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育てやすくて人気の果樹ブルーベリーですが、じつは2品種以上育てないとうまく結実せず、甘くおいしい実を収穫することができません。
ブルーベリーの種類には3つの系統があり、約300以上の品種が存在します。
今回はその中から、ブルーベリー自家栽培におすすめなブルーベリーの種類・品種について詳しくご紹介していきます。それぞれの特徴や見分け方についても解説しますので、ぜひチェックしてみてください。
ブルーベリーは北アメリカが原産で、ツツジ科スノキ属に分類される落葉低木です。
樹高は1m~3m程度で、4月~5月頃に釣り鐘状の白色やピンク色の小さな花を咲かせます。6月~9月頃には果実が熟し、生食やジャムなどにして食べられるので、家庭果樹としても人気です。
秋には葉が紅葉するので、1年を通して楽しめます。ブルーベリーは、屋外の日当たりが良い環境を好みます。半日陰でも育ちますが、花付きが悪くなるのでなるべく日が当たる場所で管理すると良いでしょう。
ブルーベリーの種類は、現在約200~300品種ほど存在します。また、ブルーベリーには大きく3つの系統があり、系統によって果実の違いや栽培地域に向き不向きがあります。
下記にブルーベリーのそれぞれの系統の特徴をまとめたので、栽培地域にあった系統から品種を選ぶようにしましょう。
系統 | 果実の特徴 | 栽培の特徴 | 栽培地域 |
ラビットアイ | やや小粒だが実つきがよく多収穫 | 暑さに強く、寒さに弱いので、樹勢が強く剪定が欠かせない。土壌適応性が高く育てやすい | 温暖地〜暖地 西日本など |
サザンハイブッシュ | やや小粒で甘みが豊か | 暑さに強い一方、やや寒さと乾燥に弱い土壌適応性が低く、細かな土壌酸度調整が必要 | 温暖地〜寒冷地 関東〜東北南部など |
ノーザンハイブッシュ | 大粒で酸味と甘みのバランスが良い | 耐寒性が高い一方、夏の暑さや乾燥に弱い。土壌適応性が低く、細かな土壌酸度調整が必要 | 寒冷地〜寒地 北海道、東北地方など |
年間平均気温:暖地15~18℃>温暖地12~15℃>寒冷地9~12℃>寒地9℃以下
ブルーベリーを収穫するなら、1品種だけではなく2品種植えないと、実を収穫できなかったり、収穫量がかなり減ったりしてしまいます。
とくにラビットアイ系のブルーベリーは自家受粉できないので、1品種だけを栽培しても結実しません。ノーザンハイブッシュ、サザンハイブッシュ系は1品種だけでも結実しますが、2品種を並べて育てると、数倍実つきがよくなりますよ。
2品種同士の受粉が大切なので、品種を選ぶときは開花時期が離れていない品種同士を組み合わせます。同じ系統同士なら開花時期もほぼ一緒なので受粉しやすいです。ラビットアイとノーザンハイブッシュは開花時期が離れていて相性が悪いので注意してください。
ホームベルは8月頃に中粒の実をつける中生種で、ブルーベリーの家庭菜園におすすめの品種です。果実は酸味が少なく、甘いためフルーツとして生食にも向いています。
やや小粒ですが収穫量も多く、もっとも一般的に栽培されている品種です。
ブライトブルーはラビットアイ系ブルーベリーの中でも育てやすい品種で、大粒の果実が実ります。パリッとした食感で、甘さや程よい酸味がある人気品種です。他の品種よりも収穫期が長く、果実がゆっくりと熟し約5週間以上かけて収穫が可能です。
パウダーブルーはまるでパウダーがかかったような中粒の果実で、清楚な雰囲気の品種です。
親品種は「メンデイト」と「ティフブルー」であり、優れた果実の品質はティフブルーより受け継がれています。成熟期初期はすっきりした甘さですが、後期になると甘みが増してきます。
タイタンはアメリカジョージア大学の開発によって誕生し、ラビットアイ系ブルーベリーでは最大級を誇る品種です。沢山の果実が実り、パリッとした食感でフルーティーな味わいが特徴です。雨によって裂果してしまいやすいため、雨除けができる環境で育てましょう。
バルドウィンは数あるラピッドアイ系ブルーベリーのなかでも、トップクラスの強健性と甘さを誇る品種です。最大の特徴は収穫期の長さで、ブルーベリーのシーズンを締めくくる最晩生種としての地位を確立しています。
ブルーシャワーはラビッドアイ系ブルーベリーのなかでも一際大きな実をつける品種です。ボリュームたっぷりの実を口に入れると、ほどよい甘さと酸味を楽しめます。
クライマックスはラピッドアイ系ブルーベリーで最も早く収穫が可能な早生品種です。ひとつの木に多くの実を結ぶ豊産性に富んでいるため、一度の収穫で数多くの実を採集できます。ラピッドアイ特有の酸味は控えめで、甘みを強く感じる品種です。
オニールは甘みが強く香り豊かで、その美味しさから数多くあるブルーベリーの中でも大変人気のある品種です。耐寒性が強く育てやすい品種ですが、雨に弱く裂果しやすいという点もあります。
スターはオニールと同様で、美味しさではブルーベリーの中でもトップクラスの品種です。果実を正面から見ると、中央部分がスター(星)のような形をしていることが特徴です。日本では、「フロリダスター」という商品名でも流通しています。
シャープブルーは柔らかい果実で甘みがあり、サザンハイブッシュ系ブルーベリーの中では丈夫で育てやすい品種です。シャープブルーという名前は、フロリダ大学のシャープ博士にちなんで名付けられたとされています。
ジョージアジェムは中粒の甘い果実をつけることから、食用として非常に人気の高いブルーベリー品種です。土壌への適応性が高く、コンパクトに栽培できるため、庭にスペースがあまりない方でも栽培できます。
ミスティはノーザンハイブッシュ系とラビットアイ系の長所を兼ね備えており、沖縄のような亜熱帯地域であっても甘くて大粒の実をつける品種です。常緑性かつ直立に生長するため、樹形の整った庭木としても重宝します。
ピンクレモネードはノーザンハイブッシュ系とラピッドアイ系のハイブリッド品種で、ブルーベリーのなかではとても珍しいピンク色の実をつける品種です。観賞用としてだけでなく味も優秀で、一度食べると酸味と甘さのバランスが癖になります。
ジュエルは皮が薄いのにも関わらず甘くてジューシな大粒の実をつけることから、サザンハイブッシュ系ブルーベリーのなかでも評価の高い品種です。
さらに育てやすさに定評のあるシャープブルー以上に強健とも言われており、初心者でも比較的簡単に育てられます。
レイトブルーの成熟期は7月頃で、ハイブッシュ系ブルーベリーの中で成熟期が最も遅い品種です。ノーザンハイブッシュ系ブルーベリーの中では最も酸味が強く、果実は硬く品質も良いため、生食用に向いています。また、収穫量も多く、育てやすいですよ。
チャンドラーはブルーベリーの品種の中で最大の大粒で、500円玉位までに成長することも多い品種です。大粒なだけでなく、爽やかな甘さと酸味が程よいバランスで美味しいため、大変人気があります。
ブリジッタはノーザンハイブッシュ系ブルーベリーの品種ですが、オーストラリア産であることから温暖な気候の地域でも育ちます。すっきりした甘さとパリッとした食感が特徴で、果実の大きさは中粒~大粒です。
スパルタンはノーザンハイブッシュ系ブルーベリーの品種の中では、比較的耐暑性がある品種です。果実の大きさがそろっていることが多いので、見た目がとてもきれいです。
ブルーレイは果実が大粒で、香りも甘味も良好な、ハイブッシュ系ブルーベリーを代表する品種です。収穫時期は6月中旬頃。耐寒性にも優れていますが、シュートの発生が多いことでも知られています。
ブルークロップは大粒の果実をつけるノーザンハイブッシュ系ブルーベリーの品種です。ただし、シュートの発生は少なく、栽培難易度が低いとされているため、初心者の方にも比較的おすすめの品種です。
初心者でも育てやすいおすすめのブルーベリーの種類は、関東以南にお住まいなら「ホームベル」と「ブライトブルー」、関東以北にお住まいなら「ブルーレイ」と「ブルークロップ」の2品種を選ぶのをおすすめします。
それぞれ開花時期がそこまで大きく変わらないので、近くで育てれば受粉もしやすく、実つきもよくなります。
数多くの品種があるブルーベリーですが、品種ごとにその特徴は異なります。系統によって栽培できる地域が違いますが、地植えや鉢植えで育てることが出来ます。ご自宅でブルーベリーを育てて自家製ブルーベリージャムなどを作れば、食事も一層楽しくなりそうですね!
まずはご自身が興味のある品種を覚えて、ぜひご自宅でブルーベリーを育ててみてはいかがでしょうか。
松原真理子
GreenSnap編集部