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ヤブコウジは、日本や東アジアを原産とするサクラソウ科のヤブコウジ属に分類される植物です。濃い緑色の葉と赤い実とのコントラストが印象的です。主にグランドカバーとしてや、お正月飾りとして古くから使われてきました。ここでは、そんなヤブコウジの育て方について解説します。
ヤブコウジは本来、日当たりがあまり良くない林床に生える陰樹ですので、強すぎる直射日光や乾燥にはとても弱い性質を持っています。
直射日光に当ててしまうと葉の部分が葉焼けを起こしてしまって、赤紫色へと変色し、そのうち茶色くなって枯れていってしまいます。
そのため庭に地植えして育てる場合には、ひどく乾燥していない水はけが適度に良い半日陰や日陰で育ててあげるのが適しています。
ヤブコウジを屋外で鉢植えにして育てる場合には、5〜9月頃までは日陰で、4月と10月に関しては半日陰で、11〜3月頃までは風通しが良い日なたで育ててあげるようにします。
日陰の環境には強い性質がありますが、赤い実も楽しみたいという方は、ある程度の日差しも必要です。あまりにも日が当たらない薄暗いところで育ててしまうと、花つきが悪くなり、結果的に実つきも悪くなってしまいますので注意しましょう。
ヤブコウジの栽培は、鉢植えや庭に地植えするのが適しています。山の林内などに自生している植物のため、日差しが強い場所は避けてあげるようにすることが基本です。
赤い実も楽しみたい場合には、ある程度は日光に当ててあげる事も必要になってきます。過度に暗い場所で育ててしまうと、実や花が咲かないということになったり、緑色の葉とのコントラストを楽しむ事ができなくなります。
半日陰や明るい日陰に鉢植えにして置いたり、庭に地植えしてあげるのが、ヤブコウジを育てる環境としては一番適しています。
ヤブコウジは、少し湿り気を含んでいる土壌が好きです。また、乾燥を嫌う性質をもつため、鉢植えで育てる場合には、土の表面を見て乾いていたら十分な水やりを行うようにして下さい。ひどく乾燥させることがないように気をつけましょう。
庭に地植えして育てる場合には、基本的には降雨任せにするので大丈夫です。ただし、あまりにも乾燥しやすい時期や、夏場に日照りが何日も続いてしまうようなときには、水やりをしてあげましょう。
庭に地植えするときには、適湿地を選んで植え付けるようにすると、その後の水やりの手間が軽減されるのでおすすめです。
ヤブコウジは、晩秋から冬の寒い時期にかけて赤い実をつけます。また、葉も一年を通して鑑賞することができます。そのため、冬の時期であっても休眠期ではないので、水やりは必要となります。
基本的には夏場の水やりと同様ですが、冬は根っこからの水分の吸収率や蒸発量は控えめになっているので、夏場よりは少な目に行う程度で大丈夫です。
ヤブコウジは全く肥料を与えなくても、枯れてしまうことはほぼありません。ただし、赤い実の実つき具合に関しては、肥料をあげた方が良いといえますので、できれば肥料をあげてあげましょう。
ヤブコウジに肥料を与えるときは、年2回(2月と7月の時期)、油かすの中に骨粉を混ぜたものを株元部分に軽めに混ぜ込むようにして下さい。もしくは緩効性の肥料でもOKです。肥料は多肥にしなくて大丈夫なので、少なめにしましょう。
鉢植えで育てる場合には、液体肥料でOKですので、2週間に1回を目安として与えてあげます。
ヤブコウジを育てるさいは、それほど用土を選ばないのですが、根腐れを起こしてしまうことがあるため、水はけが良い土作りを念頭に入れておくことが大切になります。
土を自作する場合には、「赤玉土3:腐葉土1」か、「鹿沼土2:軽石1」の割合で配合してつくった土が適しています。
ヤブコウジを庭に地植えする場合には、じめじめする場所は避けて、腐葉土などの有機質が豊富に含まれた土壌を選ぶ必要があります。とはいえ、乾燥し過ぎる場所も嫌う性質がありますので気をつけるようにして下さい。
一般的には用土の中に腐葉土を多めに混ぜて、水持ちを良くさせるようにしますが、腐葉土が多過ぎても土がジメジメとし過ぎてしまうため、その分量には特に注意が必要です。
ヤブコウジは野生種に関しては、種まきで増やすことができます。
種まき時期は9月下旬〜12月頃が適期となっています。やり方ですが、熟した果実を収穫したあと、水洗いをしてよく果肉部分を落とします。種だけを赤玉土(小粒サイズ)などの中へ蒔いて下さい。
種まきをした鉢は、屋外に置いて乾燥させないように注意して管理をすれば、翌年の春頃には発芽してきますので気長に待つようにしましょう。
ヤブコウジの植え付けを行う場合には、新芽が伸びてくる前の2〜4月頃、もしくは季節的に涼しくなる9〜11月頃の時期を見計らって行います。これら以外の時期でも可能ですが、必ず新芽が伸びている時期だけは行わないように注意しましょう。
植え付け時期があまりにも暑かったり寒かったりする季節だと、上手くいかない場合もありますので慎重に植え付けるようにしましょう。
なお、ヤブコウジの植え付けを行うときには、腐葉土やピートモスを事前にすき込んで水はけが良い土の中へ植えるようにして下さい。
植え替え時期の目安としては、数年に1回程度で良いでしょう。
またヤブコウジは地下茎を拡大して株を増やしていく性質があるので、鉢植えの場合では、根鉢を崩したあとに、葉っぱがでていない古い株については切り離してから、同じサイズの鉢の中に植え替えるようにします。
古い株は別の鉢に植え替えればまた新芽が伸びてきます。もし大株にして育てたいというような場合には、今よりも一回りサイズの大きな平鉢などの中へ植え替えるようにして下さい。
ヤブコウジは、剪定や仕立ては殆ど行う必要がありません。しかし、伸びすぎている枝の先端部分を剪定するようにすると、枝が増えるのでよく葉っぱも茂るだけでなく、その丈も低く抑える事ができますのでおすすめです。
ヤブコウジの増やし方は、「挿し木」と「種まき」、「株分け」が一般的です。
斑入り品種のヤブコウジに関しては、結実しにくい特徴を持っているため、挿し木で増やす方法が適しています。
挿し木の時期は3〜6月頃で、剪定したときの枝を利用して行うことが可能です。
まず、3cmくらいの長さになるように枝をカットします。そしてそれを、鹿沼土(小粒サイズ)や赤玉土( 小粒サイズ) 、挿し木専用の土を使って挿して下さい。挿したあとは、日陰でかつ風が当たらないような場所で、水切れに注意しながら管理をするようにします。
ヤブコウジは地下茎を伸ばしていって増えていく性質がありますので、その地下茎を切り分けると、株分けすることができます。株分けは、植え替えを行うタイミングで行うようにすると良いでしょう。
ヤブコウジは病気に関しては強い性質を持っていますので、殆ど心配する必要はありません。
しかし害虫については、ハマキムシやアブラムシ、カイガラムシの発生に注意が必要です。
ハマキムシというのは、数枚の葉っぱをつづり合わせたり、葉を巻いたりして食い荒らしてしまう害虫です。アブラムシとカイガラムシは、植物から大切な栄養分を吸い取ってしまう害虫です。
どの害虫も、特に春〜秋頃にかけて発生しやすいため、よく観察して早めに対処を行うようにします。
アブラムシやハマキムシに関しては、薬剤散布による駆除が効果的です。しかしカイガラムシは、薬剤が効きにくいという特徴があるため、まだ発生がごく少ない時期に、歯ブラシを使って丁寧にこすり落として駆除して下さい。
ヤブコウジは元々が、山野の林の中などに自生をしている陰樹の性質を持つ低木性の樹木であるため、強い直射日光を嫌う性質があります。そのため、明るい日陰や半日陰になる場所で管理して育ててあげるのが最適です。
しかしあまりにも暗すぎる場所で管理をしてしまうと、赤い実の付き方が悪くなってしまうため、適度な日差しも必要にはなってきます。
また乾燥した土壌よりも、少し湿り気がある土壌の方が向いています。しかし水はけが良い事が絶対条件となりますので、常にジメジメしてしまうような土壌は根腐れを引き起こしやすくかえって良くありませんので注意が必要です。
また冬場は、鉢が凍ってしまわないような場所に移動した方が良いでしょう。弱い日差しの下でも育てる事はできるので、室内で鉢植えにして育てる場合には、窓際などの明るい場所でなら大丈夫です。
ヤブコウジは毎年夏頃になると、白色もしくは薄いピンク色の可愛らしい小さな花を下向きに咲かせます。
ヤブコウジの花言葉には、「明日への幸福」という意味があります。
日本人に古くから親しまれ愛されてきたヤブコウジの育て方について今回はご紹介してきました。
低い位置で茂って生長するため、庭のグランドカバーにもとてもおすすめです。
緑色の葉っぱと、赤い実の対比がとても綺麗で、初心者にもあまり手間が掛からないため育てやすい植物です。
ぜひ一度、ヤブコウジをお庭で育ててみて下さい。
GreenSnap編集部