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カスミソウは花弁が小さく、単体ではあまり目立ちませんが、ほかの大きな花とともに花束にすると、全体的に華やかな印象を与えます。
今回はそんな名脇役・カスミソウの育て方についてご紹介します。
カスミソウは高温多湿な環境を好みません。したがって、夏場などに日向に放置しておくのはよくありません。涼しい日陰へ移動させるか、何かで日陰を作るなどして植えるようにしましょう。
またカスミソウは、一日に12時間以上は日の光を浴びないと、花が咲かないので、長日植物と呼ばれる種類に分類されます。太陽に当たる時間が少なければ、花を咲かせなくなってしまうのでご注意ください。
カスミソウは、気温が高くなりすぎず、かつ日当たりのいい明るい日陰などで栽培するのがいいでしょう。
気温が上がりやすい夏場や梅雨などは、湿気を嫌うカスミソウには苦手の時期です。屋外に放置しないようにしましょう。
また、カスミソウは寒さに強いので、冬場に防寒対策を施す必要はありません。しかし霜が降りると根元が傷ついてしまうので、霜の降りるような地域では、根元に腐葉土などをまいて、寒さに備えましょう。
カスミソウは乾いた環境を好みます。したがって、頻繁に水をあげる必要はありません。プランターや鉢植えで育てる場合は、月に数回でよいでしょう。むしろ過湿に弱いので、水をあげるときは土が完全に乾いてからあげるようにしましょう。
お庭で地植えしている場合には、水やりの必要はありません。自然の雨で大丈夫です。
冬場も夏場と同様に、月に数回に止めておきましょう。
カスミソウを育てるときは、肥料はあまり必要としません。むしろ痩せている土の方がよいといえます。
もし肥料を使用する場合は、元肥としてゆっくり効くタイプの肥料を混ぜ込んだら、春と秋に1回ずつ、同じタイプの肥料を追肥します。このとき、過剰に追肥しないように注意しましょう。
プランターや鉢植えでカスミソウを育てる場合は、加えて液体肥料を混ぜるとよいでしょう。ただし、窒素成分が多いと、カスミソウの生長を阻害してしまう可能性があります。窒素やカリウム、リン酸などが同程度複合されている肥料を選ぶようにしてください。
カスミソウは水分や湿気を好まない植物なので、水はけのよい土が栽培に適しています。市販の花や野菜の土で問題ありません。
カスミソウの植え付け時期は2月から3月、秋は9月から10月頃で、それまでに植え付けをするようにしましょう。土地としては水はけや風通しがよく、あまり湿っていないところがよいです。
そして、一度植えたら、最後まで植え替えはしないようにしましょう。カスミソウは移植を嫌いますので、予めまわりの環境を見て、計画的に植え付けをしましょう。
カスミソウの増やし方には「種まき」と「挿し芽」という方法があります。
種まき時期は、秋頃です。プランターや鉢植えにバーミキュライトなどを入れて、4粒から5粒程のたねを、一緒に3センチほど間隔を空けてまきます。
芽が出たら健康な芽だけを残して、あとは間引いてしまいましょう。
挿し芽を用いる場合は、3月の終盤から5月の中頃に。もしくは9月から10月までの秋口に行うようにしましょう。
健康なカスミソウの新芽を30〜51センチ程入り取り、バーミキュライトを入れた挿し床に、新芽を挿し込みます。
外部からのばい菌が茎の中に入るといけないので、新芽は除菌しているはさみなどで切るようにしましょう。
カスミソウの花を咲かせるため、なるべく一日に12時間以上は日光に当てましょう。ただし、高温な日向で管理し続けると、株が弱ってすぐに枯れてしまいます。そのため、日の当たる涼しい日陰などで育てるようにしましょう。
カスミソウは耐寒性はありますが、霜が降りると株を痛める原因になります。そういった地域では腐葉土をまくなどして、防寒対策を施しましょう。
気温が高く湿気の多い環境では、ハダニやアブラムシを発生させる要因になります。特に湿気が多い、夏場は注意しましょう。定期的に葉の裏を見て、害虫がついていたら取り除いてあげましょう。
また、霧吹きなどで水を噴霧すると、害虫予防になります。ただしやりすぎると、根が傷むので注意が必要です。
また、高温多湿な環境は、カスミソウを立ち枯れ病や菌核病にかかりやすくする原因にもなります。立ち枯れ病などを予防するために、カスミソウは常に乾いた日なたなどで管理するようにしましょう。
万が一、病気にかかってしまってときは病原菌の感染を防ぐために、病気にかかった株は取り除いて、焼却処分をしてしまってください。殺菌剤をまいておくことも、病気の予防に効果を発揮します。
カスミソウの中で最もポピュラーな品種は、「エレガンス種」です。
日本には、大正時代に持ち込まれました。茎の長さは20〜50センチ程度で、細かく枝分かれしています。小さな花弁が、株全体を覆うように咲きます。
エレガンス種のほかにも、「宿根カスミソウ」という呼び名で流通している「パニクラータ種」という種類があります。これはエレガンス種よりも以前、明治初期に日本に伝来した品種です。
開花の時期を操作する技術が発達していない現代において、パニクラータ種は、切り花用として広く流通しています。
またそのほかの品種に、全長15センチから30センチほどで、ピンク色や白い花を咲かせる「ムラリス」や、ヒマラヤ原産の高原地帯にしか咲かない「オノエマンマテ」などがあります。
「オノエマンマテ」はエレガンス種よりも花が大きく、一面のじゅうたんのように咲き誇る様子から、「カーペットカスミソウ」とも呼ばれています。
カスミソウの花は、全長20センチ〜50センチ程の茎の先が枝分かれして、その先端に花をつける植物です。
花の色は白かピンクです。一輪は小さい花ながらも、一ヶ所で群生するのでたくさん咲いているように見え、実に華やかです。
また、15センチ〜30センチほど生長するムラリスも同様の花を咲かせます。
カスミソウの一種で高原植物のオノエマンマテは、花の直径がカスミソウよりも大きく、中央に赤いラインの入った白い花を咲かせます。
カスミソウの匂いは、トイレや汗、加齢臭などに例えられることが多いほど、独特な臭気を放っています。カスミソウが含有している、メチル酢酸という脂肪酸が原因です。このメチル酢酸を分泌することで、カスミソウは独特の匂いを醸し出しているのです。
お庭で大量にカスミソウを育てる場合は、匂いに注意しましょう。
近年では、このメチル酢酸の分泌を抑えた品種や、臭いを抑える植物用のトリートメントなどの開発が進んでいます。
カスミソウの花言葉は、白いカスミソウと、ピンク色のカスミソウによって意味が異なります。
ピンク色のカスミソウの花言葉は「切なる願い」や「感激」という意味、白いカスミソウの花言葉は「清らかな心」「無邪気」「親切」「夢心地」「幸福」「感謝」という意味があります。西洋では、これに加えて、「永遠の愛」「純潔」なども意味もあったりします。
卒業式や冠婚葬祭などの、祝いの場やおごそかな場面でカスミソウが用いられるのは、純白のカスミソウに、巣立つ生徒や新しい門出に立った夫婦、先立つ人を表すようなイメージがあるからです。「感謝」や「幸福」は、そういった場面に起用されることが多いことからついた花言葉です。
どの花言葉でも、人に恩情や敬意を込めて贈るというところから意味がきていることには変わりありません。
今回は卒業式や結婚式などに用いる贈答用の花束で名脇役として大活躍する、カスミソウについてご紹介しました。
カスミソウは「メチル酢酸」という脂肪酸による独特の臭いが特徴的な植物ですが、近年ではこのメチル酢酸の分泌を抑制し、臭いがあまりしない品種も開発されています。
春は出会いと別れの季節です。送別会や卒業式、はたまた結婚記念日や大事なプロポーズの場面。
大切なあの人のために選んだ花と一緒に、カスミソウを添えてあげてみてください。
きっとそのカスミソウが、あなたの感謝の気持ちを何倍にも表現してくれることでしょう。
また白い花は邪念や、悪い心を取り払うと言われているので、お祝いだけでなく風水にも取り入れてみると、夫婦喧嘩や兄弟喧嘩が減って、家庭円満にも繋がることでしょう。
GreenSnap編集部