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ヤマボウシ(山法師)の剪定|時期や方法は?花が咲かない原因は剪定のせい?

ヤマボウシ(山法師)は花や果実の収穫、紅葉が楽しめる人気の庭木のひとつです。このヤマボウシの美しい四季の移ろいを毎年楽しむためにも、定期的に剪定をしてお手入れしていきましょう。

今回はヤマボウシの剪定の時期や方法についてご紹介していきます。

ヤマボウシ(山法師)に剪定が必要な理由は?

ヤマボウシの大きさ・樹形を整えるため

ヤマボウシはおもに「株立ち」という、地ぎわから数本の幹が伸びるような樹形で楽しまれることが多く、涼しげな風合いにすることでよりその美しさが際立つ庭木です。

しかし、剪定せずに放置しておくと枝や葉がどんどん伸びて茂り、鬱蒼として重たい雰囲気になってしまいます。そのため、定期的に剪定して、自身が管理しやすい大きさで、涼しげな姿に整えていくのです。

ヤマボウシの健康を保つため

ヤマボウシに限らず、多くの植物は大きく生長すると、その分全体に栄養が届きにくくなります。栄養を行き渡らせるためにも一定の大きさを保った方が健康的です。ヤマボウシを維持するためにも剪定をしてあげる必要があります。

また、枝や葉が重なり密集してくると葉に光が届かなくなるので、光合成がしにくくなったり、葉や枝が密集していると風通しが悪くなるので、定期的に剪定してこれらを防ぎましょう。

ヤマボウシ(山法師)の剪定をする前に知っておきたいこと

ヤマボウシの剪定には、「切り戻し剪定」と「間引き剪定(透かし剪定)」の2種類の方法があります。それぞれの剪定方法は目的や効果はもちろん、時期も変わるので気をつけましょう。

切り戻し剪定

切り戻し剪定は、枝を途中で切り落として再び伸ばすよう促して、枝の太さや長さを調整する、樹形を整えるための剪定です。

間引き剪定(透かし剪定)

間引き剪定は、株の風通しをよくするために、不要な枝を根元から切り落とし、二度と生えないようにするための剪定です。

ヤマボウシ(山法師)の剪定の時期はいつ?

ヤマボウシの剪定は必ず1年に1回、11〜2月の間に切り戻し剪定をしましょう。さらに株の風通しをよくする間引き剪定を通年適宜おこなって、株の健康と見栄えを整えます。

とくに切り戻し剪定の時期は大切です。ヤマボウシは春から秋にかけて花を咲かせ果実を実らせるので、この時期に樹形を調整する切り戻し剪定をしてしまうと、花が咲かなくなったり株が弱る原因になるので気をつけましょう。

ヤマボウシ(山法師)の剪定に必要な道具

ヤマボウシ(山法師)の剪定に必要な道具についてご紹介します。

  • ハサミ(剪定用ハサミや高枝切りハサミ)
  • 癒合剤
  • 脚立
  • ほうき
  • ゴミ袋

ヤマボウシの枝は硬いので、しっかりとしたハサミを選びましょう。生長して高さがあるヤマボウシの場合は、高枝切りハサミや脚立を用意してください。またカットした枝や葉が落ちるので、ほうきやゴミ袋があると便利です。

ヤマボウシ(山法師)の剪定のやり方

まずは仕上がりの樹形をイメージしよう!


ヤマボウシを剪定するときは、仕上がりの樹形をまずイメージしましょう。ヤマボウシの樹形は「株仕立て」という樹形が多く、その場合は縦の楕円形になるように剪定すると美しいです。

また、ヤマボウシから少し離れて見たときに、葉の向こう側が少し透けて見えるくらいの葉と枝の茂り具合になるように、剪定していきましょう。

ヤマボウシの樹勢は比較的弱めで、ゆっくりと成長する樹木です。太い枝を切り落とすときは、慎重にその後の樹形をイメージしながら切っていきましょう。

切り戻し剪定(樹形を整える強めの剪定)

切り戻し剪定では樹形を整えるために剪定をしていきます。後述の間引き剪定をして不要な枝を取り除いたら、今後伸ばしたい枝・少し抑えたい枝を選んで切り戻し剪定をしていきましょう。

弱剪定と強剪定で調整する!

切り戻し剪定では枝を切る位置によって、今後伸ばす枝の強弱をつけていきます。

  • 枝を浅めに切ると、その後切り口から細くてゆっくり伸びる枝が生えてきます。(弱剪定)
  • 枝を深めに切ると、その後切り口から太くてよく伸びる枝が生えてきます。(強剪定)

この枝を切る位置(強弱)を調整して、樹形を整えていきましょう。たとえば細い枝は強剪定して太めの枝は弱剪定すれば、その後太さや伸び具合がそろいます。

枝を切ると、切り口のその下の芽から枝が伸びます。枝が株の内側にむかって付いているときは、内向枝(不要枝のひとつ)が伸びてしまうので、必ず外側に向いている芽の上で切りましょう。

花芽と葉芽を選んで切る!

ヤマボウシの切り戻し剪定でとくに気をつけることは花芽を残すことです。冬は花芽と葉芽が混在している時期ですので、慎重に芽を確認しながら剪定しましょう。

花芽とはツボミのことを指します。花芽を残さないですべて切り落としてしまうと、次の花期に花が咲かなくなります。葉芽とは、枝や茎にあり、のちに葉になるもののことです。

花芽はふっくらとしていて大きく、葉芽は尖っています。気をつけながら花芽を残して剪定するようにしてくださいね。

高さを抑えたい場合はどこで切る?

ヤマボウシの樹高を低く保ちたい場合は、1箇所から四方に伸びている車枝が分岐しているすぐ上で切りましょう。もしくは、主幹を1.5〜2mほどのところで切るのもひとつです。

間引き剪定(風通しをよくするための剪定)

間引き剪定では、不要枝を根元から切り落として二度と枝が生えないようにします。このとき少しでも枝が残ってしまうと強剪定と同じ効果が出て、再び太く早い枝が伸びてくるので気をつけましょう。

切り落とすべき不要な枝とは?

  • 枯れている枝
  • 前回の切り戻し剪定の切り口から伸びる枝(複数伸びるので、全てきるか1〜2本残す)
  • 幹の根元から出てくる細い枝(ひこばえ)
  • 株の中心に向かって伸びる枝(内向枝)

そのほか、樹形をみて不要だと判断した枝があれば、根元から切り落としましょう。また株立ち樹形の場合は、下部3分の1部分の幹から分岐して生える枝は切ってしまうほうが美しい樹形になります。

剪定した切り口は癒合剤で保護する

切り戻し剪定・間引き剪定に限らず、太い枝を切り落としたときには、必ず癒合剤を塗布して、切り口を保護してあげましょう。雑菌が入り病気にかかるのを防いでくれます。

ヤマボウシ(山法師)の花が咲かない原因は剪定にあるかも?

ヤマボウシの剪定では、剪定をする時期と剪定する枝の位置によって、花が咲くなる原因となる場合があります。

切り戻し剪定をして樹形を調整するときは、必ず花芽と葉芽が発達して見分けがつく時期である11〜2月に行いましょう。切り戻し剪定で切り落とすときは、花芽と葉芽を見分けながら剪定してください。

ヤマボウシ(山法師)の剪定のコツを覚えよう

ヤマボウシの剪定は冬です。11月から2月に適正な剪定をすることで、花期にも花を咲かせ、しっかりと植物全体に栄養を行き渡らせて健康を保ちます。さらにヤマボウシの見栄えもよくなります。

ヤマボウシは樹勢が落ち着いていてゆっくりと伸びていく樹種なので、年に1回の切り戻し剪定では、仕上がりの樹形をイメージして慎重にお手入れしていきましょう。

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