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ダリアは品種によって、花の大きさや花の咲き方が変わる多年草の球根植物です。花色は赤やピンク、白、黄など色とりどりで、切花やフラワーアレンジメントでも人気があります。そんなダリアは、花の性質を知っていれば初心者でも育てやすいです。
ここでは、ダリアの球根の植え方や植え付け時期、球根の保存方法まで詳しく説明しているので、ぜひ参考にしてみてください。
ダリアの育て方のポイントは、正しい向きで球根を植えることと、日当たりと風通しのいい場所で乾燥気味に育てることです。
初心者でもきちんとお手入れすれば、春に植えて夏から秋ごろにかけて咲いてくれます。
地植えでも育てやすいですが、初心者は鉢植えにして季節によって置き場所を移動させて育てるのがおすすめです。
ダリアを植える時期は、3月下旬〜5月ごろです。気温20度を目安に、ソメイヨシノが散るのと同じタイミングで植えましょう。
ただし、関東以北の地域では4月でも夜間に霜が降りることがあるので、十分に暖かくなってから植えてください。
ダリアを鉢植えにするときは、下記のものを用意しましょう。
まず、鉢の底穴をネットでふさぎ、鉢の中心に支柱を立てます。底穴を完全にふさいでしまう場合は、底石をしきつめてから支柱を立てましょう
そのあと、大輪種なら鉢の深さに対し1/2、中小輪種なら2/3くらいまで培養土を入れておきます。培養土には、あらかじめ土に混ぜるタイプの防虫剤や殺菌剤などを適量まぜておくといいです。
ダリアの球根を植えるときは、芽が鉢の真ん中にくるように置きましょう。ダリアの芽は、球根のくびれがあるほうの先端にあります。
さらに先端をよく見ると、黒っぽい成長点があるか、小さな芽が出ているので、芽が出る部分を上向きにして置いてください。
大輪種なら10cm、中小輪種なら5cmの土をかぶせます。そのあとは鉢底から流れ出るまで、たっぷりと水やりしてください。
一度水やりをしたら、発芽するまでは水やりをしません。発芽してからは土が乾燥しているのを確認してから水やりをします。
ダリアは連作障害を起こす可能性のある植物です。もしダリアを同じ場所で2〜3年以上育てているなら、かならず土を新しいものに入れ替えて下さい。
ダリアは基本的に、日当たりと風通しのいい場所で育てます。日当たりがよくないと花が咲かないので、基本的には屋外に置いてください。
なお、ダリアは暑さには比較的強いですが、連日30℃を越す真夏日が続くと弱ってしまうので、真夏は明るい日陰に移動させるか、地植えなら遮光ネットなどを設置しておきましょう。
また、鉢植えの場合は梅雨や台風時期は雨に当たり続けると株が弱るので、軒下などに移動させてください。
ダリアを鉢植えで育てるときは、表面の土が乾いてから、鉢底から流れ出るまでしっかりと水を与えます。
なお、夏は気温の上がる昼間に水やりをすると土の中が蒸して高温状態になってしまうので、気温が下がってくる夕方から夜にかけて水やりしましょう。また、受け皿に溜まった水は毎回捨てて下さい。
ついでに葉水をしておくと害虫予防にもなります。ただし花やつぼみに直に水をかけてしまうと、花の生育が悪くなってしまうので注意して下さい。
地植えのダリアには日頃の水やりはほとんど必要なく、降雨のみでも大丈夫です。
ただ夏は乾燥しやすいのでもし土が乾いていたら水やりをして下さい。指を土に少し入れると土が湿っているかどうか判断しやすくなります。
ダリアはあまり肥料を必要とする植物ではありませんが、与えるとより花付きがよくなります。
肥料を与える時期は、植えるときに混ぜた元肥の効果が切れる、植え付け1〜2ヶ月後から9月までの期間です。
おすすめの肥料は、花付きをよくするリン酸が多めに配合された、草花用の緩効性肥料です。鉢植えの場合は液体肥料もおすすめです。
緩効性肥料は2ヶ月に1回ほど土の上にまきます。液体肥料は10日に1回ほど水で希釈して水やりの代わりに与えましょう。
ダリアは一本の茎が上に上にと伸びる性質があるので、ある程度育ったところで摘心してあげると、わき芽が伸びて花付きがよくなります。
大輪種のダリアの場合は、地上から2節目までのわき芽を残して、それ以上のわき芽をすべて摘み取って、一番花が咲いたら地上から2節目のすぐ上で切り戻しましょう。
中小輪種のダリアの場合は、地上から2節目のすぐ上で芯となる新芽を摘み取っておくと、脇芽が伸びて一番花が4つほど咲きます。一番花が咲いたら分岐点から3節目で切り戻すと、二番花がより増えます。
ダリアの耐寒温度は5℃ほどで、冬に霜が降りるような地域では植えっぱなしのまま冬越しできないので、掘り上げて球根を保管し、春に植え替えます。
ただし、鉢植えのダリアなら暖かい場所に移動させることで、植えっぱなしのまま冬越しもできます。とはいえ、確実に冬越しさせたい場合や、長年植えっぱなしにしている場合は、鉢植えでも掘り起こしてあげましょう。
植えっぱなしのまま冬越しをさせるときは、地上部が完全に枯れたら、水やり・肥料をストップして、できるだけ暖かい場所に移して冬越しさせます。
鉢を二重鉢にしたり、鉢ごと発泡スチロールにいれるのも寒さ対策に繋がります。できるだけ5℃以上を保つようにしましょう。
地植えで移動ができない場合は、ダリアの球根が埋まっている場所に腐葉土を5cm以上盛り、マルチングをしておきましょう。春がきたら土にそのまますきこみます。
ダリアが枯れるのは、①水やりのしすぎによる根腐れ、②過湿が発生原因の病害虫、③夏の暑さの3つがおもな原因です。
水やりのしすぎによる根腐れが起きると、株全体がしなしなとしおれて枯れていき、株元も黒っぽく腐ったような見た目になります。
根腐れしてしまった場合は、すぐに地上部を剪定して球根を掘り上げ、明るい日陰で球根を乾燥させましょう。球根全体が腐っていなければ、翌年春まで保管して植え付けてみると復活します。
ダリアは春から夏の間によく伸びますが、7〜8月の時期に剪定をしないで育てると茂り放題になって、株が蒸れて病害虫が発生しやすくなります。
かかりやすい病気はウィルス病、灰色カビ病などです。葉が色抜けして斑点模様になっていればウイルス病、葉に黒いしみのようなものがあれば灰色カビ病です。感染した部分は速やかに取り除いて、殺菌剤を施しましょう。
また、害虫は春から夏に発生しやすいアブラムシ、ハダニのほかに茎の中に入って中から食べてしまうメイガに注意です。アブラムシやハダニは日々の観察で発見しやすいのですが、メイガは定期的に市販の薬剤を使って予防した方が良いでしょう。
もしメイガが発生したら植え替えですべての土を新しい土に交換し、切り戻しをして新しい芽を育てましょう。
関東以西では、夏の暑さでダリアがぐったりして枯れることもあります。35℃以上の気温が連日続いたときはとくに注意が必要です。
地植えの場合は、遮光ネットを設置したり、ウッドチップなどを敷いてで地温上昇を防ぎましょう。
3万を超える品種があり、世界中で愛されているダリアをご紹介しました。ダリアは暑さや霜には弱いですが、球根という特徴を踏まえて育てれば、初心者でも育てられます。
特に花の形状や大きさが品種によって異なるので、色々な品種のダリアを育ててみるのも楽しいですよ。もし春の季節に園芸店でダリアを見かけたら、試しに育ててみてはいかがでしょうか。
松原真理子
GreenSnap編集部