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畑で野菜を栽培するときは、ただ植え付ければよいだけではありません。畑を見ると土で線を描いたよう盛り上がっている部分がありますよね。これを畝と呼びますがこれにはどんな意味があるのでしょうか。
このページでは畝について解説しています。畝とは何か、畝の作り方(畝立てのやり方)を記載しましたので、ご参照ください。
「畝」は<うね>と読み、畑などで土を筋状に盛り上げたもののことを意味で、野菜たちのベッドともいえるようなものです。
ほかにも土地の面積単位を意味することもありますが、この記事では畑にある盛土の意味合いの畝について説明していきます。
また「畝立て」とは、土を盛り上げて畝をつくる作業のことを指しています。「畝を作る」とも言いますが、「畝を立てる」という表現をすることもあります。
畝を作り土が高く盛ることによって、雨が降ったときに水分が土の低い場所(畝の溝部分)に流れるので排水性が格段に上がります。
多くの野菜は排水性のいい土壌を好むので、畝を作ることで野菜を育てやすい環境にすることができます。
畝を作ることで、野菜を育てる区画と人が農作業をする区画を分けることができます。作業中に誤って踏んでしまうということもなくなりますし、野菜区画ごとに水やりや肥料の調整もできるので作業しやすくなりますよ。
また、家庭菜園や野菜の栽培で気をつけたい連作障害を防ぐ「輪作」も、畝を作ると管理しやすくなります。
野菜は根でも呼吸をしています。畝を作ることで、畝の傾斜に沿って根がよく伸びます。斜めに根が伸びることで、地面に根が近い状態を保つことができて、野菜が呼吸しやすくなり、野菜の生育がよくなるのです。
大規模な野菜農家では専用の畝立て機を使ったり、耕運機やトラクターなどを使って畝を作りますが、家庭菜園などの小規模な畑や花壇の一画ほどの範囲なら、畝は簡単に自作できます。
畝を立てるために必要な道具は次のとおりです。
鍬は畝を作るために必要な道具です。レーキは熊手のようになっている道具で、土を平らにならすために必要です。レーキがあると綺麗な畝を作れますので、用意しておきましょう。
ヒモや支柱があると、畝を作るときの目印になります。急に土をもって畝を作ると曲がってしまうことがありますので、下書きとしてヒモや支柱を使って目印とし、下地を作っておきましょう。
畝を立てる前に、畑の土を野菜が育ちやすいように耕し、土作りをする必要があります。
土作りは最低でも植え付け・種まきの2週間前から始めましょう。ポイントは、酸度調整と堆肥をいれること、そして元肥となる肥料を混ぜておくことです。
土作りの手順は次の通り。
畝を作るタイミングは、3の工程と同時にしてもいいですし、4の工程の植え付け・種まきと同じタイミングに作業しても問題ありません。
なぜ苦土石灰が必要なのか、どのような肥料を使ったらいいのかなど、より詳しい土作りのコツを知りたい方は、こちらの記事を参考にしてくださいね。
まず畝を作る範囲の四隅に支柱を立てます。次に作りたい畝の高さに合わせて四方をヒモで囲うように結んでいきます。
ヒモが斜めにならないよう、支柱にヒモを結ぶ高さを揃えるようにしてください。メジャーがあれば目印をつけて、ヒモがまっすぐに張れるようにします。ヒモはたるまないようにピンと張りましょう。
畝を複数作るなら、畝と畝の間は30cmほどの間隔をあけて通路としましょう。
肥料や堆肥を施した1週間後に畝をつくる場合は、再度畝をつくる範囲の部分をよく耕しましょう。根菜類であれば40〜50cm、果菜類であれば30〜40cm、葉菜類であれば20〜30cmほどの深さまでクワやスコップで掘り返し、よく耕やしましょう。
続いて、さきほど作った目印のヒモの外側(通路)をクワを使って掘り、掘り返した土はヒモの内側(畝を作る範囲)に盛っていきます。
クワで土を掘る際は、デコボコにならないよう、なるべく同じ深さに掘るように心がけてください。こまめに全体を見て、作った畝が曲がっていないかチェックしながら進めましょう。
土を盛っただけでは畝は山なりになっているかと思います。このままにせずに、畝を平らにならしていきましょう。レーキを使って平らにします。
このとき強く土を押しすぎると、土が硬くなってしまいますので、軽くならす程度にしてください。
畝の側面をクワや板などを使って軽く固めていきましょう。このとき、土に対して直角にするのではなく、若干角度をつけて台形になるようにしましょう。
これで畝の完成です。
一般的には畝の幅は60〜80cmほどで作ります。とはいえ、栽培する野菜や栽培方法によって変えていく必要があります。
畝の幅は広く作ると、ひとつの畝で複数列の植え付けや種まきができます。この列のことを条といい、畝に作る列の間隔のことを条間といいます。
一般的な畝の高さは10〜15mほどです。ちなみにこの高さの畝を「平畝」。20〜30cmの高さの畝は「高畝」といいます。
畝の高さが高ければ高いほど、水はけがよくなるので、畝の高さは野菜が好む土壌や土の性質によって変えていきましょう。
畝の向きは、基本的に南から北に伸ばすように作ってください。これを「南北畝」と言います。とくにトマトやシシトウなどの果菜類は南北畝にすることで、日差しがまんべんなく当たるようになります。
ただし、冬場にほうれん草やシュンギクなどの要塞類をつくる場合は東から西に伸ばすように作る「東西畝」がおすすめです。冬場になると北側の日陰部分が冷え込みやすく、霜になりやすいですが、東西畝であれば霜をある程度予防できます。
畑で野菜を育てる際は、畝づくりが欠かせません。どこに野菜を植えたかがわかるだけでなく、野菜の生育にもよいのでぜひ畝を立てましょう。
しっかりと畝を作ることで、雨や風で崩れることはありません。軽く固めながら畝を作っていってください。
GreenSnap編集部