますが、梅雨時期や台風シーズンなどは避けましょう。
センニチコウは水捌けと通気性のいい土を好みます。
プランターなどで育てる場合は、市販の草花用培養土を用意してください。自分で配合する場合は、赤玉土小粒6:腐葉土3:川砂1に、緩効性肥料を加えて使いましょう。
地植えの場合は、植え付ける前に堆肥や腐葉土をよく混ぜ込んでおきます。水はけを良くするため、レイズドベッドなどをつくったり、植え込み部分の土の高さをあげる盛り土にするのも効果的です。
センニチコウはどんどん分岐して広がるので、4〜5号のプランターにポット苗1つ分が目安です。セルトレイで育苗した場合は3〜4本をまとめて植えましょう。
地植えの場合は15〜20cmほどの間隔を開けて植えてください。
センニチコウを花と一緒に寄せ植えする場合は、草丈の高い順に植え付けると、風通しと日当たりを良く保てます。ただし、センニチコウは乾燥した環境が好きなので、水が好きな植物と混植しないよう気をつけましょう。
センニチコウはとても乾燥に強いため、逆に水やりし過ぎると根腐れの原因にもなります。発芽するまでは乾燥させずに水やりをしますが、発芽後はは乾かし気味に育てるのがコツです。
センニチコウを鉢植えしている場合は、表面の土が乾いたら水やりしてください。地植えの場合は、しっかりと根付いたら真夏以外は水やりの必要はほとんどありません。
センニチコウへの追肥として、5月から11月の間に月に一度、緩効性化成肥料を施してください。
液肥で施す場合は、7〜10日に1回、水やりの代わりに与えましょう。液肥のほうが花の状態を見ながらコントロールできるメリットもあります。
この時期は固形肥料と液肥を併用するのもいいでしょう。
センニチコウは6〜10月の間に定期的に切り戻しをすることで、よく花をつけるようになりますし、花の高さがそろってより美しく見えます。を切り戻しするときは、晴れた日の午前中に行いましょう。
切り戻しをするときは、双対に生えた葉の上1〜2cmの位置で主茎のみ剪定します。葉の付け根から横に伸びる脇芽は残しておきましょう。
また、咲き終わった花は種を採取しないのであれば、早めに摘んでおくと、脇芽からどんどんと開花していきます。
センニチコウを深植えし過ぎたり、長期間にわたって加湿状態が続くと「立枯病」が発生することがあります。植え付けは浅く、支柱を立てて支え、乾かし気味に管理しましょう。
もしも生育中に立枯病が発生した場合、病原菌は土壌で繁殖するので株を抜いて処分し、殺菌剤を規定の濃度に希釈して散布します。
高温多湿の梅雨時は「ナメクジ」に注意が必要です。とくに小さい苗のうちはナメクジ被害はダメージが大きく深刻です。夜行性なので見つけにくいのですが、葉の裏に白く筋がついていたらナメクジが這った痕跡です。
見つけ次第、すぐに見つけて補殺しましょう。ばら撒きタイプの駆除剤を置いたり、コーヒー殻を撒いたりしても効果があるそうです。
また、高温乾燥が続くと「ハダニ」がつくことがあります。夏期に雨がしばらく降らない場合、水やりの時に葉裏に水をかけて予防しましょう。
センニチコウは、基本的に種まきで増やします。
センニチコウの花から種を取るときは、花がらを摘まずに、花序全体が茶色っぽく色褪せるまで待ちましょう。茶色く枯れたセンニチコウを切り取って、花序部分を生え上がる方向と逆方向に指でしごくように苞を取っていきます。
センニチコウの種はこの苞の中に入っています。苞をはいで種を取り出した方が発芽率は上がりますが、この写真のような状態のまままいても発芽しますし、ひとつの花から大量に種が採取できるので、心配であれば多めに種まきすればいいでしょう。
採取した種は紙袋にいれて、翌年の春まで冷蔵庫で保管してください。
センニチコウ自体はとても丈夫な植物で、一年草として屋外なら越冬できずに枯れていきますが、こぼれ種で自然ともとあった場所に生えることがあります。
枯れたからといって諦めずに、4〜5月の発芽する時期に適度に水やりをしておくといいでしょう。
日本の夏の暑さにも強いセンニチコウは、もともとお盆時期の仏花として伝わりました。切り花にして仏壇に飾っているのを見たことがある方も多いと思います。
最近ではセンニチコウのドライフラワーをリースにしたり、ポプリとして楽しんだりする方も増えています。ドライフラワーにしても尚且つ鮮やかな色を保つ、不思議な「苞」の美しさをぜひ鑑賞してみてくださいね。
藤原正昭
GreenSnap編集部