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ローズマリーの剪定・収穫方法を図解!木質化したらどうする?

爽やかな力強い香りが特徴で、食用として料理に使用されるローズマリーは、とても丈夫で、乾燥して痩せた土地でもしっかり育つので、家庭菜園が初心者の方にもおすすめです。そんなローズマリーの枝が混み合ってきたら、剪定を行いましょう。今回は、剪定初心者の方でもわかりやすいように、ローズマリーの剪定時期や方法、手入れのコツについて詳しく解説していきます。

ローズマリーはどうして剪定が必要なの?

ローズマリーの剪定は、以下3つのことを目的に行います。

  • 見た目を整えるため
  • 木質化を防いで株の老化を防ぐため
  • 新芽を伸ばして花をつけやすくするため

ローズマリーは常緑樹のため、一年を通して枝葉が伸び生長します。放っておくと1〜2mにまで大きくなることもあり、葉が増えて通気性が悪くなります。ローズマリーは湿気や蒸れが苦手なので、通気性が悪いと枯れる原因になってしまいます。

また、株が大きく生長すると、株全体に栄養をエネルギーを行き渡らせるために株の負担が大きくなります。さらに古い枝が木質化して、収穫がむずかしくなってしまいます。

さらに、ローズマリーは新しい枝に花がつきやすいという性質があります。上の方にしか花がつかなくなってしまったり、

味や香り、見た目の美しさ、株の健康を保つためにも、ローズマリーの剪定は欠かせない作業です。

家庭菜園士 七尾びび

ローズマリーの広がり方は種類によって異なります。

垂直に育っていくタイプは「立ち性」、横に広がって地面を這って行くタイプは「ほふく性」と呼ばれます(中間タイプもあります)。

広がりを抑えたい場合は、立ち性ローズマリーがおすすめですよ。

ローズマリーの剪定時期はいつ?

ローズマリー GSオリジナル

ローズマリーの剪定に適した時期は、花が咲き終わった4〜6月頃です。

ローズマリーは夏の高温多湿が苦手なので、梅雨入り前に剪定を終わらせるのがポイントです。すっきりとした状態で本格的な夏を迎えることができれば、夏越しがしやすくなりますよ。

真夏の剪定はローズマリーの負担になり枯れてしまう可能性があるので避けましょう。また秋以降に剪定すると翌年花がつきにくくなるので、注意してくださいね。

家庭菜園士 七尾びび

秋に開花する木立性のローズマリーも、夏に入るまでに古い枝を剪定しておくと、新芽が伸びて花がつきやすくなりますよ。

ローズマリーの剪定方法を図解!どこからどこまで切っていいの?

ローズマリー 剪定 イラスト

ローズマリーの剪定には、「切り戻し」と「摘心」の2パターンがあります。

「切り戻し」は、傷んだり枯れた枝を取り除き、枝葉が混み合った部分を透かして風通しをよくすることが目的です。

「摘心」は、わき芽を出すのが目的です。

切り戻し剪定

ローズマリーの切り戻しは、まだ株が小さいうちは行わなくても大丈夫です。2年目以降の株に対して、切り戻しを行いましょう。

  1. 枯れた枝や向きの違う枝があれば、花がらの下で剪定する
    剪定の際は必ず少し葉を残すのがポイント!飛び出している枝は、周囲の枝の高さに合わせるようにカットする
  2. 枝が込み合っている部分は、通気性をよくするために適度な隙間を空けて整える
  3. どちらの枝を切るか迷ったら外側に位置する枝をカットする
    外側の枝を切ることで株の広がりを抑え、コンパクトな見た目に整えることができる

摘心

摘心では、株全体を大きくするために、まず伸びてきる枝の先端を剪定します。ローズマリーの枝先を摘心すると、枝先からさらに枝分かれした小枝が生長していきます。

株にボリュームを出したい時は、摘心を行うのがおすすめです。

なお摘心は、植え付けからしばらく経って、しっかりと根が根付き、枝が伸び始めた頃に摘心を行いましょう。

家庭菜園士 七尾びび

ローズマリーを剪定するときは、できるだけ長い茎を選ぶのがポイントです。短い枝ばかり剪定してしまうと、チグハグになってしまうので、株全体からバランスよく剪定してくださいね。

また、ローズマリーの茎は硬いので、しっかりとした園芸用ハサミを使用して剪定しましょう。

ローズマリーの剪定の注意点!

ローズマリーは剪定しすぎるとスカスカに見え、貧相になってしまうので注意しましょう。また、ローズマリーは強剪定が苦手なので、太い枝をたくさん切らないように注意しましょう。

剪定の際には、以下の点に気をつけてくださいね。

  1. 株全体を見て、生長している枝、飛び出した枝を見つける
  2. 葉を少し残して剪定する
  3. 株全体を適度に透かすように剪定する
  4. 株全体を見て、向こう側が薄く見えている状態くらいまで剪定する
  5. 強剪定は避ける
  6. 木質化した部分から剪定すると、新しい枝が生えてこないことがあるので要注意!

ローズマリーを収穫するときはどこから切る?剪定と同じ枝でOK?

ローズマリーは年中収穫できるため、剪定と収穫を同時に行えば効率的です。

剪定した枝も収穫したものと同じなので、さまざまな用途で使用できますよ。収穫と同時に剪定を行うことで、一度にたくさんの枝を収穫できるのもメリットです。

葉を用いる場合は、茎の上の方へつまんで引き抜くといいでしょう。

収穫した枝を一度に使いきれない場合は、ドライハーブにして保管するのもおすすめです。

家庭菜園士 七尾びび

一度にたくさん刈り込むと株の勢いが落ちて枯れてしまうこともありますので注意しましょう!

ローズマリーが木質化したらどうする?

ローズマリーの木質化

ローズマリーは秋になっても落葉せず、一年中葉をつける常緑低木です。生長して枝が古くなるにつれて、根元が茶色く硬くなり、木のように硬くなっていきます。このことを「木質化」と呼びます。

この木質化は自然なことで、定期的な剪定(切り戻し)を行っても、株は徐々に古くなっていきます。

木質化した部分からは新しい枝が出なくなるので、木質化が進んだら、挿し木をして新しい株をつくるのがおすすめです。挿し木の方法は、関連記事を参考にしてくださいね。

家庭菜園士 七尾びび

木化すると枝が太くなり、新芽の勢いが落ちます。木化すると気候の変化にも弱くなるので、株姿を整えながら育てていきましょうね。

剪定したローズマリーの葉をちぎって収穫も楽しもう!

ローズマリーの剪定は、時期さえ守れば難しいことはありません。伸びてきた部分をバランスよくカットすることで、きれいな株を作ることができますよ。

収穫した花や葉は、食べるだけでなくドライフラワーやポプリなどにして楽しむこともできますよ♪剪定で収穫したローズマリーを様々な用途に使って、香りや効果を楽しんでくださいね!

家庭菜園士 七尾びび

荒れた土地、肥料のない痩せた土地でも生長するほど逞しいローズマリーですが、湿気には弱いのが特徴です。乾燥を好む特性をできるだけ活かしてあげて、長く収穫しましょう。

この記事を監修した人

七尾びび

家庭菜園士・ベランダ菜園士。株式会社マイファーム松戸農園、松戸千駄堀農園の農園アドバイザー。 循環型の野菜栽培(コンポスト、たい肥づくり)に特化したアドバイザー。 化成肥料の栽培、完全有機栽培まで指導。日本園芸協会会員。同時に農業系、菜園系ライターとして活動中。

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