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クルクマは、カレー粉のターメリックや、黃染料として使われたり、二日酔い覚ましに欠かせないウコンの親戚にあたる、観賞を目的で栽培される種類の植物です。
美しい紫寄りのピンク色の花を咲かせるクルクマの魅力に迫り、自宅での育て方を見てみましょう。
クルクマはインドや熱帯アジアに生息する、高温多湿を好む植物です。そのため、日光を好みます。
クルクマを育てるときは、日当り良好な場所や、一日のうちでも朝から日中にかけて、温かな光が差し込んでくる、半日陰のような場所で育てましょう。日光によく当たると花つきがよくなり、葉姿もきゅっと締まったものになりますよ。
間延びしないよう、コンパクトで引き締まったクルクマにしたいなら、十分日光には当てるべきです。
クルクマを鉢植えするなら、野外か日の差し込むベランダや明るい窓際に置きましょう。地植えならばポカポカと気持ちのいい、暖かなひなたが入る場所がベストです。
暑さに耐性があるので、夏場の暑い時期でも気にせず外に出しておけます。夏越しにはそれほど気を配らなくても大丈夫でしょう。気をつけるべきは冬越しです。
クルクマの夏場の水やりは、土が乾いたら鉢底からあふれるぐらいたっぷりあげます。
生育期はとくに水切れを嫌うので、毎日あげてもいいぐらいです。日によっては朝あげて、夕方にもう一度あげてよいでしょう。庭植えや地植えの場合も、土が乾いてからあげることを基本にします。
梅雨の時期は、根が腐りやすくなるので、長雨にさらさないようにしてください。
クルクマは冬の間すでに地上部は花が咲き終わって枯れ、根茎のみが地中に埋まっている状態になります。そのため、冬の水やりは必要ありません。
クルクマは多くの栄養分を必要とします。
そのため、クルクマが発芽する夏場の時期は、多めに追肥しましょう。また、生育期である夏から秋にかけて肥料が不足すると、花つきや本数が格段と減ってしまうので、元肥として緩効性の大粒の肥料を混ぜておきましょう。
クルクマの生育が活発な7月から10月までは、月に2〜3回の割合で速効性の液体肥料を与えます。
クルクマを育てるときは、一般的にネットやホームセンターで市販されている、観葉植物の培養土を盛ります。
水はけと水持ちがよいものにするため、赤玉土、腐葉土、ピートモスなど有機物が多く含まれた土を混ぜてつかってもよいでしょう。割合は4:3:3の比率にし、ピートモスは元肥としても、クルクマには適しています。
一株につき、緩効性の化成肥料を土に混ぜておきます。前述の通り、多くの肥料を必要とするので、多少やりすぎても問題ありません。
クルクマは球根植物ですので、花が枯れても球根が地中に残ります。クルクマは、直径3センチほどの球根から四方に根を生やし、その先端に養分を貯蔵できる「ミルクタンク」と呼ばれる、小さな球根をたくさんつけます。
クルクマは寒さにはとても弱いので、地植えしたならば、冬に入る前に球根を掘り起こさなければなりません。
クルクマの根茎を地中に植えっぱなしにすると、芽を出さずに翌年に枯れてしまう場合があります。
クルクマは一年で花を咲かせて散るので、植え替える必要はありません。
秋までに花が散ったあとの球根を掘り上げ、冬は保温に気をつけて越冬させ、春から初夏にかけて、また球根を植え付けて循環させます。
5月の中旬から梅雨の時期までが、クルクマの植え付けに適正な時期です。
縦に長く大きめの球根になるので、てっぺんの発芽体が地中から5センチぐらいのところにくるよう調整すると、倍の20センチほどの穴をあらかじめ掘ります。越冬させた球根を埋めたら、1ヶ月ほどで発芽します。
秋までに、早めに花を咲かせたいのであれば、ペットボトルの底を切り取ったものを球根の上にかぶせ、簡易の保温装置をつくってみてもいいでしょう。
温度が高ければ、それだけ早く発芽します。高温処理といって、大体20℃から30℃の気温に一ヶ月さらすことで、発芽が適切な時期になされます。
高温処理をしないとだめという訳ではありませんが、寒い時期に入る前にまた球根の掘り上げをしたいので、余裕があればやってあげるといいでしょう。発芽してからは、水やりをたっぷりあたえてください。乾燥させないように心がけましょう。
クルクマは寒さに弱いため、冬越しするためには根茎をバーキュライトなどを入れたほかの予備鉢に植え替えて、暖かな室内に移動される必要があります。そうすることで、来年も美しい花を観賞でき、数を増やすことも可能になります。
クルクマの球根を掘り起こすのが面倒であれば、そのままでもかまいませんが、土の中でも10℃を切らないように気温は保たせましょう。避難させた球根は、常に温かい室内で置いておくと、春が過ぎたころにまた植えることができます。
クルクマの効率の良い増やし方は、冬が訪れる前の株上げした際に、何個か「分珠」することです。
上手に育てていると、1個の株から3〜4個ほどの子球根まで増えます。切り取って植えれば、数を増やせます。このとき間違って、ミルクタンクと呼ばれる、栄養貯蔵庫の丸っこい部分は切らないように注意しましょう。
根の先端についた丸っこい部分は、クルクマの養分貯蔵体と呼ばれる大事なところです。根のつながった発芽体の部分から株分けして、春の時期に親元となった球根と一緒に植えると、数が倍増していきます。
クルクマを育てるうえで、病気や害虫の心配は特にありません。
もしもクルクマの様子がおかしく、葉の色が茶かかって元気がなくなってきたら、害虫や病気よりも育て方に問題があるかもしれません。
根本にコバエが多く発生していたり、腐った匂いがすると、病気よりも根腐れをおこしている可能性が高くなります。
クルクマは、冬の根茎は室温が10℃以上ある室内で管理します。あまりに寒い地方だと、根茎を避難させた鉢ごと凍ってしまうこともあるので、室内や冷たい空気が入ってくる窓際や玄関口で管理することは避けましょう。
クルクマ開花すると、14日ほど咲き続きます。
クルクマは、初夏から秋口にかけて開花し、茎の先端に松明を思わすトーチ型の花を咲かせます。花色はハスのように白いものから、紫寄りのピンク、紫と美しく咲き乱れます。
ただしこの花のような部分は、実は花ではなく、つぼみを包んでいた花弁であり、実際の花は、その花弁の奥で小さく咲いています。覗き込んでみると、青紫や黄色と、外の花弁とは違った色の花を咲かせています。
クルクマは、「乙女の香り」や「因縁」という、ちょっと変わった花言葉を持ちます。
因縁をつけられるという言葉があるように、後者の意味は、あまり良い印象を受けませんね。
また、クルクマの全体的な花言葉には「あなたの姿に酔いしれる」という意味もあります。これは、ハスに似た花を咲かせることから由来となります。
今回はウコンの親戚であるクルクマの魅力と、その育て方を紹介しました。
生薬や食用だけにとどまらず、観賞用としても評価の高いクルクマは、美しいハスのような花を咲かせます。
しかし、花と思っていた部分は花ではなく、内側に小さな花を咲かせる姿から、忍耐という花言葉が生まれ、見た目のギャップに驚かされます。球根の植え替えなど大変ですが、ぜひともそだててみましょう。
GreenSnap編集部