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童謡にもある「松ぼっくり」は私たちも幼少期からなじみのある木の実ではないでしょうか。でも松ぼっくりの正体や役割をご存じでしょうか。今回は松ぼっくりとは何か、種類や収穫時期、スギやヒノキなど他の裸子植物の「球果」についてもご紹介します。
私たちになじみぶかい松ぼっくりとですが、皆さんは松ぼっくりの正体が何なのかご存じでしょうか。
マツ科マツ属の植物が付ける球果(果実)で正式には松かさ(松傘、松笠)と呼びます。松の木は「裸子植物」と呼ばれ、胚珠(受粉した後に種子になるもの)が剥き出しになっている植物のことをいいます。ソテツやイチョウなどもこれに分類されます。
松はリンゴやミカンなどの被子植物と違い、種子を包み育てる(子房)と呼ばれる器官がありません。その代わりに種が風などで勝手に飛ばないようにとどめておく器官が必要になります。その役割をしているのが松ぼっくりです。松ぼっくりの種には風で種子を散布する風散布型で、種子にプロペラの翼のような羽がついており、成熟すると松ぼっくりの棚板から外れて空中に飛び立ちます。
松ぼっくりは「鱗片」と呼ばれる硬いうろこ状になった木の皮が集まって成り立っています。鱗片が集まりは棚のような隙間には種子が一つ一つ挟まって育ちます。
そして鱗片には、種子を雨風から守る役割もあります。雨などで湿度が高い日には、鱗片がぴったりと閉じ、反対に晴れて乾燥した日には鱗片が反り返って隙間が大きく開き、種子が飛び立てる状態を作ります。
鱗片の間から種が飛び終わると、松ぼっくりはその役割を終え、地面に落ちます。それでも雨が降ると鱗が閉じ、晴れた日には反り返る形態変化が見られます。
松ぼっくりは意外にも種類が多く、世界中に100種、世界中に100種ほど松ぼっくりの種類ですが、松の木の下に松ぼっくりがたくさん落ちているのをご覧になったことがあると思います。
松は世界中に100種ほど、日本には6種が自生しています。
松ぼっくりの収穫できる時期ですが、実は松ぼっくりが木から落ちる時期は決まっておらず、1年中収穫して楽しむことができます。ただ、乾燥するとヒダが開く性質があり、風が強くなる秋から冬の時期にたくさん収穫できることが多いようです。
ヒノキ科ヒノキ属でサッカーボールや鞠のような形をしており、とても硬いです。種子は殻の中から飛び出します。晴れた日は五角形の盾のような形をした球形が開きます。
褐色で1cm程度この球果をたくさん集め、レンジで加熱すると球果に含まれるヒノキの精油が香りたちます。
とげとげがたくさんついた小さな果実は「スギボックリ」と呼ばれ、直径は2~3cm程度の大きさです。触っても痛くありません。
メタセコイアはヒノキ科メタセコイア属の高木樹木です。長さ2~3cm程度の楕円形で褐色の球果を付けます。鱗片は主軸に対し、対生しており、20個以上付き分割しています。鱗片が唇のような形にも見えます。
松ぼっくりのからを枝につけたまま落葉するのが特徴です。鱗片が卵型で丸みを帯びています。やや反り返っており、正面から見ると花のようにも見えます。
直径4~6cmほどで、中の種の大きさは5~6㎜程度です。アカマツの球果ともよく似ていますが、球果の「へそ」と呼ばれる突起の部分が、アカマツは尖っているのに対してクロマツは尖っていません。
エゾマツの中でも、本州で育つ亜種です。松ぼっくりは縦に長いラグビーボールのような形をしています。
ゴヨウマツの松かさは、鱗片の1つ1つ一つが分厚く、まん丸な形をしています。球果は1年ほどで実り、成熟が早いことも特徴の一つです。
松ぼっくりは子どもたちの楽しい工作の材料にもなります。ただ、、松ぼっくり採集する際は、念のため敷地管理者が許可されている場所であるか確認したほうがよいでしょう。
GreenSnap編集部