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花がカサカサとしていることで知られているハナカンザシ(花かんざし/花簪)は、冬から春にかけて寄せ植えなどで幅広く利用されている花です。
今回は、そんな花かんざしの育て方や増やし方をご説明します。
花かんざしは多年草ですが暑さに弱く、日本では夏越しが難しいため一年草として扱われています。しかし、花かんざしは育てたあとドライフラワーで楽しむことができ、魅力のひとつです。
花かんざしの種まき時期は、3月または9月下旬頃です。発芽温度は20〜25℃とされています。
霜が降りないような暖かい土地であれば、9月〜10月にかけて種まきをして、春に花を咲かせることができます。
冬に霜が降りるような寒い地域で育てる場合には、3月ごろに種まきするのがおすすめですが、霜除けができるのであれば団地と同じように9〜10月ごろに種まきしてもよいです。
花かんざし苗の植え付け時期は、2月下旬〜3月頃です。本来の開花時期は3〜5月なので、未開花苗の状態で販売されているか、まれに開花苗として出回ることもあります。
花かんざしは多湿には弱いので、日当たりがよく雨の当たらない場所で育てます。
梅雨時期には雨が続くことが多いので、地植えよりもプランターや鉢植えなどで雨を避けしながら育てるのがおすすめです。
花かんざしの用土は、水はけのよいアルカリ性〜中性の用土を好みます。
市販の草花用培養土でも育ちますが、山野草向け用土のほうが管理しやすいです。夏越しさせたい場合は、軽石や鹿沼土を主体にした用土を使用するとよいでしょう。
花かんざしの水やりは、土がしっかりと乾燥したら鉢底から水が溢れるくらいたっぷり水やりをします。
多湿に弱く、水やり頻度が多いと根腐れしてしまうので注意してください。鉢植えで育てている場合は、梅雨の時期は雨の当たらない場所で管理しましょう。
なお、水やりするときは花には水がかからないよう、口の細いじょうろや水さしで株元から優しく水やりしてください。
花かんざしはほとんど肥料を必要としない植物なので、基本的に必要はなく、培養土にもともと配合されている肥料成分で十分です。
開花期を伸ばしたいときには、開花時期の2〜4月頃に液肥を施すとよいです。
花かんざしで注意する病気は灰色かび病です。灰色かび病は、日照不足などによって起きる病気です。多湿が原因となっていることも多いので、できるだけ風通しを良くして蒸れにくいように心がけましょう。
注意する害虫は、植物の害虫として代表的なアブラムシです。葉水をしたりこすりとるか、専用の防除剤等を使用して予防と駆除を心がけましょう。
翌年も花かんざしの同じ株を育てたい場合は、花が咲き終わったあとに切り戻し剪定をしましょう。やり方は、地表から10〜15cmほど残してカットし、葉が残るようにしてください。
切り戻し剪定をすることでは脇芽が出て、もう一度花を咲きやすくなります。また、風通しがよくなり、高温多湿の対策にもなっています。
花かんざしの耐寒気温は-5℃ほどで、霜に当たると傷み、温室育ちの株は霜で枯れるケースもあります。冬は水やり頻度をより控えめにし、室内の日当たりのいい場所で育てましょう。
沖縄や九州などの温暖な地域であれば屋外で冬越しできますが、それほかの地域では冬は室内で管理するのがおすすめです。
花かんざしは寄せ植えにしてよく楽しまれる草花でもあります。
一般的に寄せ植えで鑑賞する場合には、花かんざしを一年草扱いをするケースが多いので、時期が来るとほぼ全てが枯れます。
ただし夏越しをさせて多年草として育てたいのであれば、4月下旬〜5月上旬ごろに寄せ植えを片付けて、草花用か山野草用培養土に植え付け、根を張らせておきましょう。
花かんざしの増やし方としては、種まきと挿し芽の2つがあります。
花かんざしの挿し芽時期は3〜5月です。大きな株や古い株ほど枯れるやすいので、挿し芽で小さな苗を作っておくとよいでしょう。
オーストラリア原産の可愛らしい植物として知られている花かんざしは、その生体的特徴を確認しながら育ててやらなければいけないデリケートな生き物です。特に日本の気候には四季があり、湿潤な気候なので花かんざしには適しているとはいえません。
初心者にはあまりおすすめできないやや難しい植物ですが、一生懸命手間ひまかけて育てた花かんざしが花を咲かせてくれたときには感動します。
大人しく可憐な花ですが、控えめなので、ほかのメインとなる花の邪魔をしないで上品に佇んでくれます。お正月の門出などの花として使用されている場合も多いです。
お家で育てるときは、地植えで水や湿度に注意しながら育てましょう。
GreenSnap編集部