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袋状の花姿をしたアツモリソウ(敦盛草)は、赤紫色や薄いピンク色の多年草植物です。4月~6月頃に見頃を迎え、高山植物であり寒冷地でよく育ちます。日本には昔から自生している植物で、アツモリソウの名前は平安時代の武士である平敦盛と深く関わりがあります。
今回は、アツモリソウの花言葉や特徴などについてご紹介していきます!
アツモリソウの花言葉は、「気まぐれ」「移り気」「君を忘れない」などがあります。
君を忘れないという花言葉は、平敦盛と深く関わりがあると言われています。平敦盛は一ノ谷の戦いで平氏が劣勢になると舟に乗って逃げようとしたが、逃げ遅れてしまいました。最期は、敵方の熊谷次郎直実によって首を切られました。この花言葉は、若くして亡くなった平敦盛のことを忘れないということが由来のようです。
アツモリソウ(敦盛草)という名前は、アツモリソウの花姿が源平の戦いで平敦盛が鎧の上に背負っていた母衣(ほろ)に似ていることが由来だと伝えられています。母衣とは、流れ矢や石などを防御するための武士の道具のことです。布製の母衣は、風によって大きく膨らみます。
別名の「カッコ花」とは、カッコウ(郭公)が鳴く山で咲いている植物であることから名付けられました。カッコウはアツモリソウが咲く時期と同じ春に、東南アジアから日本へ渡って来ます。
学名である「Cypripedium macranthos」とは、「Cypripedium(シプリペディウム)」はギリシャ語の「Cypris(女神のビーナス)+ 「pedilon(スリッパ)」が語源であり、アツモリソウの花姿が舞踏会で履く貴婦人のスリッパのようであることが由来とされています。「macranthos」とは、「大きな花の」という意味があります。
英名では、「Ladys Slippers」や「Slipper Orchid 」などと呼ばれています。
アツモリソウは、中国や日本に分布している多年草植物です。涼しい環境を好む植物で、低山や亜高山、そして草原などに自生しています。日本では、北海道と本州の中部地域より北に生息しています。開花時期は4月~6月頃で、直径約5cmの球型のような淡いピンク色や赤紫色の花を咲かせます。草丈は20cm~40cm程度で、葉の大きさは約15cm~20cmです。葉には沢山の脈があり、折れ曲がっているのが特徴です。
アツモリソウは耐寒性に優れていますが、耐暑性には弱い植物です。そのため、夏の時期には鉢植えで室内など涼しい場所で管理するようにしましょう。また、土の中が高温になりすぎると株が腐る原因になるため、蘭の植物に適した用土などを使用すると良いでしょう。
アツモリソウは、そのユニークな花姿から他の植物にはない魅力があります。栽培用の植物として非常に人気がありますが、乱獲や盗掘などの影響によって、現在は絶滅危惧種に指定されています。
国内では貴重な植物のため、「幻の花」とも言われています。また、アツモリソウの花姿から「ラン科の王様」などとも呼ばれています。低山などに自生するアツモリソウの採取は禁止となっていますが、ご自宅などで栽培することは禁止されていません。
アツモリソウ属にはいくつも種類があり、開花時期や花色などはさまざまです。通販などで購入することが出来、鉢植えや地植えなどで育てることが出来ます。アツモリソウにご興味があれば、ぜひご自宅で育ててみることをおすすめします!
Lily