warning
error
success
information
草木灰はカリを多く含んだ有機肥料のひとつです。家庭菜園やガーデニングに取り入れることで、根が強く丈夫な植物の栽培ができるようになります。
今回は草木灰とはなにか、その成分や効果から、使い方・作り方までご紹介します。
草木灰は草木を燃やして灰にした有機肥料のひとつで、読み方は「そうもくばい」です。
草木灰に含まれる成分は、燃やした草木(灰の元になるもの)によって異なりますが、一般的な製品では「リン酸3〜4%・カリ7〜8%・石灰11%」ほどです。他の肥料よりもカリが豊富に含まれているため、速効性のあるカリ肥料の代表としても扱われています。
カリウムを豊富に含む草木灰は、球根や根の育成を促進する効果があります。カリウムは根肥とも呼ばれるほど根の生育をうながす栄養分であり、とくに球根植物や根菜類は草木灰を施すことによってよく育つようになります。
草木灰を与えると、植物全体に栄養が行き渡るため、花つきがよくなり、実つきもよくなります。
植物を栽培するにはリン酸という成分が欠かせません。リン酸は果実や花に影響していて、花付き、実付きをよくするためにはリン酸が必要です。草木灰にはリン酸も少量含まれているので、花や実がよくつきます。
草木灰をまぜると土のpH値が高くなります。pH値が低いと酸性、高いとアルカリ性です。土がアルカリ性になると、虫がよりつきにくくなあるため、虫対策として草木灰を利用することもおすすめです。モンシロチョウは草木灰のニオイを嫌います。
また、日本の土壌は多くの場合酸性に傾いていますが、多くの野菜・草花は弱酸性〜中性の土壌を好むので、草木灰を土壌にすきこんで、土壌の酸度調整をすることができます。
普段使用している土に草木灰を混ぜることが基本です。草木灰は灰なのですぐに粉状になります。そのまま使用すると、風で飛ばされることがあるので土に混ぜましょう。
化学肥料と一緒に使用するとガスが発生するので、植え付け3週間前に草木灰を混ぜてください。植え付け1週間前に肥料を与えるとよいですよ。
目安として1坪あたり100~150g程度にしてください。
草木灰はアルカリ性が強く、使いすぎると土壌がアルカリ性に傾くので使用には注意が必要です。また、使いすぎるとカリウムが過剰になり、マグネシウムなど必要な栄養分が吸収されなくなるため、植物が生育不良を起こすこともあります。
なお、硫安・塩化カリ・過リン酸石灰は草木灰と一緒に混ぜるど有害物質が発生するので、併用しないでください。草木灰を使用する前には、説明書きや注意書きをよく読んでおきましょう。
草木灰はご自宅で作ることが可能です。草木の灰なので草や木の枝を燃やすだけで作れます。剪定をして出た不要な枝や葉、料理で余った野菜、雑草などを乾燥させて火をつけて燃やします。燃やして最後に残った灰が草木灰となるのです。
全体が灰になったあとは、やさしく水を混ぜて火を消してください。勢いよく水をかけてしまうと、灰が飛び散ってしまいます。水と一緒に流れてしまうこともありますので、そっと行ってください。そのままではまだ草木灰としては使用できません。
その後に土をかぶせます。さらに、プラスチックの板もかぶせてください。プラスチック板ですが、こちらは雨が浸み込まないようにするためです。2日ほど待つと草木灰ができます。
何日か雨が降らない予報のときに草木灰を作るのがおすすめです。
勝手に草木を燃やすと条例違反になることがありますので、公園や河原などでは行わないようにしてください。不安な場合は、自治体に問合せをしてみてください。
土の栄養分が足りず、植物の育成が悪い場合は草木灰を混ぜて、環境をよくするとよいでしょう。土が酸性に傾いている場合は、アルカリ性度のある草木灰を混ぜて調整することもおすすめです。
GreenSnap編集部