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日本でも漬物やオイルなどに使われるオリーブは栄養価が高く、食卓に欠かせない存在です。そんなオリーブの木には、さまざまな種類が存在します。ここでは、代表的な人気のオリーブの種類のほか、それぞれの見分け方や使い方などについてご紹介します。
オリーブはモクセイ科オリーブ属に分類される常緑高木、果樹です。古くから地中海地方や北アフリカなどを中心に自生しており、温暖な気候で育つオリーブは別名「太陽の樹」とも呼ばれます。
寒さにも強いので日本のほとんどの地域で地植えにして育てられることから、庭木としても人気の植物です。花言葉には平和などの意味があるので、シンボルツリーとしてもぴったりですね。
5月~6月頃になると白くて小さな花をたくさん咲かせ、さらに9月~11月頃になると実が収穫できるようになります。
オリーブは自家結実性がほぼないので、1品種だけを育てていても受粉せず、実を収穫することは難しいです。収穫目的でオリーブを育てるなら最低でも2品種以上を植えて、近くで育てるか人工授粉させる必要があります。
また、品種の組み合わせによっては受粉しにくく、実つきが悪くなることもあるので、品種選びは慎重に行いましょう。品種同士の相性については後項でご紹介します。
オリーブの木は世界に約1000種類以上の品種がありますが、日本で栽培できるのはそのうち約60種類ほどです。
オリーブの種類にはオリーブオイルに向いている品種とピクルスに向いている品種があるので、収穫した後の利用方法も考慮しながら、用途が同じ、もしくは近い品種同士を組み合わせるようにしましょう。また、中には自家結実性の高い、1本でも実がなりやすい品種もあるので、合わせてご紹介します。
オリーブ・マンザニロはスペイン原産のオリーブで、樹形がコンパクトな品種です。マンザニロとはスペイン語で「小さなリンゴ」という意味であり、実がリンゴのように丸みがあることから名付けられました。
日本でも昔から育てられていて、オリーブの木の中でも育てやすい品種といえます。
オリーブ・シプレッシーノはイタリアのシチリア島原産の品種で、日本でもとても流通しています。寒さに強く、零下10度まで耐えることができます。また、耐風性があるので防風樹としても人気があり、樹形が直立性なので庭木としても好まれています。
収穫した実は、ピクルスに向いていますがオイルを抽出することもできます。
オリーブ・フラントイオは持ち前の環境適応能力で、原産地のイタリアをはじめアメリカ、オーストラリアなど各地で生産されている品種です。生育旺盛なため、枝の剪定を適宜行う必要があります。卵のような形をした実からはオリーブオイルをたくさん採取可能です。
オリーブ・モライオロはイタリア中部のトスカーナ地方を原産としており、直立に生長していく品種です。全体的にまとまった立ち姿となっているので、シンボルツリーとしても楽しめます。フラントイオと並ぶイタリアで代表的なオイル抽出用の品種です。
イタリア原産のオリーブ・ルッカは、イタリアの都市名が由来です。日本にはアメリカから伝わり、品質が高く小ぶりな実をたくさんつけます。耐寒性や病気などに強いため育てやすく、オイルとして使うのにおすすめの品種です。
オリーブ・コラティーナは大きな葉を生やしながら直立に生長するプロポーションのよい品種です。耐寒性・耐暑性はもちろん、病気にもかかりにくいことから、インテリアプランツとしても活躍できます。オリーブオイルを採取して食品加工に使いたい方にはとくにおすすめです。
オリーブ・ネバディロブロンコは原産国はスペインの品種で、オリーブの中で最も代表といえます。実の収穫量が多く、オイルもたくさん取れます。葉は細長くて丸みがあるのが特徴で初心者の方でも比較的育てやすいです。
オリーブ・レッチーノはオリーブ・モライオロと同じイタリアのトスカーナ地方原産のオリーブです。フルーツのような香りを放つオリーブオイルを抽出できますが、ピクルスにしても楽しむことができます。コンパクトな葉をもつため観賞向きでもあります。
オリーブ・オヒブランカはスペインを原産とする品種で、強健な性質を誇ります。葉は銀白色の光沢が見られるシルバーリーフとなっているため、お庭に植えてシンボルツリーとしても楽しめます。オイル用につかわれますが、おもに観賞用として選ばれることが多い品種です。
オリーブ・ミッションはアメリカ原産の品種で、直立性の樹形なのでベランダなど狭い場所でも育てることができます。葉裏は白銀色で、葉先は尖った形をしています。
やや自家結実性があるので、少量にはなりますが、1本でも収穫ができる可能性があります。日本国内で最も多く栽培されている品種で、収穫した実は、漬物としてもオイルとしても楽しむことができます。
オリーブ・ピクアールはスペインを原産とする、樹形の整った品種です。異品種交配ではなく自家受粉で完結できる点が最大の特徴で、実は黒く光沢のある質感をしています。オイル用の品種では世界中で最も多く栽培されています。
先述したとおり、オリーブには品種ごとに相性の良し悪しがあります。日本でよく栽培される人気品種では下記のような相性があるので、参考にしてみてください。
相性が良い品種 | 相性が悪い品種 | |
ミッション | ルッカ、ネバディロ・ブランコ | マンザニロ |
ルッカ | ミッション、マンザニロ、ネバディロ・ブランコ | |
マンザニロ | ルッカ、ネバディロ・ブランコ | ミッション |
ネバディロ・ブランコ | ミッション、マンザニロ | ルッカ |
ピクアール | レッチーノ、マンザニロ |
※相性悪い欄で空欄の場合は、相性良い品種以外のほとんどの品種で相性が悪い。
オリーブをシンボルツリーとして植えたいという方は、樹形が品種選びのポイントです。一口にオリーブといってもその樹形は、真っ直ぐスリムに伸びる「直立型」と、横に広がる「開帳型」に大きく分類できます。
下記に樹形別でオリーブの品種をまとめたので、植えるお庭のスペースやイメージにあった品種を選んでみましょう。
オリーブは品種が多く、特徴もそれぞれ異なります。品種によっては鉢植えでも栽培することができ、マンションなどに住んでいてもオリーブを育てられます。
品種ごとに漬物やオリーブの味なども異なるので、ぜひともご自分のお好きなオリーブの品種を見つけてみてはいかがでしょうか。
GreenSnap編集部