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食用としても知られる「百合根(ユリ根)」とは、ユリの根という意味ではありません。ここでは、そんな百合根とは何か、どんな栄養や効能があるのか、毒の有無などについて、詳しくご紹介します。
百合根とは、食用に利用できるユリの鱗茎のことです。ユリの根という意味ではなく、食べられる一部のユリの鱗茎のことを百合根と呼びます(どんな種類のユリでも、百合根として食用に利用されるわけではなく、灰汁が少ないものが食用とされます)。
ユリは鱗茎(球根のような部分)に栄養を貯める特徴があるため、百合根は栄養価がとても高く、体にとてもよいとされています。流通している百合根のほとんどが、北海道産で栽培されたものです。
主に京料理で使用されるだけでなく、漢方薬としても利用されることもあります。
百合根には、アルカロイド系の毒素を含む種類があります。とはいえ、一般的に百合根として流通しているものには、このような毒は含まれていません。
ただし、食べ過ぎると灰汁によってお腹を壊すことがありますので、食べ過ぎには気をつけましょう。
百合根には、さまざまな栄養素が豊富に含まれています。
百合根には豊富に食物繊維が含まれます。こちらは水溶性食物繊維で体によい成分です。
百合根にはカリウムがたっぷりと含まれていて、野菜の中でもカリウムの量はトップクラスに入るほどです。
貧血対策にもなるビタミンの一種で、とくに女性に欠かせない栄養です。
百合根には100gあたり、水溶性食物繊維が3.3g、不溶性食物繊維が2.1g含まれています。
百合根には食物繊維が豊富に含まれているので、お通じ改善になります。それだけでなく、水溶性食物繊維は食後の血糖値上昇を抑えることが期待できます。
またカリウムが豊富ですので、不要な水分の排出に役立ちます。むくみ予防にもなります。さらに、葉酸があるため、貧血予防にも役立ちます。
ダイエット効果を期待して利用する方もいるようですよ。
百合根の選び方は、まず形を見ましょう。全体的にふっくらしている百合根がよく、鱗片の1つ1つがふわっとしているものをお選びください。表面に傷や黒ずみがないものがよいので、購入前によく見ましょう。
光沢があるものはよい百合根ですが、紫色になっているものは苦みがありますので、おすすめしません。
百合根の栽培には時間がかかります。数年かけて鱗茎がふっくらしますので育てる場合は時間をかけましょう。オニユリなど百合根になる種類のユリを植えて、根茎を太らせてください。収穫時期に一度根を収穫をして、おがくずのなかで休眠させてください。翌年の春になったら、畑に埋めます。これを数回繰り返しましょう。
3年経つと、鱗茎には立派な鱗片ができているので表面の鱗片を剥がしてまた畑に植えます。9月~10月に掘り起こして、また翌年の春に植え替えます。この作業を繰り返して、植え付けてから5年から6年がたつと、百合根の収穫ができます。
百合根は8月から10月が収穫時期です。
収穫したら新聞紙でくるんで、冷蔵庫で保管しましょう。おがくずで包まれた状態で販売されているものは、冷蔵庫で保管するとよい状態のものであれば2ヶ月ほど保管ができることがあります。
保管はできますが、なるべく早めに食べることをおすすめします。なお、冷凍では1ヶ月保存が可能です。すぐに使わない場合は冷凍がよいでしょう。
百合根はサトイモのような長芋のような独特な食感があります。素揚げで食べたり、煮物にしたりするのがおすすめです。火をあまり通さないとシャキシャキした食感が楽しめ、火をじっくりと通すことで、サトイモのようなねっとりした食感が楽しめます。
生食はおすすめしません。
百合根は栄養が豊富だということがわかりました。ご自宅で育てているユリの種類でも食べられるものがありますので、興味のある方はぜひ試してみませんか。ただし、植え付けから収穫までは時間がかかりますので、根気よく待ちましょう。
百合根はスーパーで売られていることもありますので、ツヤがあり、ふっくらとした美味しそうな百合根を選んで、独特な食感をお楽しみください。
GreenSnap編集部