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種まきの基本|種をまく時期は?土はなにを使う?発芽率を上げるコツは?

ガーデニングでも家庭菜園でも、種まきから育て始めると、また違った感動を覚えるものです。種まきには種の性質や大きさなどによって、種まき方法を変えてあげると、発芽率があがりますよ。

今回は種まきの基本的なやり方から、種の種類、種まき方法についてご紹介します。

種まきから育てるメリットは?

花や野菜を種まきして育てるのは、意外と簡単です。種まきは「播種(はしゅ)」ともいい、うまくいけば安価でたくさんの花や野菜を育てることができます。

また、園芸店ではおいていないような珍しい花苗も、種さえ入手できれば育てることができ、よりガーデニングを楽しめますよ。

なにより、種まきから育てると、発芽した小さな芽やぐんぐん伸び上がる様子を楽しめるので、苗から育てるのとまた違う感動を感じられます。

種まきの時期は?

種まきの時期はその植物によって異なりますが、一般的には春か秋です。雪が降るような寒い時期や、30度以上になる夏は避けて種まきをしましょう。

種から芽が出るためには一定の条件が必要です。水分や気温、酸素のバランスが重要で、4月でも真冬のように寒ければなかなか発芽しないこともあります。

それぞれの植物には発芽に適する温度、発芽条件などがあるので、市販品なら袋の裏の表示を確認するか、種まきの前に調べておくことをおすすめします。

種まきに必要なものは?

  • 植物の種子
  • 種まき用の土
  • 種まき用の容器
  • 殺菌剤(鮮度のいい種子なら不要)

種まき用の土について

種まきに使用する土は、無菌で清潔な土であることが大前提です。また通気性がよく、水もちのよい土を選びましょう。

園芸店などで売られている種まき用の土がおすすめです。自分で配合する場合は「赤玉土小粒5:調整済みピートモス2:バーミキュライト3」の割合で用意しましょう。

種まき用の容器について

種まきに使う容器にはさまざまな種類がありますが、少量であれば育苗ポット、大量に種まきするのであればセルトレイがおすすめです。

植木鉢などの大きすぎるものは、水分量の管理が難しいので使わないようにしましょう。

種まきの前に種子の性質を知っておこう!

植物の種子は大きく分けて2種類に分けられます。太陽光を好むものを好光性種子と呼び、そうでないものを嫌光性種子と呼びます。

そのほか市販品には発芽しやすく処理された種もあるので、その名称も覚えておくといいでしょう。

好光性種子

好光性種子は、太陽の光が当たらないと発芽しないのが特徴です。土に種をまく際に、土をたくさんかぶせてしまうと、日光が届かずに発芽しないので、薄く土をかぶせるか土をかぶせずに育てます。

光を好む植物の種子として挙げられるのは、次のものです。

  • 野菜:カリフラワー、レタス、ブロッコリー、キャベツ、ニンジン、シソ
  • 草花:ペチュニア、アリッサム、ベコニア、コリウス、キンギョソウ

嫌光性種子

反対に光を苦手とする嫌光性種子の場合、光に当たると発芽しないので、土に深く穴をあけてそこに種子を入れます。

  • 野菜:ダイコン、玉ねぎ、ネギ、ナス、トマト、キュウリ、スイカ
  • 草花:コスモス、スターチス、スイートピー、サルビア、パンジー(ビオラ)、ニゲラ

コーティング種子

ペレットコート

複数の小さな種子を粘土質の粉で一粒にまとめたもの。ペレット種子は一粒まくだけで3〜5粒まいたことになるので点まきの際の手間が減る。また発芽率も安定する。

フィルムコート

種子に殺菌剤や殺虫剤をコーティングしたもの。病害虫に強い植物が育つ。

プライミング種子

種子を発芽直前の状態で固定したもの。種まき後、いっせいに発芽することで、その後の管理がしやすくなる。

種まきの前に植物の性質を知っておこう!

植物の性質によっては、種まきの方法を変える必要があります。

基本的には発芽までの温度管理や育苗中の管理があるので、育苗容器をつかって種まきするのがおすすめですが、植物の性質によっては直まきでないとうまく育てられないこともあります。

直まきとは、育苗用の容器を使わずに畑や花壇、プランターに直接種まきする方法です。

直まきが向いている植物は?

植物の根には散根性と直根性の2つのタイプがありますが、直まきに向いているのは直根性の植物です。

散根性は細かい根を幅広くたくさん出し、直根性は地中深くにむかって数本の根を伸ばす性質があります。直根性の場合、根が数本きれるだけでもダメージが大きいので移植を嫌うのです。

直根性かどうかはタネ袋の後ろに明記されていることも多いですが、下記を参考にしてみてください。

  • 野菜:大根・ニンジン・ゴボウなどの根菜類、エンドウ・枝豆などの豆類、キュウリ、ほうれん草など
  • 草花:カスミソウ、クレマチス、ケイトウ、スイートピー、ネモフィラ、ポピー、金魚草など

基本の種まきの方法は?

① 種子の消毒

購入後時間が経った種子や、保存状態の悪い種子の場合は、種まきの前に消毒をして置くと発芽率が上がります。

種子の消毒には、一般的にはキャプタン剤やベノミル剤などを使いますが、家庭用のキッチンハイターなどでも問題ありません。

② 苗床の準備

種まきするときの土や容器をあわせて「苗床(なえどこ)」と呼びます。

育苗ポットやトレイの場合は1〜2cmほど余裕をもたせて土を入れましょう。セルトレイの場合はフチめいいっぱい土をいれてください。直まきする場合は、容器の半分上程度を種まき用土にしておくといいです。

苗床の準備ができたら、たっぷり水やりをして土を湿らせておきます。

③ 種をまく

種まきの方法についてはいくつか種類があるので、こちらの項目を参考にしてください。

種をまいたら覆土していきますが、このとき注意するのは、その種子が好光性種子か嫌光性種子かどうかです。好光性であれば3mm以内、嫌光性であれば5〜10mmほどを目安に、フルイか手をつかって土をかぶせていきます。

④ 水やりをする

覆土した後は、再度水やりをして土を湿った状態にさせます。ただし、水やりは霧吹きかごく柔らかい散水方法で行ってください。ジョウロなどでドバドバと水を与えると、種子が流れ動いてしまうのでやめましょう。

種まき後の管理方法とは?

置き場所・日当たり

発芽して子葉(最初に出る葉)が開ききる前までは、明るい日陰ほどの場所で育てます。雨の当たらない風通しのいい軒下などがおすすめです。

水やり

発芽して子葉が開ききる前までは、土が乾燥しすぎないように水やりしましょう。指を土に2〜3cmさして湿り気がなければ水やりしてください。

水やりは底面給水で与えましょう。トレイやバットなどに水をはって、その上にポットやトレイをおけば大丈夫です。そのほか、ごく柔らかい散水方法であれば問題ありません。

湿度・温度管理

発芽するのには温度と湿度も重要です。植物によって異なりますが、大体発芽温度は25度ほどなので、春先などで夜に冷えるときなどは室内にしまうか、保温のためにビニールを張るようにしてください。

また容器に新聞紙をかぶせ、霧吹きで湿らせておくのも湿度が一定に保たれるので発根・発芽しやすくなります。

種まきの手法の種類とは?

種まきはただ土の上に適当にパラパラとまけばよいわけではありません。植物の種子のまき方は3種類ありますので、ぞれぞれを見てみましょう。

点まき

土に丸い穴をあけて、その穴に数粒ずつ種をまく方法です。穴は等間隔に開けて、苗同士に距離があるため、根が当たらずある程度生長するまでその場所で栽培ができます。

コスモス、ペチュニア、アサガオ、アスター、カーネーション、ストックなどが点まきで育てます。

ばらまき

種子が直径1mm以下の小さい場合は、土の全体にパラパラとまきます。一箇所にばかりまくのではなく、均一にまくことがコツです。フルイをつかうと便利です。

コスモス、ペチュニア、トケイソウ、レタスなどがばらまきに向いています。

すじまき

スジになるように種子で線を描くようにしてまく方法で、長い溝をあらかじめ作っておいてそこに種をまいていきます。苗が並んでいるため、間引きの際に生長具合を比較しやすいメリットがあります。

ほうれん草、小松菜、春菊などの野菜はすじまき向きです。他にもコスモス、オシロイバナ、キンギョソウ、パンジー(ビオラ)、カーネーション、スイートピーがすじまきに適しているので、試してみてください。

種まきの基本を覚えて植物を育てよう!

種まきの方法も複数あることがわかりましたね。植物なら日差しを好むイメージが強いですが、嫌うものもありますので、種を買ったらよく説明書きを読んでから植えてくださいね。

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