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花がカサカサとしていることで知られているハナカンザシ(花かんざし/花簪)は、冬から春にかけて寄せ植えなどで幅広く利用されている花です。今回は、そんな花かんざしの育て方や増やし方をご説明します。
日光が大好きな花かんざしですが、多湿には弱いので、育てるときは日当たりがよく、雨の当たらない場所を選ぶようにしましょう。
花壇植えには向かないので、雨をしのげる上に移動しやすいプランターや鉢植えなどで育てるのがおすすめです。
育てる上では水がポイントとなる少し難しい植物なので、天気予報は毎日チェックしてこまめに場所を変えながら育ててあげると良いでしょう。
夏場は明るい日陰の風通しが良い場所で管理しましょう。家の軒下など、日光は当たっても雨には濡れないようにするのがポイントです。
耐寒性は一応ありますが、せいぜいマイナス2度程度までと思っておきましょう。真冬などで霜に当たると、枯れることは少ないですが傷みます。
また、温室育ちの場合の株は霜で枯れるケースもあります。水が苦手なので、冬場や冷える日は室内に移動させるのも良いでしょう。
多湿に弱いため、梅雨の時期などは特に注意して、土を確認しながら水やりをするようにしましょう。土の表面が乾燥していたら、たっぷりと水をやります。
鉢の底から滲み出るくらいたっぷりと水をあげましょう。
ただし水をやりすぎると、多湿が根腐れの原因になるので、からっと乾いているとき以外は水やりをしなくても大丈夫です。
冬場でも水やりの方法は基本的に同じです。土の表面が乾燥していたらたっぷりと水をやります。このとき、花に直接水がかかってしまうと、花が黒っぽくなってしまったり、枯れてしまうので、注意しながら土や葉っぱに水やりしましょう。
シャワータイプのホースなどは使用せず、口の細いじょうろや水挿しでそっと土や葉をめがけて優しく水やりしてやるのがポイントです。
株元を意識しながら、満遍なく水を注いであげましょう。これが花かんざしの水やりの最大のコツです。
花かんざしには肥料は必要ありません。ほとんど肥料を必要としない植物なので、追肥や液肥の準備は必要ないです。
寄せ植えなどでのちに使用する場合でも、培養土を使用していれば、最初から配合されている肥料でしっかり育つので、特別に用意しなくて良いです。
どうしても肥料を使いたいのであれば、開花時期の2月から4月頃までは液肥を施しても構いません。
開花を延ばしたい場合などに、液肥をサポートとして使用分には問題ありません。
花かんざしは水はけの良い用土を好みます。アルカリ性がベストですが、中性でも問題ありません。
低温期には草花用培養土を使用できます。しかし、山野草向け用土のほうが管理しやすいので、用土を新たに購入する場合はその点を考慮しておきましょう。
夏越しを考えている場合は、軽石や鹿沼土を主体にした用土を使用すると良いです。
寄せ植えをする場合は、他の草花でも使用できる花と野菜の土で寄せ植えができます。
花かんざしを植える時期は3月がもっともおすすめです。寒さには強いですが、気温が10度以上の時期になってから植えると、その後の生育もいいでしょう。
ちなみに、花かんざしの苗が販売される時期は12月下旬〜3月ごろです。本来の開花時期は3〜5月ごろなので、未開花苗の状態で販売されているか、まれに開花苗として出回ることもあります。
花かんざしは寄せ植えにしてよく楽しまれる草花でもあります。
一般的に寄せ植えで鑑賞する場合には、花かんざしを一年草扱いをするケースが多いので、時期が来るとほぼ全てが枯れます。
ただし夏越しをさせて多年草として育てたいのであれば、4月下旬〜5月上旬ごろに寄せ植えを片付けて、草花用か山野草用培養土に植え付け、根を張らせておきましょう。
花かんざしの増やし方としては、「種まき」と「挿し芽」の2種類の方法があります。種まきが主流ですが、「挿し芽」でも増やすことが可能です。
挿し芽の場合は適期が3月〜5月となっています。大きな株や古い株ほど枯れるリスクが高いので、挿し芽で小さな苗を作っておくと良いでしょう。
秋口に涼しくなってきたら、植え付けや植え替えでさらに育てていくことができます。また、次の年も同じ株で育てる場合は、花が咲き終わったあとに切り戻し(剪定)をしましょう。
株の形が悪くなったら切り戻しの時期です。地表から10〜15センチメートル程残してカットし、葉が残るようにします。切り戻しは脇芽を出させ、もう一度花を咲かせる確率をアップさせる目的で行います。
こうした切り戻し(剪定)には、脇芽を目的としていますが、風通しを良くするという意味や、高温多湿対策にもなっているので、長持ちさせる目的で行うこともあります。
花かんざしを種まきから育てる場合は、市販されている種を購入して育てます。
霜が降りないような暖かい土地であれば、9月〜10月にかけて種まきをしましょう。そうすれば冬越しして、春に花を咲かせることが出来ます。
冬に霜が降りるような寒い地域で育てる場合には、3月ごろに種まきをしましょう。ただし、霜よけさえできるのであれば、寒い地域でも秋に種まきをして、春に開花を楽しむことは可能です。
花かんざしの発芽温度は、一般的に20度から25度といわれています。種から育てる場合は、温度の一つの目安として覚えておきましょう。
病気や害虫で、花かんざしに多いのが、アブラムシや灰色かび病です。
灰色かび病は、日照不足などによって起きる病気です。多湿が原因となっていることも多いので、できるだけ風通しを良くして蒸れにくいように心がけましょう。
また植物の害虫として代表的なアブラムシも、花かんざしに付いてしまうケースは少なくありません。専用のアブラムシ防除剤等を使用し、予防と駆除を心がけておきましょう。
また、花かんざしは温度だけでなく湿度にも注意する必要があります。開花時期は3月から5月といわれていますが、それを過ぎると、日本は北海道を覗いて梅雨入りします。梅雨入りすると湿度がぐっと上がり、雨の日も多くなります。
こうした場合で、なおかつ切り戻しをして夏越し・冬越しを考えているのであれば、室内に鉢やプランターを入れて湿潤な気候を調整しましょう。
花かんざしは、オーストラリア原産の植物で、多年草ですが日本では一年草扱いになっています。キク科のローダンセ属の植物で、実は花かんざしという名前は流通名で、学名は「ローダンセ・アンテモイデス」です。
ドライフラワーを思わせる花は、独特な個性を放っています。よく似た種類の植物にペーパー・カスケードやヒロハノ花かんざしといった品種があります。どちらも花かんざしと似た花の形が特徴です。
花かんざしは、基本的に白くてカサカサとした不思議な手触りの花を咲かせることで知られています。花びらに触れると乾燥していて、フレッシュな花なのにドライフラワーのような感触なのが最大のポイントです。
花の中心部は黄色で、蕾の段階では赤や紫色をしています。丸い蕾が開いて、黄色い花芯と特徴的な花びらを見せる姿が控えめで可愛いことから、ほかの植物と寄せ植えで使用されることも多いです。
またドライフラワーとしても人気の品種で、花が開花したらドライフラワーに仕立てて飾っているという、上級者の方も少なくありません。
本来花かんざしは多年草ですが、日本の気候では一年草として扱われています。寄せ植えなどで育てる場合は、冬越し・夏越しが難しいとされています。
ただし、一般的な一年草の花とは異なり、育てたあとにドライフラワーなどとして楽しむことができるのも花かんざしの大きな魅力です。
ベーシックな園芸に慣れてきたのであれば、少し難しい花かんざしにチャレンジして育ててみるのも良いでしょう。
花かんざしは特に風水での規定はありませんが、お部屋に置いても問題のない花です。ただしインテリア風水的には、ドライフラワー系を使用するのはあまりおすすめできないといわれています。
オーストラリア原産の可愛らしい植物として知られている花かんざしは、その生体的特徴を確認しながら育ててやらなければいけないデリケートな生き物です。特に日本の気候には四季があり、湿潤な気候なので花かんざしには適しているとはいえません。
初心者にはあまりおすすめできないやや難しい植物ですが、一生懸命手間ひまかけて育てた花かんざしが花を咲かせてくれたときには感動します。
大人しく可憐な花ですが、控えめなので、ほかのメインとなる花の邪魔をしないで上品に佇んでくれます。お正月の門出などの花として使用されている場合も多いです。
お家で育てるときは、地植えで水や湿度に注意しながら育てましょう。
GreenSnap編集部