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アカネは、本州・四国・九州の日当たりの良い低地や山野の藪などに生えるつる性の多年草です。万葉集に「あかねさす」という枕詞が出てくるように、日本では古来よりアカネの根から赤い染料を採りました。
夏から秋にかけて小型の花をつけ、冬には地上部は枯れてしまいます。世界中に生息していて、その種類は50種類を超えるといわれています。
今回は、アカネの名前の由来や、怖いと言われる花言葉についてご紹介します。
アカネの花言葉は、「私を思って」「媚び」「誹謗」「不審」「傷」です。
美しい染料として使用されるアカネですが、花言葉は少し怖い印象を受けますね。
アカネの根を十分に乾かすと赤黄色に変化し、煮出すとアリザリンという赤い染料を抽出することが出来たことから「赤根」と呼ばれるようになりました。これが名前の由来になっています。
アカネには、小さな淡黄緑の薄く緑がかった花が咲きます。もともと花言葉は西洋で生まれたものですが、西洋では歴史上「黄色」は、“裏切り”や“異端”といったネガティブなイメージを連想させる色でした。
そのことから、アカネにも「誹謗」「不審」「傷」などの花言葉がついたと考えられます。
またアカネはつる性の植物であり、茎が自立できないので、小さな逆棘(カエリ)を他のものに絡めながら成長します。その姿が、何かにもたれついて依存しているように見える姿から「媚び、私を思って」という花言葉がついたとされています。
アカネの根は東西を問わず古くから染料に用いられ、大変重宝された赤色の色素です。アカネによる染色の歴史は深く、正倉院にも色鮮やかなアカネによる染の品物が数多く残されています。
また、染色の他にも生薬として使用されました。根を天日干しで十分に乾燥させたものを茜草根(せんそうこん)と呼び、止血や解熱、咳止め、強壮、利尿、通経に効果があるとされています。
アカネは山野でよく見かける野草のひとつです。少し怖い花言葉ですが、染料として使えば美しい茜染めが作れます。染色は最も基本的な草木染めの方法でできるので、天然の染料を使って草木染めを楽しんでみるのはいかがでしょうか。

GreenSnap編集部