warning
error
success
information
バラ科リンゴ属に属するヒメリンゴ。春には白または薄いピンクの花を咲かせ、秋にはその名の通り小さなかわいい赤い実をつけます。ただし、その実は一般的なリンゴに比べ味が落ちるため、果樹酒やジャムなど加工しないと食べにくいです。かわいい花と実を目で楽しむ観賞用として人気があります。今回は、ヒメリンゴの育て方をご紹介します。
ヒメリンゴを育てる上で最も重要なのは日当たりです。日当たりのよい場所を選びましょう。ただ、夏の強い日差しや西日は避けたいので、夏場は少し落葉樹の陰になるような場所がおすすめです。
鉢植えなら移動して、夏の強い日差しや西日を避けましょう。
また、蒸れると病気にかかりやすくなってしまうため、風通しと水はけがよい点も考慮してください。寒さには比較的強いです。
ヒメリンゴは病気に弱いため過湿を嫌います。過湿は病気を誘いますので気をつけてください。乾燥気味に育てましょう。かといって水切れもよくありません。土が乾いていたらたっぷり水やりするように心がけてください。
地植えの場合は、特に水やりする必要はありません。雨が降らない日が続き、土が乾いていたら、たっぷり水やりしてください。
鉢植えの場合は、土が乾いたら、たっぷり水やりします。
元肥として有機の固形肥料を与えます。春(4月~5月頃)と秋(9月~10月頃)に追肥として暖効性の化成肥料を与えましょう。
水はけ、水もちのよい土が適しています。赤玉土小粒7~8に対し腐葉土3~2の割合で配合します。面倒なら、市販の果樹用培養土を使うと便利です。
うどんこ病:葉や茎の表面にうどん粉をまぶしたように見えるが、実は白いかびの一種です。
褐斑病:はじめに褐色の斑点ができ、だんだん同心円状に斑点が広がり、さらに進むと斑点の上に黒い粒々が出て、やがて下葉から枯れてしまいます。
黒星病:葉に黒いシミのような斑紋ができ、やがて落葉し、株の勢いが衰えます。過湿な梅雨時期に多発する病気です。
病気に感染した部位は早めに取り除き、園芸用の殺菌剤を噴霧しておきましょう。
アブラムシ:植物の汁液を吸います。繁殖力が強く、群れをなして寄生するので、被害が広がってしまいます。また、ウイルス病を媒介する間接被害にも注意が必要です。
シンクイムシ:実の中に入りこみ食ベてしまいます。
キンモンホソガ:幼虫が葉に侵入し、葉肉を食べてしまいます。
カイガラムシ:葉や茎、枝などに寄生し、汁液を吸います。また、排泄物などにより病気を誘発することもあるので注意が必要です。
害虫は見つけたら、すぐに駆除してください。数が多い場合は、園芸用の殺虫剤を噴霧しましょう。
また、病気、害虫共に予防するなら、予め殺虫殺菌剤を定期的に噴霧しておくことをおすすめします。
植え付け・植え替え共に、梅雨時と真冬を除いた時期ならいつでも大丈夫です。具体的には、9月~11月か3月下旬~6月上旬になります。
深さ60cm位の穴を掘り、掘り出した土に腐葉土か堆肥を2~3割程加えて半分穴に戻し、苗を入れてもう半分の土を戻します。支柱を立てて支えてあげましょう。水やりをたっぷりして完了です。
鉢の底に鉢底石を敷き、容器の1/3程度市販の果樹用培養土を入れます。根に付いた土を崩さず、鉢の真ん中に苗を置いたら、周りに土を入れて苗を安定させてください。水やりをたっぷりして完了です。
植え替えのタイミングは、2~3年を目安に根のまわり具合を確認し、ワンサイズ大きな鉢に植え替えます。
ヒメリンゴは挿し木で増やします。切り口がキレイになるよう枝を切り、発根促進剤を入れた水にしばらく浸けた後、土に挿します。あらかじめ割りばしなどで土に穴を開けておきましょう。
また、花芽があると栄養が花芽に取られるので、花芽は取り除いてください。
ヒメリンゴの木は、2月~3月頃に剪定します。花芽は短く充実した枝に付くため、短い枝や下枝はそのままにし、上部の勢いがよい枝は短めに切り詰めます。不要な枯れ枝や花がつかない徒長枝も剪定しましょう。
また、風通しをよくするため、5月~6月頃に徒長枝を先だけ切るか、見栄えの良い長さまで切り詰めます。
ヒメリンゴの実は、9月~11月頃に収穫します。実がピンポン玉位の大きさに育ったら収穫しましょう。そのままでは美味しくないので、果樹酒やジャムなどに加工してお召し上がりください。
ヒメリンゴの花言葉には、「誘惑」「選ばれた恋」、「名声」「永久の幸せ」、「後悔」などの意味があります。
今回は、ヒメリンゴの育て方や増やし方、剪定の仕方などについてご紹介しました。病害虫に気をつけなければいけないことや、剪定しなければいけないなど、注意することやお手入れもありますが、かわいい花と実で目を楽しませてくれるヒメリンゴは魅力ある果樹の一つです。
収穫した実は果樹酒やジャムにして食べられる実用性も持ち合わせているので、さらに楽しみが広がります。
ぜひ、チャレンジしてみてくださいね。
※トップ画像はトユタさん@GreenSnap
GreenSnap編集部