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家庭菜園デビューをしてみたという方が増えていますが、一度野菜を育て終わったら、同じ場所で同じ野菜・同じ科に属する野菜を育ててはいけないということをご存知でしょうか。
家庭菜園でもおこる連作障害はきちんと対策をすれば恐ることはありません。
今回は連作障害とはなにか、発生する原因や対策などについてご紹介します。
連作障害とは畑やプランターなど同じ場所・土を使って、同じ野菜や同じ科に属する野菜を育てることによって生じる生育不良のことです。
たとえば、トマトの後に同じナス科のピーマンを育てると、尻枯れ病にかかるなどの生育不良が起こりますが、これが連作障害のひとつです。
連作障害が起こる主な原因は以下の3つです。
前作の栽培によって土の団粒構造が失われた状態のまま、同じ土壌で野菜を育てることで起きる連作障害です。
排水性や通気性、保水性や保肥性が低下してしまうことで起きるため、同じ科の植物でなくても、根腐れや立ち枯れ病などの生育不良・病害を引き起こす可能性があります。
前作の栽培によって土壌の養分が過不足を引き起こしている状態のまま、次の野菜を育てることによって起きる連作障害です。
たとえば植物の栄養三大要素のひとつであるリン酸は、雨に流されず土壌にとどまる性質が強いため、前作の施肥によって過剰になりやすい傾向があります。リン酸が過剰になると、全体が黄変したり、葉に斑点が発生して生育不良を起こします。
同じ野菜を繰り返し育てることによって、特定の微生物が過剰に増えて起こる連作障害です。
野菜は栽培中に根から特定の物質を出していたり、線虫という目ではほぼ見えない微生物を寄せ付けてしまいます。これらの物質や微生物は過剰に増えすぎると、根腐れや根コブ症などの病気を引き起こします。
特定の微生物が過剰になっているような土壌には、米ぬかを土にすき込んで、太陽の熱を利用することで土壌消毒をして連作障害の対策ができます。
米ぬかやふくまれる土壌改善効果を生み出す微生物が増えることで、生育不良を引き起こす微生物が繁殖しにくくなり、連作障害の対策ができます。手順は次の通りです。
カボチャやユウガオなどはツル割病などに強い傾向があるので、これらの野菜を台木にした接木苗は連作障害にある程度耐性があります。
ほかにも、品種改良などによって病害虫に対して耐性のある種や苗をつかうことで、連作障害を対策できます。
吸肥力の強い野菜を肥料を与えずに育てることで、野菜に過剰な養分を吸収させ、連作障害を対策することができます。
たとえば、トウモロコシを育て終わった畑でクウシンサイの種をまいて、十分に育った頃に緑肥として細かく切り、土にすき込むなどの方法で対策が可能です。
連作障害を起こさないように輪作をすることも対策方法のひとつです。輪作とはローテーション栽培とも呼ばれる手法で、一つの畑を数ブロックにわけて、同じ科の野菜を続けて育てないように、1ブロックずつずらして育てる方法です。
連作障害が起こる野菜は以下の通りです。同じ野菜でなくても、同じ科に属する野菜を連続で育てると連作障害が起こりやすくなるので気をつけましょう。
また野菜名のあとの()は休栽年間を表しています。対策をせずに育てる場合は()内の数字年数の期間をあけて野菜を育てるようにしましょう。
逆に、さつまいもやニンジン、ニンニク、トウモロコシなどの野菜は連作障害が出にくいです。
家庭菜園で野菜を育てるときに気をつけたいのが連作障害です。同じ土を使って同じ野菜を育てると生育不良を起こしてうまく育てられなくなるので、きちんと対策をとって上手に野菜を育てていきましょう。
GreenSnap編集部