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美しい花姿と香りから世界中の愛好家から人気のバラを鉢植えで育てているなら、かならず植え替えが必要です。また、ちょっとした植え替えのコツを掴んでおくと、病害虫知らずで毎年きれいに咲いてくれますよ。
今回は鉢植えのバラの植え替えについて、時期や方法を写真付きで詳しくご紹介します。
鉢植えのバラは定期的に植え替えをしないと、根腐れや根詰まりを起こしたり、病害虫が発生しやすくなります。また、地上部からはわかりにくい病害虫のチェックもしておくことで、本格的に広まる前に防除もできますよ。
とくに鉢植えのバラは限られた土の量とスペースで育っていくので、土の劣化の影響も受けやすいです。定期的に植え替えをして、バラにとっていい環境で育ててあげましょう。
バラの植え替え時期は、新苗なら5月〜6月、大苗なら11月に鉢や庭へ植え替えます。とくに新苗は購入時のポットのままでは長く育てられないので注意してください。
また、数年鉢植えで育てているバラの植え替え時期は、休眠中の12月〜2月(寒冷地であれば3月〜4月)です。休眠中に植え替えすることで、株へのダメージが減らせます。
※新苗とは接ぎ木して1年以内の苗で、春に出回るため春苗とも呼ばれる。大苗とは接ぎ木から1年以上栽培した苗のことで、秋に出回るため秋苗とも呼ばれる。
新苗や大苗であれば、植え替える前にまずは花から数えて3節目の葉の上で剪定しておきます。
鉢バラを冬に植え替えるときは、葉を全てむしり取り、つぼみや新芽を含め、枝先を5〜10cmほど切り戻しておきます。また、枯れた枝があれば剪定しておきましょう。
新苗をポットから抜き取るときは、人差し指と中指に挟むように株元を包み持ち、ポットごと逆さにから向けながらそっと取り出しましょう。
大苗や鉢バラは、株元を掴んで鉢のほうを引くようにして株を取り出します。無理に引っ張らず、抜けないときは鉢を割って取り出しましょう。
新苗の場合は根鉢は崩しません(写真は新苗)。大苗も基本は根鉢を崩しませんが、根を束ねてポットに仮植えされている場合は、痛めないように根を解きましょう。
鉢バラの場合、根鉢の上、厚さ2〜3cmの細根のかたまり部分は上に向かって剥がすように取り除きます。次に、根鉢の底を十字に切って、根鉢の側面の細根をむしりとりましょう。
そのあとは軽くもみ込んで、根鉢全体の3分の1の根をほぐします。太い根の長さを短く切りそろえ、黒ずんだ根やカラカラに傷んだ細根があれば取り除いておきます。
新しい鉢は、スリット鉢なら底石を敷き詰め、テラコッタ鉢なら鉢底ネットを敷いてから底石を敷き詰めましょう。あらかじめバラ用の土を、だいたい鉢の3分の1〜2分の1ほどまでいれておきます。
バラの苗を新しい鉢の中央に一旦仮置きします。大苗や鉢バラの植え替えでは、できるだけ根が八方に広がるように置きましょう。
このとき、接いだ部分がちょうど鉢のふちの上のラインにくるように、あらかじめ入れていた土の量を調整しておきましょう。バラを植え替えるときは、接ぎ口部分を埋めないようにしておくのがポイントです。
調整がすんだら、隙間をバラの土をうめていきます。ときおりゴムハンマーなどで鉢の側面を優しく叩いたりゆすったりして、根の隙間まで土をいれていきます。
最終的に、鉢のふち3cm下くらいまで土をいれていきます。接ぎ口が土にうまっていないか、必ず確認してください。
最後に優しいシャワーの水流で、たっぷりと水やりをします。鉢底から流れ出てくる水をチェックして、土の微塵が混ざらなくなり、透明な水が流れ出るようになるまで水やりしてください。
また、新苗を5〜6月に植え替えた場合は、置き肥をしておくといいでしょう。
なお、バラの苗を地植えに植え替えたい場合は、こちらの記事で詳しくご紹介しています。
バラの植え替えのコツは、長年育てた鉢バラなら、太い根を短く切りそろえてあげることです。太い根には水分や栄養を地上部に吸い上げる働きがありますが、根が長すぎるとそれだけ吸い上げる体力を使うので、根は短いほうが少ない体力ですみ、より元気に育ちます。
また、病害虫によって弱ってしまったバラは、土を全て水で落として、メネデールなどの発根活力剤を適量いれた水に、30分〜1時間ほど根を浸してから植え替えると復活しやすいです。
鉢植えのバラの植え替え頻度は、5〜6号の小さい株なら1〜2年に1回、7号以上の大きい株なら2〜3年に1回が目安です。
ただし、バラが下記のような状態になっていたら、上記の目安に関係なく植え替えをしましょう。
バラの植え替えには、市販のバラ専用培養土やスリット鉢がおすすめです。
草花用培養土を使うときは1〜2割ほど牛ふん堆肥を足して使うのがおすすめです。より本格的に用土配合をして作りたい方は、【赤玉土小粒5:牛ふん堆肥2:酸度調整済みピートモス2:もみ殻くん炭1】などの割合で土づくりをしてみましょう。
バラの鉢は通気性・排水性がいい深型のスリット鉢、もしくはテラコッタ鉢を使いましょう。バラの樹高と鉢の深さが1:1または2:1になるくらいが目安で、一回りか二回り大きい鉢を用意してください。
ただし、バラが病害虫によって弱ってかれているときの植え替えは、鉢の大きさをあえて一回り小さくするといいです。
バラは植え替えを行うことで病気や害虫を予防しながら、美しいバラを育てることができますよ。
適切に植え替えを行いながら、長い期間バラのある生活を楽しんでみてくださいね。
GreenSnap編集部