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タマシャジャンの葉は根生葉という形態でたんぽぽの葉の形態と同じです。キキョウの仲間とは想像がつかないほどの、花姿にユニークさを持っているタマシャジンは品種によって耐暑性が異なる植物です。
今回は、タマシャジンの育て方についてご紹介しましょう。
タマシャジンは高山植物でも、気温が高くてもの暑さに強いため、一年中日当たりの良い場所で管理します。しかし、夏の日差しを浴びせてしまうと弱まってしまうので、半日陰になる環境に配置してみてください。
季節別で考えると、秋から春になるまでの時期は、半日陰での管理を心がけましょう。
タマシャジンの置き場所に関しては、風通しのある環境を選ぶようにしましょう。真夏は特に、熱がこもると根腐れを起こすことがあります。
タマシャジンは過湿を弱点としていますので、季節関係なく、雨の当たらない場所に移動させましょう。軒下や屋根がついている場所などに取り込んでおきます。
タマシャジンは乾燥に強いという特徴がありますが、過湿には勝てません。そのため、水やりのやり過ぎには十分注意しましょう。水やりは、土の表面が乾いていたら与えるようにします。
夏は日中に水分を与えてしまうと、蒸発して根が腐る原因にもなるので、夕方以降に水やりを行うようにしましょう。
梅雨に入ると雨がほぼ毎日降ってきます。鉢土が湿っているときは水を加える必要はありません。表面が乾いてくるまで待ちましょう。
冬には、早朝に与えるのベストです。1日1回でいいので土の表面が乾いていることを確認したら与えるようにします。
冬でも雨が降り続くときがあるかもしれません。雨がじめじめさせているので土の様子を見てから水やりをします。
タマシャジンの肥料は生長の具合を見ながら育てていきます。
肥料を施す時期は、4月後半〜6月の後半に根生葉をぐんぐんと伸ばす時期に液体肥料を1か月に2回程度です。
一度勢力が衰えますが、9月下旬〜10月の下旬までに再び生命力が働き始めます。すると根生葉も伸びてくるので、このときにも液体肥料を1か月に2回施すようにしましょう。
タマシャジンの花が咲き終わった春頃と秋に置き肥すると、より効果的になります。
タマシャジンの肥料は薄めにつくります。濃い肥料を与えてしまうと根腐れの原因になります。肥料の標準数値が1000倍と書かれていたのであれば、タマシャジンは2000倍でつくりましょう。
タマシャジンを育てるときは、排水性のある用土を選びましょう。軽石と鹿沼土を同じ量に配合したものを使用します。
目の細かいふるいで崩れて、粉末状態になっている土を排除します。粉末状の土が残っていることで、排水性が悪化するので通気性の良いものにします。
鹿沼土は粒の大きさが2〜10mmのものを使用しましょう。また、軽石を1割にして日光砂を4割、鹿沼土を5割にして植えてもOKです。日光砂は、粒の大きさがミックスされた鹿沼土のことです。鹿沼土の中では一番硬い土になります。
タマシャジンの植え付け時期は、3月下旬から4月の後半辺りが適期となります。この時期は根生葉が出始めてくるので、絶好のチャンスです。
植え替え・植え付けをするときには、通気性の良い鉢を用意しておきます。主に、山野草鉢や素焼き鉢を用いてください。
タマシャジンは深々と根を張る高山植物ですので、深めの鉢を購入するようにし、株の大きさに合わせることを考えて大体3号鉢〜6号鉢の大きさが良いでしょう。1つの鉢に1つの株を植え付けていきます。
タマシャジンの根はぐんぐん生長するので、根詰まりを起こすことが多いです。目安としては1・2年に1回は植え替えを行いましょう。
植え替える際に、根に密着した土が崩れるときに細い弱った根は、千切れてしまうではないかと思われてしまうでしょうが、心配入りません。根茎の部分を傷つけることなく丁寧に扱います。
古くなった用土は痛みやすくさせるので新しい用度を使いましょう。
植え付けは芽が5mm〜10mm程埋まるようにしてください。
タマシャジンは花が咲き終わったあとに種子を収穫することができ、種まきで再び増殖します。
タマシャジンは種ができにくいことが多いので、交配させて採取します。種からの発芽率は高いので、撒いた年にはまた花を咲かせます。
種の交配には、雄しべと雌しべの成熟する時期が違いますので、交配は2つより多い数で行いましょう。種を採取したら採り蒔き(すぐに蒔く)する方法と、取ったら3月下旬まで保存する方法があります。
採り蒔きの場合は、新しい山野草培養土か鹿沼土などを用いた配合土に撒いていきましょう。
保存するのであれば、水で湿らせた川砂かパーライトを混ぜてビニール袋に入れます。その中に種も一緒に入れて冷蔵庫などの冷暗所で保管しておきましょう。
タマシャジンは鉢植えでも地植えでも育てることができます。ただ、小さい山野草かつ暑さには弱いということもありますので鉢植えで植えていくことを推奨します。プランターなどでも大丈夫ですよ。
タマシャジンの増やし方は、「種まき」と「株分け」が可能です。
株分けは植替えと同時に行うと良いでしょう。株分けをするときは、新芽が絶対ついている状態で分けます。分けるには、手を使って分けてもいいですし、よく切れるナイフで切り分けを行ってもいいです。
自分のやりやすい方法で分けましょう。あとは新しい用土に植えておけば元気に育ちますよ。
日陰で管理するようにしておいてください。タマシャジンは流通しているものは丈夫なものが多いですが株自体の寿命が尊いです。
ですので継続して育てたいのであれば、種まきを繰り返すことで増やしていきましょう。
地域や気候によって異なるかもしれませんが、ナメクジやヨトウムシ、アブラムシなどの害虫の被害に遭います。特に日陰は害虫にとって好都合な場所ですので発生しやすいです。
株分けしたあとの日陰の管理では、害虫に食い荒らされないように点検するようにしましょう。アブアムシやナメクジを発見したらすぐに駆除するようにしましょう。
最近では無農薬の殺虫スプレーなども販売していますので、そちらを購入するのもおすすめです。手作業では、セロハンテープや使い古した歯ブラシなどで取り除くことができます。
また、牛乳を撒くことで呼吸困難に陥らせる効果がありますので是非試してみてください。
病気に関しては、軟腐病や根腐れを引き起こしやすいです。根腐れは、雨にかからないように施すことと水はけの良い土を使うことが先決です。
軟腐病とは、植物にある傷口から細菌によって引き起こされた病気です。発生すると細菌が繁殖して、養分や水分が通る道を塞いでしまい地際が腐敗してしまいます。地上部も栄養が届かないので萎れてしまいます。腐った部分からは悪臭が立ち込みます。
細菌が入り込む傷口は主に害虫が食い荒らした後にできています。予防するためにも害虫の駆除や対策しておきましょう。
細菌は雑草の根周りに潜んでいるので雑草などを間引きしておきましょう。万が一見つけてしまったら早急に抜き取って処分してしまいましょう。
細菌類の病気では、発見してから薬剤を撒いても効果が期待できるわけではありません。発生する前からの予防対策が重要です。「ヤシマストマイ液剤20」という薬品が有効的です。
タマシャジンは欧州アルプスなどの岩場や川が流れる原っぱなどに自生している高山植物です。
高山植物が育っている環境には、一日の気温のお温度差が激しいこと、強風が吹くこと、土壌の養分が少なく弱いなどの条件があります。厳しい環境で育つ強い植物です。
タマシャジンの花言葉は「気品」、「品格」です。
ヨーロッパに聳えるアルプス山脈やアペニン山脈などに自生するタマシャジンという植物の育て方についてご紹介しました。
日本ではあまり見かけられないので自分で育ててみませんか。
難易度は少し高めかもしれませんが奇抜な花を咲かせると考えたら是非見てみたいものです。
GreenSnap編集部