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ポポーの果実は日持ちが悪いこともあり、市場にはなかなか出回らない幻のフルーツとも呼ばれている果物です。しかしこのポポー、知ると思わず食べたくなってしまうような”秘密”が隠されています。
今回はそんなポポーの特徴や食べ方・栄養などについてご紹介します。
ポポーは熱帯地域に自生する落葉高木の果樹です。バンレイシ科には独特な香りのする果実がなる植物が多いのですが、ポポーもそのひとつです。秋頃になるとマンゴーやバナナにもにた香りの丸みのある果実をつけます。
熱帯出身ではありますが、寒さにも強く、品種によっては-30度まで耐えることができます。あまり聞きなれないフルーツではありますが、日本には明治時代から入ってきており、現在も日本全国で育てられている果物です。
なぜあまり知られていないかというと、ポポーの果実は賞味期限が3日ほどしか保たないためです。この日持ちの悪さから一般的なスーパーには出回らず、道の駅や直売所、ネット販売などの農家直送で売られるような場所でしか手に入らないため、幻のフルーツとも呼ばれています。
ポポーの味はマンゴーやバナナ、ココナッツを足したような甘みがあり、それでいてパイナップルのような爽やかな香りが鼻に抜けていく、トロピカルな味わいです。
食感はねっとりとしていて、その甘みのあるクリーミーさから「森のカスタードクリーム」とも称されています。熟した柿、アボカドのようなしっとりした食感と表現されることもあり、とにかく濃厚な味わいが楽しめるようです。
ネットやSNSではポポーはまずいという意見をよく見かけますが、これは単純に好みによるものか、追熟不足が原因だと思われます。
ポポーはそもそも賞味期限が3日ほどしか保たないと述べましたが、これは完熟してから3日ほどということです。売り場に出回るときやネット販売で発送するときは、未完熟の果実を送ることがほとんどなので、入手してから追熟する必要があります。
追熟といってもそのまま明るい日陰に常温で置いておくだけなので、食べたい気持ちを抑えて、2〜3日追熟させましょう。
ポポーの食べ頃は皮が黒っぽく痛んだようになってから。バナナのように黒ずんでくるのでそれを目安にしてください。
表皮がマスカット色の未完熟のままで食べると、えぐみのある味でポポー特有のねっとり感も楽しめずまずいので注意。
そんな美味しさを最大限に味わうには、シンプルに果実のみを切って食べるのがいいでしょう。皮は食べられないので手で剥ぐか、スプーンですくって食べると簡単です。
何も手を加えずとも、濃厚な深みを味わせてくれるポポー。いったん口に入れれば、芳醇な香りとともに病みつきになってしまうことでしょう。
そのほかにもおいしい食べ方ができるので、下記を参考にしてみてくださいね。
ポポーにはバランスよく栄養がふくまれていて、美容や健康にいいとされるスーパーフルーツとしても人気です。含まれる栄養成分量はバナナと似ていますが、バナナよりカロリーが若干低めで、食物繊維が2倍、また脂質はバナナの2割ほどしかないので、よりダイエット向きともいえます。
またビタミンCが豊富で、肌のターンオーバーを活性化させたり、ガンの原因ろなる活性酸素から守ったり、白血球の免疫力をあげてくれる効果もあります。
ビタミンの他にも、ミネラル、アミノ酸などを一度に摂れてしまう、まさに”栄養の宝庫”です。
生ポポーのカロリー:約80kcal
B :0.01mg
B2 :0.09mg
C :18.3mg
じつはポポーには毒性があります。ただし、毒の成分が含まれているのは葉や茎の部分なので、果物として果実を食べる分には中毒になる危険性はありません。
ポポーの葉や茎にはアセトゲニンという毒性のある成分が含まれていて、その結果ポポーは害虫の被害にあいにくいというメリットがあるのですが、その反面、調理するときは注意が必要ですね。
ただし、ポポーを食べて下痢になってしまったという声も多いようです。ただ、これはポポーの毒性というよりも食物繊維の豊富さが原因だと思われます。前述の通り、ポポーはバナナに匹敵するほどの食物繊維が豊富なので、人によっては1つ以上食べると下痢を引き起こす可能性があるので注意しましょう。
また、ポポーはアレルギーを引き起こすこともあり、とくに果物アレルギーや花粉症、ゴムアレルギーの経歴がある方は食べるのを控えたほうがいいでしょう。まれに口腔アレルギーを引き起こすことがあるので注意してくださいね。
ポポーの花は4〜5月ごろに咲き、赤茶色のアンティークなカラーでやや俯くように咲きます。
ポポーの花言葉は『健康』です。この花言葉がついた由来は、ポポーの果実の栄養価の高さからきています。また、比較的簡単に育てることができ、植物の成長を阻害する病気や害虫にも強いことから「健やか」な植物であると知られていたため、「健康」という花言葉がついたとされています。
アメリカのミシガン州で見られる野生種をもとにした品種です。野生種と比べ、倍ほどの大きさの実をつけつつも、その甘さは健在です。
アメリカで最も一般的なカンザス州原産の品種です。他の種類に比べ成長が早いこと、そして艶のある実の中に種が少なく食べやすいことが特徴です。
アメリカのイリノイ州で見られる種で、摘果さえうまく行けばオーバーソースに劣らないほど大きな実をつけます。その実からは「カスタードアップル」といわれるほど、喉越しがよく、豊かな味わいを頂けます。
ポポーはあまり知られていないマイナーな果樹ですが、その中身は他の果物とひけをとらない、またはそれ以上の”逸品”です。
加えてあなたの自宅のお庭でも育てられるほどの手軽さもあり、夢であった自家製果物をつかったスイーツなんてつくれちゃうかもしれませんよ?
GreenSnap編集部