warning
error
success
information
クレマチスは種類が豊富な植物ですが、実際どのような種類があるのか気になりませんか。このページでは、クレマチスの種類の分け方や、代表的な種類、一季咲きと四季咲きの違いをまとめています。ぜひご参照ください。
クレマチスはつる性の落葉多年草、または落葉花木です。つる植物としては、つるバラに並んで人気をあつめており、「つる植物の女王」としても知られています。耐寒性が高く、初心者でも育てやすいので、ガーデニングには欠かせない植物です。
品種によって開花時期は異なりますが、5〜10月の間に赤やピンク、紫、白など、色鮮やかな花色で咲きます。
クレマチスは全世界に約300種の原種があり、そこから日々交配が行われて園芸品種も多く生み出されています。
すべてクレマチス属の植物ではありますが、同じ属でも花の形や咲き方、開花時期も種類によってさまざまです。とくにクレマチスには花が咲く枝、花の咲き方に大きな違いが見られるので、まずはこの2点についてご説明しておきます。
花が咲く枝のタイプは、剪定と植え替えに大きく関係する性質で、タイプに合わせた剪定時期・方法、植え替え時期を守る必要があります。
クレマチスには原種から派生した品種を系統で呼び分けることがあります。系統の数は15種類前後ありますが、ここでは代表的なクレマチスの系統を表にまとめました。
系統 | 花の咲き方 | 花がつく枝 | 花の大きさ | 性質 | 特徴 |
アーマンディ系 | 一季咲き 春咲き 3〜4月 |
旧枝咲き | 小輪 中輪 |
落葉性 | アーマンディをもとにした交配種で、芳しい香りが楽しめるのが特徴。 |
モンタナ系 | 一季咲き 春咲き 4〜5月 |
旧枝咲き | 小輪 中輪 |
落葉性 | 香りがある品種もある。寿命が比較的短く1年で枯れることもある。 |
バテンス系 | 一季咲き 春咲き 4〜5月 |
旧枝咲き | 中輪 大輪 |
落葉性 | 低い位置から花をつけるので狭い場所でも楽しめる。 |
フォステリー系 | 一季咲き 春咲き 4〜5月 |
旧枝咲き | 小輪 | 常緑性 | つるがあまり伸びずやや木立性で鉢植え向き。狭い場所でも楽しめる。 |
インテグリフォリア系 | 四季咲き 夏秋咲き 5〜9月 |
新枝咲き | 小輪 | 落葉性 | やや木立性で絡みつかずにすらっと伸び、育てやすいのも魅力。 |
テキセンシス系 | 四季咲き 夏秋咲き 5〜10月 |
新枝咲き | 小輪 | 落葉性 | ベル型などのかわいらしい花を咲かせ、暑さに強い。 |
ビチセラ系 | 四季咲き 夏秋咲き 5〜10月 |
新枝咲き | 小輪 中輪 |
落葉性 | 庭植え用に改良された系統で、つるが細く花つきがいい。 |
フロリダ系 | 四季咲き 夏秋咲き 6〜11月 |
新旧枝咲き | 大輪 | 落葉性 | テッセンを中心とした交配種で、八重咲き品種が近年人気。 |
シルホサ系 | 一季咲き 冬咲き 10〜3月 |
旧枝咲き | 小輪 中輪 |
常緑性 | ベル型の花が多い。秋に咲いてそのあと春まで少しずつ長く咲く。 |
カンパネラ系 | 一季咲き 冬咲き 12〜2月 |
新枝咲き | 小輪 | 落葉性 | ベル型の花が多い。やや寒さに弱く寒冷地には不向き。 |
※落葉性・常緑性は品種によって異なる場合があります。
クレマチスは種類がたくさんあってどれを育てるべきか悩む方も多いようです。
もちろん花姿で選ぶのも間違いではありませんが、初心者であれば「新旧枝咲の四季咲きクレマチス」を選ぶのがおすすめです。剪定方法が楽で、もし剪定に失敗したとしてもあらゆる枝に花がつくので育てがいがあります。
また、開花時期の異なるクレマチスを組み合わせて、1年中咲かせる方法もあります。上記の表は開花時期順に並んでいるので参考にして、アーマンディー系→モンタナ系→ビチセラ系→フロリダ系→シルホサ系→カンパネラ系といったように、順番に咲かせることもできますよ。
それでは次からは、定番品種や八重咲き・ベル咲きなどの花姿が可愛らしい人気品種を詳しくご紹介していきます。
クレマチスモンタナはとても人気で有名なクレマチスの1つです。ヒマラヤから中国を原産とする原種クレマチスで、モンタナは香りがよい特徴があります。
モンタナ系、旧枝咲きで、花弁の色は白、ピンク、薄ピンクなどがあります。
クレマチス・フロリダは原種のひとつで、派生した園芸品種には後述のテッセンなどがあります。四季咲き性で長期間開花が楽しめます。
新旧両枝咲き、花色は白、紫、淡いグリーンなどがあります。
アーマンディは中国南部に自生する原種クレマチスの一種で、冬になっても葉が枯れずに残る常緑種です。花期にはよい香りがする特徴があります。夏の暑さは苦手で直射日光を避けて栽培します。
アーマンディ系の系統で、旧枝咲き、花の色は白、ピンク、薄ピンクがあります。
テッセンという名でよく流通するクレマチスは、日本にも自生しています。四季咲きで花期が長く4月から9月まで大型の花を咲かせます。花弁は6枚で、クレマチスのなかでは花弁数が少ない部類になります。見た目はトケイソウにも似ていて、夏にも咲く花という印象があります。
系統はフロリダ系で、新旧枝咲。花の色は中心が紫で花弁が白のバイカラーが多く見られます。
クレマチスのなかでも人気のある種類でクレマチスジョセフィーヌに似ています。花弁は濃いピンク色をしていて白いフチが入り見た目がとても美しいです。
系統はパテンス系で、四季咲き、旧枝咲、花弁の色は濃いめのピンクです。
クレマチス・ピクシーは、小さな花が特徴。ちなみにピクシーは小さいという意味。こちらは、つるはあまり伸ばしません。葉が常緑で通年美しい葉を楽しめます。ニュージーランド原産で、耐寒性があります。
系統はフォステリ系で、旧枝咲きタイプです。花の色は、緑が多く、他には黄色、白があります。
クレマチスペトリエイは草丈が低い特徴があります。花はあまり大きくなく、5センチ前後。開花直後は薄い緑色の花弁ですが、徐々に白く変化していきます。花弁の変化を楽しみたい方に向いています。
開花中は、香りがほんのりします。
クレマチスプリンセスダイアナは、真っ赤な花弁が特徴的です。花弁は4枚で、花弁が反るのでチューリップのような見た目をしています。名前からわかるように、ダイアナ妃をイメージして名前がつけられています。
テキセンシス系統で、新枝咲き。花弁の色ははっきりした赤、濃いピンクです。
クレマチス・インテグリフォリアはヨーロッパ~中央アジアを原産とするクレマチスです。こんもりとした草姿から飛び出した茎先に、釣鐘型の花を下向きに咲かせます。
インテグリフォリア系、新枝咲き、四季咲きで、花色は紫色やピンク色などがあります。
クレマチス・アラベラはクリーム色のおしべの周りに紫色の花を咲かせるクレマチスです。草丈70~80cmの草丈に対し、花の花茎は5~7cmとなっています。全体的に上品な印象を受ける花となっています。
ビエネッタはインテグリフォリア系、新枝咲き、四季咲きで、花色は紫色や薄桃色があります。
クレマチス・ビエネッタは時計草のような紫色の差し色が美しい花を咲かせるクレマチスです。大輪の花の中心はボール状になっており、鉢植えにシたときには良いアクセントになります。
ビエネッタはフロリダ系、新旧両枝咲き、四季咲きで、花色は紫色や白色があります。
クレマチス・プリンス・チャールズはパステルチ調のやさしい色合いの花を咲かせるクレマチスです。耐寒性・耐暑性ともに優れているため、園芸初心者でも簡単に栽培できます。
プリンス・チャールズはビチセラ系、新旧両枝咲き、四季咲きで、花色は紫色や青色があります。
クレマチス・レッドスターは花びらが幾重にも重なった立体感のある花を咲かせるクレマチスです。交配親であるクレマチス・プリンス・チャールズゆずりの花持ちの良さを誇ることから、切り花を長期間に渡って楽しめます。
レッドスターはパテンス系、旧枝咲き、四季咲きで、花色は赤色があります。
クレマチス・ダッチェス・オブ・エジンバラは美しい純白の八重咲きクレマチスです。5~10月の開花期間に花色が緑から白へと移り変わる特徴があります。花持ちもよいので、切り花はアレンジで楽しめます。
ダッチェス・オブ・エジンバラはパテンス系、旧枝咲き、四季咲きで、花色は白色があります。
クレマチス・白万重は、名前にも万重とついているとおり、八重咲きのなかでもとくに多弁なのが特徴です。
白万重はフロリダ系、旧枝咲き、四季咲き、花色はクリーム〜淡い緑色の変化を楽しめます。
クレマチスベルオブウォーキングは大型のクレマチスです。八重咲で花弁が多くボリュームがあり、目立つクレマチスです。花も大きく、色の変化を楽しめます。開花直後は緑色ですが、徐々に薄いピンクか薄紫に変化します。
系統はパテンス系で旧枝咲タイプです。
クレマチス・ロウグチは釣鐘型の美しい花を咲かせるクレマチスです。濃い紫色の花は6月~10月の長期間に渡って咲き続けます。網目のフェンスなどににつるをからませると、花も相まって美しく装飾可能です。
インテグリフォリア系、新枝咲き、四季咲きで、花色は紫色があります。
クレマチス・アンスンエンシスはクレチマスのなかでも珍しい冬咲きのクレマチスです。鐘のような花が冬に咲き誇ることから別名「ウインター・ベル」とも呼ばれています。つるの生長が早いため、育てる際はこまめな剪定を心がけましょう。
アンスンエンシスはコンターナ系、旧枝咲き、一季咲きで、花色は白色があります。
クレマチスは花の色、開花時期、色の変化を楽しめるもの、つるがよく伸びるかなどさまざまな違いがあります。自宅のお庭にどんな花をお迎えしたいのかで選んでみてください。四季咲きであれば花が長く楽しめますので、彩のよいお庭になりますよ。
GreenSnap編集部