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ミセバヤは江戸時代から日本で栽培されていて、日本の土地で独自に成長してきた植物のひとつです。品種によっては岩肌を好んで咲くものもあります。緑や花のない高い山の岩場にミセバヤを見つけられたら、その美しさに癒されるでしょう。
今回はミセバヤの花言葉や特徴などについてご紹介していきます!
ミセバヤの花言葉は『大切なあなた』、『つつましさ』です。『大切なあなた』の「あなた」を意味しているのはお世話になった先生、という説があります。ミセバヤが恩師に見せたいほどの花であった、ということでしょう。しかし時代を経てその由来は幅を広げ、純粋に「自分が大切に想う人」と解釈されることもあるようです。
もうひとつの花言葉「つつましさ」はミセバヤの咲く姿を言葉にしたもの、といわれています。ミセバヤの花は決して華やかに咲き誇るわけではないものの、濃いピンクの花が印象的ですよね。派手ではない一方で存在感がある姿が、控えめながらも芯を感じられる女性にたとえられるゆえんかもしれません。
ミセバヤは和名(日本名)を「見せばや」といいます。和名の由来は花言葉の由来にも通じますが、ミセバヤを見つけた法師が自分の和歌の師に「君に見せばや(見せたい)」との歌を添えてミセバヤを贈ったことです。ミセバヤの花は10月から11月の秋が深まるころに鮮やかに咲き誇ります。おそらくその法師がみたミセバヤは、山の紅葉に負けないほどの美しさだったのではないでしょうか。
ミセバヤはベンケイソウ科に属した植物です。ベンケイソウ科には濃い小さなオレンジの花を咲かせる「カランコエ」があります。大きな花が一輪咲いた姿も確かに見事なものですが、ミセバヤのように小さな花でも鮮やかな色をもって見る人を惹きつけてやまない花もあるのですよね。
ミセバヤにはいくつか種類があります。ツガルミセバヤ、オオベンケイソウ、エッチュウミセバヤ、ヒダカミセバヤ、カラフトミセバヤなどです。ではそれぞれのミセバヤについてみていきます。
ツガルミセバヤはミセバヤよりやや早く9月から10月ごろにかけて、1本の茎から4本~5本の白い花を咲かせます。岩場に自生する強い植物です。ただし絶滅危惧種に指定されていて、令和2年現在では貴重な花となっています。
オオベンケイソウが咲くのは9月から10月にかけてです。赤紫からピンクくらいの小さな花が密集して咲くのでひとつひとつの花は小さくても存在感は抜群。多肉植物ではありますが冬には土の上に出ている茎などは枯れてしまいます。秋だけ触れ合える植物、といえそうです。冬は地上に出ている部分は枯れてしまいますが、地下茎は生きていて土の中で成長を続けます。鉢ではなく地植えすると冬の間成長するでしょう。オオベンケイソウを地植えしたら、隣の植物とは意識して間隔をあけておくとお互いを邪魔せず育ってくれそうです。
エッチュウミセバヤは富山県の固有種でツガルミセバヤと同じく、環境省の絶滅危惧種に指定されている植物です。熊野川流域の絶壁や崖に生えます。花はミセバヤよりやや薄いピンク色で優しい雰囲気です。
ヒダカミセバヤは北海道の日高地方や十勝地方に分布する、北海道の固有種です。濃いピンク色から赤に近い色の花を9月から10月にかけて星型を描くように広げて咲かせます。環境省と北海道それぞれで絶滅危惧種に指定されています。
カラフトミセバヤは別名エゾミセバヤともいいます。ヒダカミセバヤと分布する地域はほぼ同じです。ヒダカミセバヤとカラフトミセバヤの見分け方は、葉です。ヒダカミセバヤの葉のふちがノコギリのようにギザギザになっているのに対し、カラフトミセバヤの葉のふちは滑らかな形をしています。
ミセバヤは主に地面に沿って育っていく植物です。なのでグランドカバーに適しているといえます。もちろん鉢植えも可能。小さな花をたくさん咲かせるので、彩りの異なる花の寄せ植えにも向いています。ミセバヤは湿度の多いところは苦手ですので、雨が多い時期は雨にあまり当たらない場所に移動させてあげましょう。
水を意識してあげる必要はなく、多湿さえ注意していれば比較的育てやすいのがミセバヤの魅力のひとつ。花壇の隅が空いていたら、寄せ植えのアイテムに迷ったら、花を育ててみたいとおもったら……。ミセバヤを育ててみてはいかがでしょうか。
GreenSnap編集部