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ハート形に見える見た目がかわいいケマンソウ(タイツリソウ)。このハート形から連想されるのは「恋」に関する花言葉です。海外では「heart(心臓)」にちなんだ名前がつけられていたりとユニークな形が特徴の花ですが、葉や根に毒を持っているので誤って口にいれてしまわないよう注意が必要です。
今回は、ケマンソウの花言葉や種類、花の特徴を紹介していきます。
ケマンソウには、「従順」「恋心」「失恋」「優越」といった花言葉がつけられています。
・「恋心」…つぼみの状態のハート形から連想されたと考えられます。
・「従順、あなたに従います」…ハートが等間隔で垂れ下がった状態が従順なイメージにつながっているようです。
・「冷め始めた恋、失恋」…開花がすすむとハートが裂けてしまうようにも見えるため、このような花言葉もついたのかもしれません。開花が進むと花色が褪せて白っぽくなっていく花の様子から、気持ちが覚めていくようなイメージと重なるのかもしれません。
日本には、15世紀初めの室町時代の頃に中国や朝鮮半島から伝わったといわれています。茎からハートの形に見える花が1列にぶら下がるというユーモラスな形から別名「タイツリソウ(鯛釣り草)」やbleeding heart(血の垂れる心臓)などと呼ばれています。
「ケマンソウ」という名前は、仏堂の装飾具として使われる「華鬘(けまん)」が語源です。華鬘とは「華(はな)」と「鬘(かずら)」の意味合いを持つ漢字で構成されていますが、「華やかな、草や花で作った髪飾り」という意味があります。この華鬘を仏像の前に吊り下げて、顔が隠れるようにして使われます。ケマンソウの花が仏具の華鬘に似ていることからこのような名前になりました。
またケマンソウの別名「タイツリソウ」という名前は、釣竿に鯛が点々と釣れているように見える花姿からその名がつきました。
海外では、この花の形を心臓(heart ハート)に例えた名前が英語では「bleedeng heart (血を流す心臓)」、ドイツ語では「tranendes Herz 涙を流す心臓」、フランス語では「coeur de Jannette ジャネットの心臓 」というような名前が見られます。中国では「荷包牡丹(きんちゃくぼたん)」といわれていますが、これは花が巾着袋のように、葉が牡丹の葉に似ていることからこのような名前になったのではないでしょうか。
ケマンソウの花は、10個程度のハート型の淡い紅色の花が吊り下がっている様子が特徴的です。つぼみの時はハート形で花が開くと垂れ下がった赤い部分が両側にくるんと巻き上がり、白い部分と”しべ”があらわれます。
全草は水っぽくて柔らかく、葉はボタンの葉に形が似ています。地下部は太いゴボウ状に根が伸びています。見た目はかわいらしいのですが、そのかわいさに反して根や葉には毒を持っています。毒はやや強く、誤って食べてしまうと嘔吐や心臓麻痺など重大な症状を引き起こすのでくれぐれも注意してください。
見た目のかわいらしいケマンソウにもいくつか種類がありますのでご紹介します。
白花で、イギリスの庭園で実生されたものから出現したものです。
鮮やかな黄色をした葉が特徴。特に午前中によく日があたる場所だと色がより冴えます。
草丈60~150cmで乳白色から淡黄色のような色の花を咲かせ、花の長さは5~7cmと大きめで花は3~10輪まとめてつくのが特徴です。
見た目はかわいいタイツリソウ。鮮やかな朱色の花が春の庭を明るく彩ります。ただし毒があり、重大な症状を引き起こすので、ペットなどが誤って食べないように気を付けましょう。
GreenSnap編集部