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クリンソウは、日本の北海道から本州、四国の山間地帯に分布しているサクラソウ科のサクラソウ属に分類される多年草です。湿った環境を好む性質があるので、山の川辺や渓谷の湿地などにも自生しています。
そんなクリンソウの育て方について見ていきましょう。
クリンソウは、秋〜春頃の時期については、お日様の光がよく当たるようにして育ててあげます。
ただし、クリンソウは日本の夏に代表されるような高温多湿の環境には弱いという性質を持っているため、夏の暑さは苦手です。また、元々が山地の湿気の多いところで自生することから考えてもわかるように、乾燥にも弱いです。
真夏の時期には、涼しい日陰となる広葉樹の下などに地植えするのがおすすめです。鉢植えで育てる場合でも同様です。
4〜6月頃までの花が咲いている時期には、日当たりが良い場所で管理してあげる必要はあるのですが、花が咲き終わった後では、直射日光が当たらない明るい日陰で管理するのが適しています。
特に西日は、暑いというだけではなく、土を想像以上に乾燥させてしまうので要注意です。
クリンソウを庭に地植えをする場合には、排水性が良い池の縁や、夏場の暑くて乾燥を助長してしまう西日を避けられる場所で育ててあげるのが最適です。
池の縁などは適度に湿り気がある場所ですので、そういった場所に植えてあげるようにすると、自然繁殖しやすくなり群生を作るようになりやすいです。
基本的には日当たりが良い場所で育ててあげればOKですが、夏場の暑さには弱いため、明るい日陰となる場所での管理が向いています。暑い上に乾燥しやすい場所よりも、適度に湿り気のある場所の方が元気に生長してくれます。
しかし耐寒性は非常に高く強いので、冬の防寒対策については特に必要がないくらいです。
クリンソウは山地の川辺のような湿地によく自生していることからもわかるように、乾燥を苦手とします。そのため、夏場の暑い時期には、土の表面が乾いている場合には、忘れずに水やりを行うようにしましょう。
水切れを起こして乾燥してしまうと、葉の部分が急速に萎れてしまったり、根っこが弱ってダメになりやすいです。水やりするときには、控えめにではなく、十分な量を与えてあげるようにする事がポイントです。
クリンソウは冬の時期には生長がストップして、いわゆる休眠期に入ります。
しかし全く水やりをしなくてもいいという訳ではありません。休眠期の冬であっても、極端な乾燥はNGとなります。そのため、土の表面をよく見て、乾いているようなら水やりを行います。
しかし夏場と比べると水の量は控えにして大丈夫です。葉の部分が萎れてしまっているようならば、水切れを起こしているサインとなります。そうなる前に早めに水やりをするようにしましょう。
冬の時期に、数日間家を空ける必要がある時などには、「腰水」という方法で管理を行ってもOKです。腰水というのは、鉢の下に受け皿を置いて水を貯めるようにし、底部分から水を吸水させる方法のことです。これですぐに水切れを起こす心配はかなり減りますよ。
クリンソウは肥料をそれほど多くは必要としない性質があります。
しかし、生育期間にあたる春〜秋頃までは、2週間に1回を目安として、液体肥料を原液のままではなく薄めてから与えるようにします。具体的には、3〜6月中旬頃と、9月下旬〜10月頃です。
元肥については特に施す必要というのはありません。しかし花期が終わった後には、花茎を切る程度の剪定は必要です。剪定後にも肥料を与えてあげる方が良いようです。
いずれにしても様子をよく観察して、必要に応じて肥料を与えるようにします。冬の時期は、地上部分はほぼ落葉してしまいますが、肥料を与えなかったからとか、死んでしまったわけではないので、心配はしなくて大丈夫です。
クリンソウを育てるときは、土質については神経質に考える必要はありません。とはいえ、水持ちと水はけ両方に優れた土が適しています。また、本来湿地によく生育していますので、乾燥しやすい土質はクリンソウには不向きです。その特性をよく覚えておくようにしましょう。
土を自作する場合には、「鹿沼土7:軽石砂あるいは日向土を3(いづれも小粒サイズ)」の割合で配合して作った土がおすすめです。
庭に地植えする場合でも、水持ちが良い場所を選ぶようにするか、その土壌がクリンソウにとって良くなるように、通常の土の他にも鹿沼土などを予め混ぜ込むようにして、保水力がUPするように改良します。
自作するのが面倒だという方は、園芸店などで売られている「山野草の培養土」を利用するのでもOKです。初心者にはこの方が手軽で便利だと思います。
クリンソウはできれば毎年、それが無理な場合でも最低2年に1回は植え替えを行った方が良いです。というのも、根っこ部分の生育が非常に旺盛なため、鉢植えで育てている場合には、鉢の中は根っこが張ってしまい一杯いっぱいになってしまうからです。
そうなってしまうと土の保水力が低下してしまい、水やりをきちんと行っても、水分の吸水力も悪くなってしまいます。その結果、すぐに水切れを起こすようになり枯れてしまうことになります。
クリンソウの植え替え時期は、新葉が出てくる直前である2〜3月頃が適期です。この時期を逃した場合には、休眠期に入ってしまう前の9月中旬〜10月中旬頃が良いでしょう。
またクリンソウの根茎というのは、上方向に向かって伸びてくる性質があるので、増し土をしてあげる必要も出てきます。クリンソウは種付けをするための用土がありますので、それを利用すると手軽で便利です。
クリンソウは、花の部分のみだけ見るととても可憐なように感じますが、見えない根っこ部分が、土の中でどんどん根を張りやすいため育てる上では注意をする必要があります。
クリンソウの種は、花が咲き終わった後の6〜7月頃にはできてきますので、それらを採取して種まきを行います。種は採取後、すぐに蒔くようにしましょう。種を保管して乾燥させてしまうと、発芽力がかなり低下してしまいます。
クリンソウの性質としては、一定期間の低温を経験しないと発芽することは決してないため、すぐに蒔いても発芽するのは翌年の春頃になります。気長に待つようにして下さい。
クリンソウは、「種まき」と「株分け」の2通りの方法で増やすことが一般的となっています。
種まきの場合は、6〜7月頃に種を採取できるようになるので、その時期すぐに蒔くようにして下さい。クリンソウの種は、一定期間の低温状態にさらされないと発芽することがない性質を持っているため、発芽をし出すのは翌年の春頃となります。
すぐに発芽をしないからといって、種まきを失敗したと勘違いしないようにして下さい。
クリンソウの種は採取後に保管して乾燥させてしまうと、発芽力がかなりの割合で低下することが知られていますので、その点はくれぐれも気をつけるようにしましょう。
クリンソウの場合は、種まきよりも楽な増やし方が株分けとなります。クリンソウの花には株自体の勢いというのがあります。植え替えを行う際に、株をよく見て増えている場合には、それを分ける事が可能です。
ただし綺麗にていねいに切り分ける必要があるため、ナイフなどで1株(芽)ずつ切り分けるのがおすすめです。株分けでは、それぞれに別の鉢を用意して植え付けてあげるようにします。乱暴に切り分けると失敗しやすいので特に注意を払うようにして下さい。
クリンソウは湿り気のある環境では元気に生長してくれますが、乾燥や夏の暑さには弱い性質がありますので、夏場の管理が生育の良し悪しを左右するポイントとなってきます。
そのため、水切れを起こさないように注意をして、夏場は直射日光が避けられる明るい日陰に置いて管理してあげるようにして下さい。西日は特に暑いだけでなく、土を極度に乾燥させてしまうため注意が必要となります。
寒さにはとても強い性質がありますので、特に防寒対策を施す必要はありません。生育期にあたる秋〜春頃までは、日当たりが良い場所で管理してOKです。
特にクリンソウの花期である4〜6月頃までは、日当たりが良い場所で育てることh非常に大切です。花期が終わったあとは、夏場と同様、直射日光が当たらない場所で管理するようにします。
クリンソウは、春以降の季節に、特にヨトウムシやアオムシなどの葉の部分を好んで食べ荒らしてしまう害虫が発生しやすいです。春以降になると葉がたくさん出てきますので、特に注意するようにして下さい。
薬剤を散布しても良いですし、アオムシなどは少し面倒かもしれませんが、箸などを使ってていねいに取り除くことで、ある程度までは予防することができます。
そのまま放置してしまうと、葉の形などの見た目が悪くなってしまいますし、株自体が弱る原因にもなってきます。
クリンソウの花は、一般的には濃い紅紫色をしています。しかし白やピンク色、絞り咲きなどの変種もあります。花はサクラソウに似ていてとても美しく可憐です。そのため、山野草としても人気があって、庭で栽培する方も多いです。
4〜6月頃にかけてがクリンソウのかいかじきです。この時期になると、株の中心部分から花茎をまっすぐに伸ばして、花茎を取り囲むようにして同じ高さの場所に数輪の花を咲かせますが、それが断層状となるのが特徴です。
草丈が大きなものだと90cmくらいになるため、サクラソウの中では最大級の部類となっています。
クリンソウの花言葉には、「幸福を重ねる」「物覚えのよさ」「物思い」「少年時代の希望」があります。いづれも可憐な花姿にピッタリな花言葉となっています。
今回は、日本が原産地であるクリンソウの育て方についてご紹介してきました。
可愛らしい小さな花がとても魅力的で人目を引きます。ポイントを押さえれば初心者にも比較的育てやすいのでおすすめです。
乾燥と水切れに注意して、暑い夏場は直射日光を避けてあげるようにして育ててあげて下さい。
冬場の水やりは、完全には乾燥させないようにする事がポイントです。
この記事を参考にしてぜひ一度チャレンジしてみて下さい。
takenaka